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黎明を灯す光 ~神に至る道~  作者: Mr.Z


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093.プニプニ

 ミカエラの柔らかい体を堪能しつつ、あのドラゴンをどう倒すか考える。とはいえ――


「銃もサイコキネシスも効かないしなぁ」


 他に有効な攻撃手段があるだろうか? クララが回復したら一度体内のグチャグチャにしてもおうか・・・。いや、回復までに1時間は掛かるしムリか・・・。魔剣解放して叩き斬るのも試してみたいが、空を飛ばれている状況では厳しいだろう。


「どうしたものか・・・」


 ミカエラのサイコキネシスで浮遊したまま抱き着いて何とか空中に留まっているが、ドラゴンがこちらを睨みつけている以上、いつ襲われてもおかしくはない。


 とはいえやはりミカエラの体は良い香りがする。その柔らかい体はどこを触っても気持ち良い。


 プニッ――


「ちょっとケイジ! こんな時にどこ触ってるの!」


「おっと、失礼」


「もう!」


 プリプリと怒る彼女のプニプニのお尻を撫でていると、その腰についてあるポーチの中からある物を見付けた。


「これならいけるか・・・?」


 オレはフリージンググレネードを手にする。生物、それも爬虫類であるなら温度変化に弱いはず。変温動物って言うんだっけ? 中学の時に理科で習った気がする。


 炎を吐く以上、熱には強いだろうけど、冷気ならどうだろうか。それももし、体内で絶対零度の冷気が発したともなれば、いくら頑丈な鱗を持っていようが致命傷となるだろう。まあ、爬虫類云々ではなく、生物であるなら一定以上の降下は期待できるはずだ。


「総員、フリージンググレネードを渡してくれ。ミカエラはサイコキネシスでグレネードをアイツの口の中に放り込んでくれ」


「・・・ちゃんと作戦を思い付いたならお尻を触った事許してあげる」


「後でオレのお尻も触らせてあげるから」


「本当!? 約束だからね!」


 あ、あれ? 冗談で言ったつもりが結構ノリ気なんですけど・・・。もし生き残ったらオレ女の子にされちゃうかも・・・。


 なんて下らない事を考えつつ、ミカエラに地上まで降ろしてもらう。


「オレが何とか口を開けさせるから、いつでも対応できる様に待っていてくれ」


「分かったわ」


「重装兵は作戦が成功したら一斉掃射してくれ」


「しっかりやんなよ、坊や」


 あの、イザベラ姉さん? 皆の前で坊や呼びはやめてほしいのですが・・・。


「クーナさん達は魔法で援護を。ドラゴンの隙を作るのに協力して下さい」


「ああ、任せてくれ」


「他は待機していてくれ。各自の判断で民間人の救出に当たって構わない」


「了解であります」


 作戦も決まった事だし、いっちょやりますか。


 イザベラさん達重装兵にはそのまま継続して橋の上で狙撃出来る様に待機してもらう。


 ミカエラは器用にサイコキネシスを使い、全員が携帯していた合計30個のフリージンググレネードを浮かべて待機している。


 そしてクーナさん達アールヴは何も言っていないにも関わらず、調和魔法で川沿いに植えられている木を変形させて何本も足場を作ってくれる。それを利用すれば簡単にドラゴンの元まで近づけるだろう。


 やっぱり時代は調和魔法だな。誰だ、精霊魔法を使いたいって前に思っていたヤツは。オレだな。


「クーナさん! ありがとうございます!」


 彼女にお礼を言うと、こちらに笑顔を見せてくれる。なんて可愛らしい人なんだ。つい惚れてしまいそうだ。


 彼女が作ってくれた足場を利用して川の上を移動すると、オレの接近に気がついたドラゴンが動き出す。ブレスをしようと、口を開けてこちらにガスを噴射するが、サイコキネシスでその顎にアッパーを繰り出して強制的に口を閉じてもらう。


 少し仰け反る程度で、やはりダメージは与えられていない。だが、ブレスも原理さえ分かってしまえば対処のしようはある。今までのオメガに比べてしまえば防御力が高いだけで、初見殺しの技は特にない様に思える。


 続々とクーナさん達が足場を作ってくれるおかげで、ドラゴンが移動しても追いかける事が出来る。本当に彼女達には頭が上がらない。


 そのままドラゴンの眼前まで迫り、頭上に向かって跳躍する。そしてアダマントソードを顕現、魔剣解放をして刀身を20倍の30メートルに伸ばして振り下ろす。


 ヤツの体重がどれ程かは分からないが、サイコキネシスである程度怯む以上、重さ1トンの斬撃は無傷では済まないだろう。


 空中を急接近されて放たれたその一撃を、ドラゴンは躱せないと判断した様だ。剣を角受け止める様に頭部をかちあげてきた。刹那、二者が衝突する。


 角を切断して、そのままドラゴンの首をも斬り伏せる――そうなれば良かったものの、角すら切断できずに受け止められた。とはいえ空中で踏ん張る事も出来ないまま、頭上からの一撃を完全に止める事は出来なかった様だ。


 ドラゴンの体は急速に落下し、川の中に落ちる。水中で爆発でも起きたかの様な勢いで水しぶきが舞い、その中からドラゴンが顔を出す。すぐに飛び立とうとするも、これ以上飛ばれるのは面倒の為、一気に畳みかける。


 剣を一度元の状態に戻し、空中でもう一度縦に回転して再び刀身を伸ばして振り下ろす。次はその翼の根本を目掛けて。ドラゴンがそれに反応するよりも一瞬早く、剣が振り抜かれる。宙を舞い、川に落下する巨大な片翼。オメガにしては珍しく赤い血をしており、川が赤く染まっていく。


 可動域を広くする為か、翼の根本にある鱗は堅くない様だ。すんなりと切断する事が出来た。


 ギャオオオオオオオォッ――


 クーナさんが急いでオレの足場を用意して、そこに着地するとほぼ同時にドラゴンの悲鳴が響き渡る。そのあまりにも大きな音で鼓膜が破れ、三半規管がイかれて立っている事すらままならなくなり、その場に座り込んでしまった。


 だが、当初の予定通りその機動力は奪ってやった。さてと、ここからが本番だ。


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