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黎明を灯す光 ~神に至るまでの軌跡~  作者: Mr.Z


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204.フェリスちゃん

 数日後。みんなの新たに芽生えた適性、その因子を結合させる為に、ラボに大集合している。ちなみにミカエラは新たな適性は増えていなかった。その代わり、よりクトゥルフの適性が深まるといった面白い結果に。更にサイコキネシスが強力になるという。


 異能型がそうなるのかと思ったが違った。クララはやはり斜め上に成長したのだ。ベルゼバブの『洗脳』を結合したおかげで、オメガを洗脳するというチート能力に目覚めた。最強かと思ったが、その反面制限も多い。まず一体しか操れないし、操れるのも斥候型のみ。というより大きさに制限が掛かっているといった感じか。


 その為、クララは猫型オメガのバステトを飼いならす事になった。トウテツは可愛くないし、不気味な見た目をしている。虫が嫌いなため、蟻に似たバジリスクは論外。魚型のメジェドは臭いし、特攻型のカイムも小型の為洗脳の対象にはなったものの、いつ爆発してもおかしくないので却下。


 見た目的に一番まともで背中に乗れるという実用面も考慮した結果、オレが生け捕りにしたバステトを飼う事に。クララが喰い殺されないか心配だが、上手く躾けている様だし大丈夫だろう。


 他のみんなも基本的に戦闘に特化した因子を結合する事になったが、アンジェもアンジェで面白い事になっている。『脚力強化』トウテツの因子を結合させていたが、それが突然変異し、『超跳躍』とでも名付けるべき能力を得ていた。その名の通り凄いジャンプが出来る。


 それだけ、と言われてしまったらそれまでだが、市街地での戦闘では非常に役立つ能力だ。敵に囲まれたとしても脱出できる手段があるというだけで、生存率は格段に上昇する。


 そして、みんなの中で最も変化があったのは誰かというと、間違いなくルカだ。かつて人に擬態するオメガであるヤルダバオトがいた。アメリカの基地に侵入され、大虐殺を引き起こしたオメガだが、そいつの能力は『変身』。


 みんなの要望で、時折入隊した頃のオレの姿になったりしていたが、それと同じ能力をルカが手にしたのだ。その能力で何に変身したのかと思ったら、まあ、その、なんだ・・・? ルカとクララが双子の姉妹になってしまった。


 正直、試してみようと思った事もなかったので、性転換が出来るだなんて思ってもみなかった。元々髪を伸ばしていたルカ。顔立ちも中性的だったから、主に変化があったのは顔から下だ。


「えへへ。お兄さん、どうですか?」


「はわわ・・・。ルカ君が尊い・・・」


 オレにその姿を見せるルカ。そして100点のリアクションをするミカエラ。オレは無言でルカの頬の頬に手を当てると、自ら顔を動かして頬を擦りつける。肌感も女性特有の柔らかさがあり、ルカの本気度が窺える。


「綺麗だよ、ルカ」


 それだけで頬を赤く染めるルカ。いつまで経っても初々しさを忘れないルカが一番の乙女なのかもしれない。


 ――それにしても面白いな・・・。


 試した事がなかったから気が付かなかったけど、『変身』は性別だけでなく種族の壁すら超えられるかもしれない。戻れなくなる可能性があった為、自分以外には変身しなかったが、今のオレなら、それも容易だろう。


 ルカを真似て、女性の体をイメージする。見慣れたみんなの体を基に、髪をロングにしながら試しに変身してみる。声帯も変え、完璧な状態で仕上げる。


 ――名前は・・・ルシファー、ルシフェル、フェル・・・フェリスにしようか。


「フェリスちゃん爆誕ッ!」


 ドドンッ。ロングの金髪美女になったオレは、ミカエラがよくやる髪をかき上げる仕草をしながらみんなにその姿をお披露目すると、ドン引きされた。どうやらこれは受けなかった様だ。


「お兄さんまで女の子になったら意味が・・・」


 とルカに文句を言われてしまった。確かに女の子同士だとどうしたらいいのだろうか、と疑問を抱いていると、いつも眠たそうにしているアニーがオレに抱きつき、胸に顔を埋めてきた。


「ポヨンポヨンの枕~」


「まあ、そりゃあポヨンポヨンだけどさ」


 女体化した感想はないのかと思いつつ、アニーの頭を撫でていると次第に寝息が聞こえてきた。


 ――た、立ったまま寝てる・・・。


 仕方なく、翼をハンモック代わりにして寝かせてあげる。特にみんなからの感想もなかったので、元の姿に戻ると、ミカエラとイザベラがニヤニヤしている事に気が付いた。


「まさか、坊やに女装の趣味があるなんて思いもしなかったよ」


「言ってくれたらお化粧してあげたのに」


「いや、ルカの力の使い方が面白くて真似しただけだから・・・」


 別に女装が隠れた趣味とか女の子になりたいという願望はない。・・・ホントに。


 だが、2人は全く信じてくれていない。更には近付いてきたミカエラが、耳元で囁く。


「女の子の体の良さ、教えてあげよっか?」


「オ、オレが教える側だから!」


 教える側、じゃなくて分からせる側か。いや、どっちでもいいか・・・。


 そのままアニーを落とさない様にミカエラを抱き上げ、部屋に戻ろうとしたところで一度振り返る。


「ルカも来いよ」


「・・・はい!」


 折角女の子になったんだから、今晩は一番可愛がってあげないと。それにミカエラもルカとやる気満々だし。たまには、こうしたいつもと違った刺激がないと。マンネリを回避する為にも。


 ――あまり褒められた手段ではないとは思うけど・・・。


 ちなみにルカだけではなく、みんな付いてきた。ルカの初めてが、みんなに見守られる形になったのは一生忘れられないだろう。トラウマになっていなければいいけど・・・。


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