↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黎明を灯す光 ~神に至るまでの軌跡~  作者: Mr.Z


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

209/247

206.宇宙探査

 オメガの巣を見付けた翌日。コマンダーと共に再び巣がある位相へと赴き、観測の為にステルスドローンをいくつも配置してから帰還。気付かれる前にとんずらした。


 失敗は許されない為、徹底的な対策をした上で叩き潰す。コマンダーも同じ思いで臨んでおり、その徹底ぶりは今までとは比べ物にならない程だ。


 それから数日はコマンダーが四六時中監視し続けた。オメガの親玉の位置を割り出す為に。だが、残念ながら収穫は無し。親玉が地表に出てくる事はなく、戦闘用ではなく、働きアリみたいな役割のオメガが無数にいるだけだった。


「今日も収穫なしか?」


『ああ。だが、必ず見つけ出す。君がくれたこのチャンスを無駄にするつもりはない』


「あんまり気張るなよ。もしかしたらオレ達を騙す為の罠の可能性だってあるんだから」


 責任感の強いコマンダーだから無茶しそうだが、失敗した時の軌道修正はオレがすればいい。それだけの力が、オレにはあるのだから。コマンダー一人に責任を押し付けるつもりはない。


 だが、やはり念には念を押したいらしく、観測はまだ続けるとの事。まあ、そこは任せるとしよう。コマンダーの気が済むまで――


「という訳で、しばらく暇になったからデートしよう!」


 みんなとデートしに行く事にした。ガブリエル大統領からの許可はこれから取るつもりだけど。もしかしたら、これがみんなとデート出来る最後かもしれないだろ? だからしたい事は全部やっておきたいんだ。最後になんかするつもりはないけど、何が起こるか分からないから。


 とみんなをデートに誘い、ガブリエル大統領に連絡すると、却下された。初めてあの人に殺意が芽生えたが、どうやらオレに頼みたい事があったみたいだ。


「ごめん。デートはまた今度で・・・」


「気にしないで」


 ミカエラが残念がっていたのは声音で分かったのが心苦しい。頼み事をさっさと終わらせて早く戻ってくるとしよう。


 ガブリエル大統領と通信を繋げ、頼み事の内容を確認する。


「それで、頼み事って何ですか?」


『ああ、NASAから君に調査依頼が来ている』


「・・・ナサ?」


 想定外の単語が出てきて戸惑ってしまったが、おそらく宇宙探査を手伝ってほしいのだろう。ルシファーなら宇宙でも好きに飛び回れるからな。


『太陽やその他の惑星のサンプルを採集してもらいたい』


 やっぱり。とはいえそんなに時間は掛からないだろう。


「それで何を集めればいいんですか?」


『リストとサンプルを収納する容器は天体物理学者のグレース博士という男が持っている。ホワイトハウスの近くにNASA本部にいるから訪ねてくれ』


「・・・分かりました」


 ため息をつきたいのを我慢し、オレはワシントンにあるNASA本部を訪ねる。ホントにホワイトハウスの近くだった。っていうか向かい側にホテルがある様な場所に建っているだなんて思いもしなかった。もっとこう・・・極秘で場所も一般公開されていないのかと思っていたが、そんな事は全くない様だ。


 建物も古臭いと思っていたら、デカデカとNASAの文字の赤いモニュメントを見付ける。その隣にあるドアから建物に入るも、受付もいなければ警備員すら見当たらない。


「い、一般人でも入りたい放題じゃん・・・」


 ――極秘プロジェクトとかあるのだろうけど、どうなっているんだ?


 良く分からないまま、奥に進んでいくと、プロジェクターで流れている映像が目に映る。ここまできたら展示している様にしか見えないが、おそらくそうなのだろう。多分、入り口を間違えた。


 かと言ってどこから入ればいいのかなんて分からないし、とりあえず歩き回ってみる。ルシファーの状態で歩いていれば、スタッフに声を掛けられるだろう。そう思って歩く事数十秒、スタッフらしき人を見付けたので声を掛けたら、慌ててルームキーでしか入れない建物の奥へと案内された。


 一般公開されていない区域だろうから、廊下を歩く際にガラス張りの部屋をあまりジロジロ見ない様にしていたが、逆に向こう側からオレの事をジロジロと視る連中が多くいた。檻の中にいる動物とで思っているのだろうか。噛みつくぞガルルルル。


 なんてバカな事を考えていると、天体の模型があるいかにも天体オタクがいそうな部屋に着いた。モジャモジャの清潔感ゼロのロン毛に眼鏡をかけた男でもいたら完璧なのに、そう思った瞬間、想像とは裏腹に茶色の短髪の40代の男が現れた。清潔感はあるが、想像通り眼鏡はしていたのは言うまでもない。


「本当に来ていただけるとは。初めまして、天体物理学者のグレースです」


 と手を差し出されて握手を求められるが、コイツのせいでオレはみんなとデート出来なかったのだ。宇宙服なしで太陽まで連れていってやろうかと脳内で妄想するが、とりあえずそれはまた今度にしよう。


「馴れ合うつもりはない。リストと容器を」


「おっと、これは失礼。こちらをどうぞ」


 と、差し出される。リストの中には太陽の中心核のヘリウム。放射線を浄化した状態でという文言も。放射線って生命魔法で浄化できるのかという疑問の前に、そもそもオレに太陽の中心まで行けと言っているのだろうか?


 そして他にも水星の水素とヘリウム。金星の二酸化炭素と硫酸、土や石。木星、土星、海王星のエトセトラ・・・。


 ――・・・思っていたよりも時間が掛かりそうだぞ?


 アダマンタイトの容器もある事から、かなり前から計画されていたのだろう。それを一体どうして、何故今日なんだと嘆きたくなるが、1日で終わらせよう。みんなとデートしたいし。


「期間はどれだけ掛かっても構いません。今の技術力、もとい宇宙船ではどうしても採集できないものばかりなので」


「面倒だから1日で終わらせる。これを」


 とりあえず間違ったら面倒だし、コマンダー特製のタブレットを渡しておく。太陽でも通信が出来るし、オレが付けているカメラ付きのインカムの映像を見る事も出来る。可能なら半日で終わらせたいというオレの欲望を叶える為にも、早速現地に向かうとしよう。


「ミスタールシファー。危険だと判断したらすぐに中止して構いません」


「・・・心配無用だ」


 この人・・・今まで会ってきた人の中でかなりの常識人だ。コマンダーやガブリエル大統領と比べると無茶ぶりもしてこないし、ちゃんとオレの心配もしてくれている。


 ――さっきは素っ気ない態度を取ってゴメンなさい。


 でも威厳を保つ為にこういうキャラでやっていくから心の中でだけ謝っておく。いつかボロが出るとコマンダーに幾度となく言われたが、大きなお世話だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。