↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黎明を灯す光 ~神に至るまでの軌跡~  作者: Mr.Z


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

231/247

228.精神と時

「ぶぇっくし。誰かオレの噂してんな」


 この体が風邪をひく訳がないから、多分噂されている。まあ、ルシファーとして表舞台に立ったのだから、噂の百や千ぐらいされても不思議ではない。


 今や廃墟と化してしまった惑星マザーにコマンダーと共に訪れていたオレは、鼻をすすりながらアダマンタイトかオリハルコンの欠片がないか散策していた。さっきくしゃみが出たのは惑星マザーが寒いせいかもしれない。


『人気者になった気分はどうだ?』


「最悪。思ってたより楽しくない」


『だろうな』


 フッと鼻で笑うコマンダー。鼻ないくせに生意気だ。


 結局惑星マザーに残されていたアダマンタイトはゼロではなかったが少なく、オレが精錬して不純物を取り除いたところ、たった数十キログラムしか得られなかった。その結果にコマンダーが嘆いていたが、手に入らないものは仕方ない。


『仕方ない。君の体の中にあるアダマンタイトを寄越せ』


「やだよ」


 コイツ、オレから毟り取ろうとしてきやがった・・・。


「別にアダマンタイトそんなに必要じゃないだろ? オレがいるんだし」


 オレがいれば新しい装備やソルジャーだって必要ない今、アダマンタイトを無理して集める必要はない。だというのに何故コマンダーはそんなに急いでいるのだろうか?


『アダマンタイトの貯蓄がないと安心して眠れないのだ』


「・・・いや、お前眠らないだろ」


『比喩だ。バカめ』


「おま、どんどん口が悪くなってきたな、おい。マザーに言いつけるぞ?」


 昔よりも流暢に話すコマンダー。人間味を帯びてきて良いと思う反面、かなり生意気になってきた。マザーは最初から人っぽかったし、礼儀正しかったというのに。


 マザーへ告げ口するという警告が効いたのか、口を閉ざすコマンダー。喋らなかったら喋らなかった不気味で気持ち悪いんだよな。口を開いたら開いたで生意気なんだけどさ。


 ――そう考えたらコイツって結構子供っぽいよな・・・。


 それは口が裂けても言わないけど。言ったら絶対にふてくされる。コイツの行動パターンなんて手に取る様に分かる。・・・逆もまた然りかもしれないけど。


『私は帰るが、君はどうする?』


「ん~・・・ちょっとクイーン探してくるわ」


 失楽園を使えるぐらいまで回復しているから、もしクイーンと遭遇しても倒せる自信がある。まあ、次は失楽園を使わないで倒してみるつもりだけど。


『そうか。日が暮れるまでには帰ってくるんだぞ』


「お前はオカンか」


 そもそも惑星マザーに太陽はない、なんて言うのは屁理屈か。帰還したコマンダーを見送り、オレは先程言った様にクイーンを探す為に一人、宇宙を飛び回る。光をも超えるスピードで宇宙を飛んではテレポートを繰り返し、住みやすそうな惑星を探す。


 もし地球がダメになった時の為に、地球に似た環境の惑星でも探そうと思っていたけど、これが案外見つからない。地球みたいに水があって、生物が生存出来る位置に太陽の様な恒星があり、熱すぎず寒すぎない適温の惑星がそう簡単に見つかるはずがない。


 宇宙で地球に似た環境を人為的にではなく、自然に生み出すなんて奇跡みたいなものだ。ユグドラシルが前に見せてくれた世界を見付けたかったが、地球や惑星マザーと同じ位相にはないのかもしれない。


「っと、本来の目的はクイーンだった」


 まあ、そのクイーンもいない様だ。やっぱまたクラーケンを追い掛けるしかクイーンを見付ける方法はないのかな・・・。同じ戦法が何度も通用するかは分からないけど。


「帰るか」


 放射線を浄化してから母艦に帰還し、自室に戻る。


「おかえり」


「ただいま。他のみんなは?」


 珍しい事にミカエラしかいない。ソファーで一人、雑誌を読んでいる。時刻は夕方。今の時間だと訓練は終わっているし、普段ならいるはず。


「みんなアールヴヘイムにピクニックに行ったわ」


「ミカエラは行かなかったの?」


「私はパパの付き添いでさっきまで出掛けてたから」


「なるほど」


 つまり、珍しくミカエラと二人っきりになれたという事だ。ハーレムはハーレムで幸せで大変ありがたいんだけど、二人っきりで濃密な時間を過ごす機会が少なくなってしまうデメリットがある。ここ最近ミカエラと二人になれる機会もあまりなかったし。


 ――となるとやる事は一つ!


 ミカエラの隣に座って抱き締め、そのまま押し倒す。


「ちょっとケイジ」


 プリプリと怒る彼女を無視して、そのお腹に顔を埋めて匂いを嗅ぐ。すると柔らかい手が後頭部を優しく撫でてくれる。


「もう、甘えたかったの?」


「・・・最近二人になれなかったから」


「ふふ。甘えん坊なんだから」


 甘えん坊で結構。ミカエラの服をめくって直接お腹の匂いを嗅いだり、キスしたりする。


「くすぐったい。もう、赤ちゃんみたい」


 バブバブ。好きな子と部屋にいたら男なんて誰だってそんなものだ。オレだけじゃないはず。それにアメリカって恋人の事ベイビーって呼ぶみたいだし。


 そのままソファーの上でイチャコラしていたら、あっという間に2時間程経過してみんな帰ってきてしまった。時間が経つのが早過ぎる。


 ――次の新型オメガの能力は時を止めるか流れを遅くする能力がいいな・・・。


 それか中で1年過ごしても外では1日しか経たない部屋とか。1年までとはいかないけど、時間の流れが遅い部屋を作る能力でもいい。


 とにかく、もっとみんなと長く過ごせるのであれば何だっていい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。