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黎明を灯す光 ~神に至るまでの軌跡~  作者: Mr.Z


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236.隠れ家

 地球や惑星マザーと同じ位相の宇宙を探索していると、大気がある惑星を発見した。位置はおよそ地球と惑星マザー中間あたり。地球よりも小さな惑星だが、水もある。近くに恒星もあり、気温はおよそ摂氏30度程。


「二酸化炭素の濃度が高いな」


 植物が存在しないから濃度が下がらないが、熱帯の植物を持ち込めば何百年と時間を掛ければ人が住める星にテラフォーム出来るかもしれない。


「家庭菜園じゃなくて惑星菜園だな」


 ここをオレの隠れ家にしよう。老後の楽しみじゃないけど、この惑星を自然に満ちた星に開拓出来ないかやってみよう。理科の実験みたいで楽しそうだ。


 それから時々熱帯の植物を持ち込んだり、岩を加工して家具を造ったりもしてみた。岩山を削って洞窟の家も造り、本格的に隠れ家と言える形になってきた。


「隠れ家って良いな!」


 男はいくつになってもこういうのを嫌いになれないものだ。それからも頻繁に色々とやってみた。


 だが、惑星の環境がすぐに目に見えた効果が表れる事はない。数百年は掛かるのだから仕方がないのだが、オレは何かと飽きっぽい。まあ、何が言いたいのかと言うと――


「飽きた」


 1か月程度で飽きてしまった。一人でこんな事をしていても楽しくない。今のオレは一人でいると寂しくて死んでしまうか弱いウサちゃんなのだ。こんな所に一人でいないで、みんなの元に行こう。


 テレポートで母艦に戻り、それからオレはその隠れ家の惑星に数百年以上訪れる事はなかった。後になってコマンダーかマキナを巻き込めば良かったと後悔した。


『なんだ? もう飽きたのか?』


「・・・うっせ」


『全く君は・・・』


 飽きたのがコマンダーにすぐバレてしまい、何も言い返せなかった。なんで少し早く帰ってきただけで気付くかな・・・。自分で言うのもアレだけど、オレが単純なだけかもしれない。


 部屋に戻ると珍しくメイシャと妹のメイメイがいた。本名はメイ・メイリン。略してメイメイ。


 普段メイメイは食堂で働いているが、今日は休みだったのだろう。家族水入らずのところに邪魔してしまった様だ。


「あ、お帰りなさいお兄様」


「ケイジ様。お帰りなさい」


「ただいま。邪魔しちゃったかな?」


「いえ、そんな事ありません!」


「私、お兄様とお話したいです」


 慌てて否定するメイシャとオレを誘うメイメイ。人生でお兄様なんて呼ばれ方をするとは思ってもみなかったが、それを言うなら様呼びも同じか。この姉妹にはオレの初めてを奪われてしまった。きゃっ。


「そっか。オレで良ければいくらでも付き合うよ」


「本当ですか? ではお兄様の性感帯を――」


「こらメイリン! ケイジ様に不敬を働くなら妹とはいえ容赦しませんよ」


 聞き間違いでありたいメイメイの発言を遮るメイシャ。この子何かとオレの事誘惑してくるからな・・・。


 メイシャはオレの5つ年上だけど、メイメイは1個下。19歳の彼女は姉に劣らぬ美貌を備えている。メイシャが綺麗系だとしたら、メイメイは可愛い系。髪型は似ているけど、顔つきが幼げというか、ぱちくりとしたお目めが可愛らしい。


 改めて見ると双子かと勘違いしてしまう程そっくりだが、メイメイはあくまでメイシャの妹。正直可愛いと思うだけで、それ以上の感情は湧いてこない。本人もそれを理解しているらしく、露骨な誘惑というか強硬手段をたまにしてくる。


 胸を押し付けてきたり、過度なボディタッチだったり。その度にメイシャにこっぴどく叱られているが、全く懲りない彼女は大物になるかもしれない。知らんけど。


「もう、お姉ちゃんってば分かってないなぁ。お兄様は私の恩人でもあるんだから、姉妹で恩を返さない方が不敬になると思うけど?」


「そんな訳・・・いえ、確かに・・・」


 こらこら、負けそうになるな。


「それとも、お姉ちゃんだけで恩を返せるの? ろくに部屋も掃除出来なかったお姉ちゃんが?」


「め、メイリン! ケイジ様の前でなんて事を・・・」


 ほぉう? メイシャって意外と家ではだらしなかったのか・・・。想像も出来ないけど、良いねそのギャップ。ラフな格好でダラダラしているメイシャも見てみたい。


「それにお兄様ぁ? 私達って姉妹で同じ血が通っているんですから、例え私と情事に励んでも浮気にはなりませんよ?」


「そんな訳・・・いや、確かに・・・」


 姉妹は、遺伝子構造がかなり近いから生物学的に考えればほぼ同一人物と言っても過言ではない・・・のかな?


「そんな訳ないでしょうが!」


 先程まで言いくるめられそうだったメイシャがメイメイを抱き上げて部屋の外へと追い出した。


「もう、何するのお姉ちゃん?」


「あなたの甘言でケイジ様を惑わそうとするなんて万死に値します! このまま帰って一人で寝なさい!」


「ちっ。もう少しだったのに・・・。それじゃあお兄様、また来ますね」


「二度と来るな!」


 バイバ~イと言いながら手を振って立ち去るメイメイ。対してメイシャは肩で息をしながら血走った目でメイメイの後ろ姿を見ていた。


 それにしてもメイメイがいると普段とは違うメイシャが見られるから、時々来て欲しいな。決して姉妹丼を食べたいとかそういう邪な考えを抱いている訳ではない。ホントだぞ?


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