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黎明を灯す光 ~神に至る道~  作者: Mr.Z


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097.アダマンタイト

 オレ達がドラゴン退治に勤しんでいる間、コマンダーは遠い宇宙でアダマンタイトの採集を行っていた。そしてその成果は、正直まあまあらしい。ハッキリ言うと上々とは言えない結果に終わった。複数の銀河に偵察機を放ち、数日間しらみ潰しに探し回っていた様だ。


 後日、オレとコマンダーは武器開発をしているラボで、見付けたアダマンタイトの使い道を考えていた。


「で、そのアダマンタイトで何を作るんだ?」


『とりあえず君達騎士団のマスクとバイザーをアダマンタイト製にする。残ったアダマンタイトでバトルライフルの特殊弾を製作する。ドラゴンをも葬れる威力のものを』


「そりゃ頼もしいな。いっそ、パルスグレネードやフリージンググレネードの効果を持った弾丸でも作ったらどうだ?」


『ふむ。状況に応じた弾丸を選択して切り替える機構を加えてみるか』


「弾丸のコストも考えると、その機構はとりあえずイザベラの分だけでいいんじゃないか?」


『合理的だ』


 という訳で、イザベラの重火器を新たに製作する事になった。彼女には負担を強いる事になるが、問題ないだろう。うまくやれるはずだ。


 それに遠距離で多くの敵を仕留めれば、他の団員達のリスクを減らせる。なるべく、皆には危険な目にも痛い目にも遭ってほしくない。


「そんなのはオレ一人で十分だ・・・」


再生(アンラ・マンユ)』の力がある今のオレなら、首を斬り落とされない限り死ぬ事はないだろう。痛みは感じるが、ミカエラやクーナさん、ルカにクララ、そしてアンジェとイザベラ達の為ならば耐えられる。


 そしてこれからも現れるであろう新型オメガに備えなければ。装備を充実させ、因子によって新たな力を得て・・・。例え人間から遠ざかる事になったとしても。


「ドラゴンの因子の抽出は?」


『既に終わっている。それと、一応あのドラゴンは戦車型オメガ、ヴォーティガンと名付けられた』


 ヴォーティガン、ねぇ。聞いた事ないけど由来はあるのかね。まあ、そんな事はどうでもいいか。


 コマンダーが既に用意していたドラゴンの因子。それを受け取って首に刺す。体内に流れ込む液体がオレと結合し、遺伝子情報を書き換える。


 刹那、感覚が研ぎ澄まされ、口の中が熱くなるのを感じる。火でも吹ける様になったかと思ったが、その熱は次第に下へと下がっていき、最後には胸の辺り、心臓で止まった。


「心臓が熱い・・・」


 ドラゴンハートが宿った・・・という訳ではないが、別の何かを感じる。これは・・・世界樹の種か? 


 どうやらドラゴンハートが世界樹を温めているらしい。成長を促進させているのかもしれない。


 もし世界樹の芽が出たらオレの体を内側から突き破ってしまうのではないだろうか?


「どこぞのエイリアンかよ・・・」


 そんなのはゴメンだ。いや・・・腹を裂かれるぐらいなら多分死なないか。なら大丈夫だ。


 他に体調の変化は見られないが、一度アメリカの軍事基地に移動して体を動かす事にした。心臓が強化され、心肺機能や身体能力が上がっている可能性があるからだ。


 懐かしの訓練場で、他の隊員達が体を動かしているのを横目に、オレも体を動かしているとルカとクララがこちらに向かってくるのが見えた。


「お兄さん!」


 こちらに笑顔を向けて手を振りながら駆け寄ってくるルカは、何かを彷彿とさせる。


「ああ・・・犬か・・・」


 近所にいたペットのゴールデンレトリバーみたいだ。人懐っこいアイツは、通り過ぎる人全員に尻尾を振って愛想を振りまく可愛いヤツだった。


 ルカはそれを思い出させる。もし尻尾が生えていたら、きっと今頃千切れる勢いで尻尾が左右に揺れていたはずだ。


  それとルカとクララはオレを兄と呼ぶ。団内での呼び方については自由にさせている。イザベラがオレを坊やと呼ぶのもそのせいだ。堅苦しいのは嫌いだし、団員達との間に壁も作りたくないから構わない。それに兄と慕われるのは正直嬉しい。


「ルカ。訓練中か?」


「はい。あ、でも本当はお休みの日なんですけど、少しだけ体を動かしておこうと思って」


「そうか。良い心掛けだな」


 休日にも訓練を欠かさないルカを褒める為、その頭をくしゃくしゃと撫でると、喜んでされるがまま受け入れる。不意に服を掴まれている事に気が付き、視線を向けると、クララがオレの裾を引っ張っていた。


「クララも」


 別に褒められる事をしていた訳ではないが、なでなでを要求するクララ氏。いや、まあ別にいいんだけどさ。


 今度はクララの頭も撫でる。ちなみに二人は先日のロンドン防衛線の時とは違い、普通に軍服を着ている。


「もしやる事がないなら、訓練相手になってやろうか? どうせオレもやる事ないし」


「本当ですか!? ぜひお願いします!」


 やる気に満ち溢れていて結構。腰には獲物の短刀があり、今すぐにでも戦える状態だ。クララに離れてもらい、早速接近戦の訓練を始める。


「よろしくお願いします!」


「おう。いつでも掛かってきていいぞ」


 短刀を抜くルカ。続いてオレも剣を抜く。もし怪我をさせてしまっても、母艦に行けばヒーリングポッドがある。すぐに治療が可能だ。


 という訳で気兼ねなく戦える。まあ、怪我なんてさせないけどさ。


 短刀を構えて接近するルカの攻撃を10倍は大きい剣で捌く必要がある。力で勝てないのを理解しているルカはスピードと手数で勝負を仕掛けてくる為、その全てを防がなければならない。


 誰かが見ていたら短刀を2本持っているルカの方が速いと思うかもしれないが、大剣といっても差支えのない程大きい剣を持っているオレの方が速い。


 無数の火花を散らしながら、ルカの攻撃を受け止めては押し返し、避けては軽く反撃する。ちなみに全力は出していない。アンラ・マンユ程度の強さを想定して相手をしている状態だ。


 ルカにはまだアンラ・マンユに勝てる程の実力はないが、それも時間の問題だ。後数か月も経てば、勝てるはずだ。それ程ルカの成長には目を見張るものがある。


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