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黎明を灯す光 ~神に至るまでの軌跡~  作者: Mr.Z


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127.結果

 シドニーでのオメガ掃討作戦はあっさりと幕を閉じた。死者もいなければ、怪我人もゼロだった。そしてネットに公開された動画は3日で累計再生回数が10億回を突破した。


「凄い反響だな」


 オレは母艦内の司令室で、コマンダーと世間の反応を見ていた。小型サイズの斥候型でも、思っていたよりもでかい事に驚くコメントやドラゴンに興奮する人達が大多数。そして何よりも、その数に驚いていた。


 津波の様に押し寄せるオメガを迎撃する防衛軍の活躍も高く評価される事となった。今までは税金泥棒やら死者数ばかり増やす無能だとか散々言われていたらしいが、その考えを改めさせる良いきっかけとなった。


 あまり情報規制をし過ぎれば、ある事ない事言われてしまう。その為、時折こうして配信してやれば黙らせ――変に炎上せずに済む。


 ちなみにこの動画の最後のシーンで、ベリアルを一刀両断するオレが映し出されるが、あのセリフはミュートにされ、あのセリフ消されて言っていなかった事にされた。放送の内容に入れるか、ガブリエル大統領が悩んだ挙句、消す事にしたらしい。消してくれたのはありがたいが、悩む必要はないだろう。


『君のとっておきの決め台詞を消すのは心苦しかった』


「黙れ」


『我が太刀は一振りにて全てのオメガを滅す』


「やめろ!」


 コマンダーの無機質な声ではなく、オレの音声を録音していたものを場がしやがった。なんてヤツだ。人の心を抉る事に関しては、一流だ。


『魔剣開放ジャキンジャキン。妖刀一閃シャリンシャリン』


 ・・・マジで超一流だ。それにオレはあの刀の事を妖刀だとは一度も言った事が無い。もし名づけるなら、オリハルコンから宇宙を感じる為、『銀河刀コスモブレード』と名付けるだろう。


 未だにジャキンジャキン言っているコマンダーと取っ組み合いが始まりそうになったその時、天使が部屋に入ってきた。


「取り込み中だったかしら?」


「いや、大丈夫だよ。何かあった?」


「今回の件が上手くいって連合の評価が上がったから、パパが記者会見を開く事にしたみたい。それでケイジに出て欲しいみたい」


「オレに?」


『ジャキンジャキン』


 コマンダーの頭を抑え付けて黙らせ、自分を指さして問う。オレが記者会見出てどうすると言うのだろうか? ガブリエル大統領の護衛、という訳ではなく、オレが話すという意味だろうけど、一体何を話せばいいのか見当もつかない。


「喋る内容はパパが考えるみたいだから心配しないで」


「あーまあ、それならいい・・・のかな?」


 正直そんな表舞台には立ちたくない。面倒だし。そんなオレの心中を察してか、ミカエラがオレを抱き締める。


「頑張ってね。ケイジが格好良いって事、みんなに見せてあげて」


 よし! 記者会見でも何でもやってやるか! 単純だと思われるかもしれないが、オレは単純な男だ。文句は誰にも言わせない。


「やれるだけやってみるよ」


 返事をして、ミカエラの額にキスすると、笑顔をこちらに向ける。可愛い。この笑顔の為なら何だって出来る。


 そういう訳で、3日後。


 オレは数人の騎士団とガブリエル大統領と、ホワイトハウスで記者会見に臨む事になった。騎士団で参加するのは、ミカエラにクーナさん、そしてアンジェとメイシャだ。見た目が幼いルカとクララ、暴れだす可能性があるイザベラとその他の人達は留守番してもらう事に。


 ホントはマキナを連れていこうと誘ったものの、見事に断られた。男がオレ一人というのも問題かなと思ったが、華があるという事でそのまま決行された。確かに4人共モデルみたいなスタイルを誇っている為、華やかさなら誰にも負けない。


 壇上で、ガブリエル大統領がスピーチし、後々オレを交えての質疑応答の時間を取る予定だ。みんなはオレの後ろで待機。華を添えるだけの役割、というと下世話だが、今回に限ってはその通りだから仕方がない。


 何十人といる記者に対して、ガブリエル大統領が圧倒的カリスマを見せつけながらスピーチをしている。それに対して一切野次が飛ぶ事はない。まあ、カリスマ性に委縮しているのか、ギャングのボスみたいなその見た目に恐怖しているのかは置いておくとしよう。


「我々が今も尚オメガの脅威に晒され、人類の存亡を賭けて戦い続けているのは先日の配信を見た者であれば理解できたであろう。オメガの存在そのものが政府によって生み出された生物兵器だという陰謀論を提唱している者も、オメガが神からの使いだと信じている者もいるのは我々も認知している。だが、あの映像を見たら分かる通り、オメガは非常に危険な存在だ。そして人の手で生み出せる様な代物ではない」


 ガブリエル大統領の話を聞いて、頷いている記者達。何に頷いているのか分からないが、もし記者としてのプライドがあるなら、命を顧みずに戦場の撮影でもすればいいのに。


 冷めた目でスピーチを聞く記者達を眺めながら時間を潰す。ちなみに今回は騎士団の身バレ防止の為、全員マスクを付けている。外せと言われたらオレは外すつもりだが、みんなには一応付けたままにしてしておく。


 何があるか分からないし。もしかしたらオメガを崇め祀っているオメガ教に家族を狙われる可能性もある。オレの家族は既にガブリエル大統領に依頼して、数か月は護衛してもらう約束をしているから問題ない。


 そうして約30分程のスピーチが終わり、質疑応答の時間が始まる。ようやくオレの出番だ。いや、記者に質問されなければ喋る事もないんだけどさ。


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