表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黎明を灯す光 ~神に至る道~  作者: Mr.Z


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

81/124

079.ドライブ

 住宅街を進んでいると、十字の交差点にトウテツの群れとベヒーモスが見えた。どうやら車の中のエサを貪っていた様だ。


 迂回する場合、かなり遠回りする必要がある。正直、オレの気力が持ちそうにない為、迂回はしたくない。


「ちょっと! アレとやりあうつもり!?」


 オレが進もうとすると、ミカエラの友人が慌てて止めてきた。


「ああ。迂回して時間を掛けている場合じゃない。正直オレがもちそうにない」


 今すぐにでもぶっ倒れそうなのを我慢しているんだ。彼女に構っている時間すら惜しい。


「怖いかもしれないけど、ここから動かないで」


 まだ何かを言っている彼女を無視してオレはマスクを着け、交差点に向かって駆ける。見たところトウテツが18匹、奥にベヒーモスが1匹。


 彼女達が他のオメガに襲われない様に、10秒以内に片づける。


 トウテツもオレに気が付くが、もう遅い。交差点に入り、トウテツを3体同時に切り裂く。停まっている車の上にいる1匹の脳天に剣を突き刺す。


 左右から2匹ずつ襲い掛かってくるが、その場で回転斬り。4匹を始末する。


 交差点の奥に佇んでいたベヒーモスがこちらに気付く。トウテツ3匹を踏みつぶしながらこちらに迫る。いつもの側面に回って首に剣を突き刺す倒し方をしてしまったら、後ろにいるミカエラ達の方に死後も尚走り続ける可能性がある。


 その為、ゴライアスの因子を活性化させ、左腕の力を増幅させる。突進してきたベヒーモスの頭部目掛けて左腕で裏拳を放つ。その衝撃で軌道が逸れたその巨体の首筋に剣を突き立てる。程なくして絶命したベヒーモスが地面に倒れる。


 直後、残り7匹のトウテツが同時に跳びかかってくるが、一刀一殺。を掛ける7回。コンマ3秒で斬り伏せる。


 掛かった時間はおよそ12秒。ベヒーモスが鈍いせいで時間が掛かってしまった。


 振り向いてミカエラ達の安否を確認するが、問題はない。


「行こう」


 呆けていた3人が、オレの声で正気に戻る。


 安全を確保した今、足を止める訳にはいかない。止まっていた歩みを再開する。


 歩いている最中に、ミカエラの友人が何かを思い出して声を上げた。


「思い出した。ミカエラのボーイフレンド、どこかで見た事あると思ったら半年前に襲撃されたガブリエル大統領を守った人じゃない?」


 そんな事もあったなと思い出す。あれからもう半年も経っているんだよな。最近は新型オメガが出てこないと時が経つのが速く感じる。


 コマンダーが完封できる様な対抗策を編み出すから、ホント初見でしか苦労しないのがな・・・。時の流れを早くさせているのかもしれない。


「そうよ。ケイジは凄いんだから」


「ふーん。そんなに凄い人なら私もアタックしちゃおうかな」


「絶対ダメ!」


 おい、オレがミカエラとイチャイチャしていたら怒る癖に、自分はオレのミカエラとイチャイチャするとはいい度胸だな。慌てたり困ったりするミカエラを見られるのは珍しいからもっとやれ。


「さっきの動きといい、本当に人間なのかも怪しいけどな」


 今まで黙っていた男がボソッと言う。まあ、普通の人間からしたら真似できないどころか、残像が見えるレベルの速さで動いているから仕方がないと言ったら仕方がない。


「助けてもらっておきながら文句を言うなんて、本当に小さい男」


 友人のトゲのある言葉が、威力10倍になって返ってくる。言葉遣いが荒い訳ではないんだけどさ、それが逆に圧を感じさせる。


 まあ、友達が死んで悲しいのは分かるけど、正直かなりウザい。もう一度痛めつけたら大人しくなるかな。いや、やらないけどさ。


「あ、この車。キーがささってる」


 ミカエラが道路の脇にあった車を指さす。ドアが開いたまま、中には人はいない。どうやら車を捨てて逃げたのだろう。


「誰か免許持ってる?」


 車なんて運転した事ないオレが3人に聞いてみる。左ハンドルの車なら尚更オレにとっては難しいはずだ。が、みんな首を横に振る。


 仕方がない、オレが運転してみるか・・・。運転席に座ると、クラッチペダルは見当たらない。


「オートマなら行けるか・・・」


 レーシングゲームはあまりやった事ないけど、とりあえず見様見真似で何とかなるだろう。父さんが運転している所は何度も見てきたんだ。


 ブレーキを踏みながら、カギを回してエンジンを掛ける。色々といじってみると、ある事に気が付く。


 外車って左側がウィンカーで右側にワイパーのレバーが付いている事に。・・・どうでもいいか。


 ハンドルの位置が逆なんだ。こっちの位置も逆でも不思議ではない。そもそもウィンカーを使うつもりなんてないし。


 ミカエラを助手席に、残りの二人を後部座席に乗せる。念の為、シートベルトは締めてもらう。


 ギアをドライブに切替え、ゆっくりとアクセルを踏むと、車もゆっくりと進み始める。徐々に加速して、道なりに進んでいく。


「おぉ・・・」


 正直自分の足で走った方が速い。が、カーナビのおかげで方角が分かるのはありがたい。オメガに襲われたらひとたまりもないが、歩いて移動するよりはマシだろう。


 靭性で初めてのドライブがアメリカの地で、それもアメ車を免許もなく運転する事になるとは思っても見なかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ