↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黎明を灯す光 ~神に至るまでの軌跡~  作者: Mr.Z


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

199/248

196.お披露目会

 コマンダーに言われて現場に急いで戻ったが、ホントにピンチだった様だ。新型のせいで死なないオメガと化したトウテツをセフィロトを使い、生命魔法で消滅させてルカの救出に成功する。


「団長さんよぉ・・・もっと早く来てくれよ」


「おいおい、ヒーローは遅れて登場するもんだろ?」


「こっちの身にもなってくれ」


 その場に座って休憩を始めるマキナを置いて、オレは空へ飛ぶ。みんなが応戦しているのが見える。その他に近くの建物にも生存者が見受けられる。早く助けてやるとするか。


 セフィロトを天に掲げ、詠唱を始める。


「セフィロトよ。無限に輝く以下省略。『アイン・ソフ・オウル』!」


 クラーケンサンドバッグのおかげで少しは力の扱いに慣れた今では、こんな芸当も出来るようになった。まあ、威力は下がるけど、トウテツ相手にはそれでも過剰だ。


 オレの背後に現れた魔方陣から光の矢がいくつも射出され、トウテツを貫いていく。光の矢が当たると同時に、トウテツは粒子となって消えていく為、不死身だろうが関係ない。


 飛び回りつつ、アイン・ソフ・オウルでトウテツを駆逐する事およそ30秒で殲滅する。あっという間に戦いの幕を下ろしたが、今回に限っては相性の問題だ。


 そのせいでルカに負担が掛かってしまった。新型オメガの能力は特殊過ぎたせいで、犠牲者も多数出てしまった。


 ――まあ、避難していないヤツらの自業自得なんだけどさ。


 だとしてもオレ達が責められるのは納得がいかないが、世間なんてそんなものだと割り切るしかない。自分達が悪いなんて一切思わない連中ばかりだ。そうした方が、何かと楽なんだろう。


 とは言っても見捨てる訳にはいかない。空気中に漂っている新型オメガの胞子か何か分からないが、明らかに害がありそうなピンクの粉を生命魔法で消滅させておく。人体に害がありそうだし。


 その際、曇った空に日が差す様に周囲を明るく照らしてしまったが、特に問題はないだろう。


 と思っていたが、スマホで撮影されていた動画が世界中に拡散され、翌日からルシファーの存在が明らかになってしまった。時々姿を現していたとはいえ、フェイク動画か何かと思われていたらしく、騒ぎになる事はなかったのだが、今回はあまりにも目撃者が多かった。


 それに色んな角度で取られた映像のせいで、信憑性が増してしまったのだろう。今回のパリ防衛戦で多く出た被害者の事よりも、オレの事で話が持ち切りだ。


 後日、こういう事態になるからちゃんと避難してねとガブリエル大統領も勧告していたが、多分誰も聞いていない。


 そんな事よりもあの天使の事ご存知なんですかと記者に問われた際に、ガブリエル大統領がわざとらしく「彼とは昔から付き合いのある良き友人さ。あ、これはオフレコで頼むよ。ハハハ」なんて言っていた。


 つまりガブリエル大統領は天使と繋がりがあると噂され、名前からして大統領も天使なのでは? と憶測も飛び交った。


 オレは呆れて何も言わなかったが、コマンダーは大爆笑していた。アイツの笑いのツボは良く分からん。


 そして1か月後。オレ達騎士団のお披露目会が行われる事となった。リンカーン記念堂前で。その後はガブリエル大統領がワシントンに保有している高層ビル『エンジェルタワー』で立食パーティがある。勿論、オレはルシファーとして参加する。騎士団長は正式にルカに就任してもらった。もはや漆葉 啓司が表舞台に立つ事はないだろう。


 立食パーティはエンジェルタワーのホールを貸し切って行われるらしく、高級な料理が多く用意されるとの事。正直かなり楽しみ。ガブリエル大統領の計らいで寿司が出ると聞いたからだ。久々の日本食。それも寿司。板前さんも日本人だから期待するしかない。お披露目会よりもオレの中ではそっちがメインだ。


 憂鬱だが、その前にリンカーン記念堂前で騎士団とオレのお披露目会が待っている。長い道が両脇にあり、間にはリフレクティングプールと呼ばれる浅いプールがある。要は水面がリフレクティング、反射してワシントン記念塔が美しく見える為だけのものがある。正直池だったと思っていたのは秘密。


 それとワシントン記念塔は前にアメリカへの大規模襲撃があった際に、オレがアイテールを倒す為にぶった切ったのはそのままになっている。オメガの脅威の象徴として残すらしいが、リンカーン記念堂からの景観がすこぶる悪くなってしまった。いや、見通しは良くなったんだけどさ。


 申し訳なさを胸の内に秘めつつ、上空で待機。ガブリエル大統領のパリ防衛戦で起きた悲惨な事件を教訓にし、今後もオメガに備えようと言う演説に耳を澄ましながら。


「私の話はここまでにしよう。どうやら、君達は他の事で頭がいっぱいの様だ」


 失笑が起こるが、実際その通りだ。テレビ局に記者、それと野次馬がオレ達の姿を探しており、ガブリエル大統領の話しに集中していなかった。


「それでは、我らが世界防衛連合が誇る最強の部隊、『騎士団』のご紹介だ」


 ガブリエル大統領の言葉と共に、近くで待機していた輸送船がワシントン記念塔の方から飛び立ち、こちらに向かってくる。かなりの低空で飛んでおり、突風のせいでプールの水面が波打つ。そして記者達の服を靡かせたが、それも一瞬の話。


 輸送船はすぐにリンカーン記念堂の上空で止まると、ハッチが開く。地上からおよそ20メートル程の高さ。この程度なら飛び降りても怪我なんてしない。・・・クララ以外は。


 クララは肉体が強くなる因子の適性もなければ、適合者としての手術でもあまり肉体面は強くならなかった。逆にサイコキネシスの威力は半端ないけど。


 開いたハッチの中から、まずはミカエラが飛び出す。サイコキネシスで飛び回るパフォーマンスを披露してから地上に着地すると、次はクーナさんが調和魔法で木の階段を作りながら優雅に歩いて降りていく。その後ろをクララが付いていく姿は非常に可愛らしい。


 サイコキネシスによる飛行、調和魔法で植物が自在に動く光景、そしてゴスロリの登場で既に辺りは騒然としている。そんな中、輸送船から6人が同時に飛び降りた。イザベラ、メイシャ、アンジェ、アニー、メアリーにケイシーだ。ガブリエル大統領の前ポ、リンカーン記念堂の階段に綺麗に着地する。


 正直、こんな催しにイザベラが二つ返事で了承してくれた事に驚いた。断ると思っていたが、何か思うところがあるらしい。本人が言おうとしないから無理に聞いたりはしないが、いつか教えてくれるだろう。


 そして最後にオレのお下がりのコートに袖を通したルカがハッチの縁から飛び降りた。まあ、飛び降りる演出は必要かと言われるかもしれないが、そもそも輸送船が着陸できる場所がないだけなのだが。


 ミカエラとクーナさん以外は飛び降りるだけと地味な演出だったが、思いの外会場は盛り上がっている。騎士団が揃っているのを公式で撮影許可されたのは今回が初めてだからだろう。


 もう少ししたらオレの出番、と引き続き空中待機。正座ではない。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。