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黎明を灯す光 ~神に至る道~  作者: Mr.Z


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042.連合の黒い悪魔

 オレはなんちゃら門の正面に陣取っているオメガに向かって駆ける。広い歩道と6車線もある車道、そんな大きい道路が1キロメートル以上、オメガに埋め尽くされている。目視しただけで、その数は軽く1万を超えているのが分かる。


「これは時間が掛かりそうだな」


 道路の両脇にある森林公園にも斥候型が多く見られる。とりあえずそいつらは無視して、正面の敵を排除する事にした。


 トウテツの群れと接敵する直前、試作型から改良型にアップグレードされたアダマントソードを手にする。そして濁流の様に迫るトウテツの群れを、左右に分断する。幾重にも輝く黒い剣閃で、濁流をせき止めているのだ。要はただ剣を振り回しながら群れを一掃しているだけだが。


 そのまま前進する足を止めず、トウテツを蹴散らしながら進行する。倒し切れていないトウテツも多数いるが、オレを追って後で斬られるかそのまま進んで防衛部隊に返り討ちに遭うか、どちらかの運命を辿る事だろうから、とりあえず今は無視する。


 トウテツの血で道路を真っ黒に染め上げながら、オレは先程ヨハネス大統領が言っていた戦勝記念塔と呼ばれるモニュメントに辿り着いた。塔の周りはロータリーになっており、そこには多数の戦車型の姿がある。


 しかし、卵型ポッドが着弾した衝撃で塔は折れており、更にベヒーモスとゴライアスに踏まれて粉々になっていた。ヨハネス大統領を通信を繋げたままだったら、悲鳴が聞こえていた事だろう。


 辺りを確認していると、オレに気が付いたベヒーモスが突進するのが見えた。辺りのトウテツを踏み潰しながら。


「仲間意識とかないのかよ」


 トウテツの体を船の代わりにして八艘飛びの様にジャンプする。その狼よりも巨大な体を足場にしながら突進の進行方向から避難したのだ。そしてベヒーモスの側面に回り込んだオレは、頭部と体を繋いでいる首に剣を刺し込み、捩じってから引き抜く。


 たったのそれだけで、ベヒーモスは身悶え、絶命する。ベヒーモスの弱点は防御力の低い腹部。もしくは防御力は高いが、その防御力を突破できるなら頭部や首への攻撃が有効だ。頭を剣で貫くのは難しいが、斜め後ろから首に剣を刺し込むと、簡単に貫く事が出来る。


 コマンダーがオメガの解剖したデータを持っていたので、それを見て弱点を見付けたのだ。頭部は外皮の下に分厚い頭蓋骨があるが、首には外皮と骨格の隙間が存在する。そこには外皮と肉しかないので、剣で貫く事が出来る。そして直接脳を破壊する事で、命を奪う。


 ベヒーモスを仕留めた後、すぐさま迫りくるゴライアスを確認する。転がると面倒なので、加速する前にこちらからも接近する。ベヒーモスに似た灰色の外皮を身に纏う巨大なゴリラ。やはり近くで見るとその大きさは凄まじいと改めて思う。


 距離がおよそ20メートルまで縮むと、ゴライアスはその巨大な剛腕を振り上げた。オレは咄嗟に方向転換し、その場から離れる。そして鈍い空気を切る音を響かせながら、地面にその腕を叩きつけた。


 ドゴォオオオオオンッ――


 ミサイルでも爆発したのかと疑いたくなる程の爆音が轟く。同時にアスファルトや石のタイルといった瓦礫が飛来する。その飛来物に当たれば、普通の人間ならバラバラになって吹き飛ぶ威力がある。オレは近くにあった地下歩道に入る為の入り口を盾にして、瓦礫をやり過ごす。


「あぶなっ」


 こういう事もあるから、アダマンタイトの盾でも造ってもらおうかな、と本気で考えてしまう。瓦礫の弾丸が止んだ瞬間、オレは再びゴライアスに突撃する。そんなオレを迎撃しようと、ゴライアスは身を屈めて、地面ごと腕を薙ぎ払う。


 それを跳んで躱し、身を低くしているゴライアスの顔面に着地すると同時に、ゴライアスの眼球に剣を突き刺す。


 グォオオオオオオオオッ――


 ゴライアスが恐竜みたいな鳴き声で悲鳴をあげ、目を抑えて立ち上がる。その反動を利用し、オレは空高くジャンプする。ゴライアスの高さとその反動を利用し、40メートル程跳ぶ。


 重力に従って落ちる前に、剣を上空に掲げる。刀身が1.5メートルのアダマントソードでは、ゴライアスを仕留めるのは難しい。だが、アダマントソードが試作型から改良型と呼ばれる様になったのには理由がある。


 魔剣開放っ!


 心の中でそう念じると、アダマントソードの刀身がどんどん伸びる。幅は変わらず20センチメートルのままだが、それが30メートルまで伸びたところで伸長が止まる。重量が1トンにも及ぶ剣の完成だ。


 巨大な剣を手に、重力に従って落下する。ゴライアスの頭上まで落下したオレは、アダマンタイトで補強された腕を振るう。腕が千切れるのではないかという不安を抱きつつ、重力の力を乗せて剣を全力で振り下ろした。


 その一撃は巨大なゴライアスの体を真っ二つ引き裂き、そのままアスファルトをも切り裂く。


 地面に刻まれた斬撃の跡が、今の一撃の威力を如実に表れていた。


 剣を元の長さに戻した所で、周りにいたトウテツが恐れをなしたのか、唸り声をあげるだけで一向に襲ってくる事はなかった。結局、そのままトウテツは尻尾を巻いて逃亡した。


 門とは逆の方向に逃げていく。そちらには兵士が一人もいないが、生き残れはしないだろう。卵型ポッドの着弾地点を囲むように、ソルジャーが配備されているのだから。


 残りの戦車型に関しては遅れてやって来たソルジャーが殲滅した。その後残党狩りをして、ドイツのブランなんちゃら門防衛作戦は幕を閉じた。


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