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黎明を灯す光 ~神に至る道~  作者: Mr.Z


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121.義手

 心臓が止まった事はこれで何回目だろうか。止まったと思った回数も考えると、数える気すら失せるぐらいなのは確かだ。


「そりゃみんなに心配されるよな」


 今回の事で、どれだけ怒られるかなんて考えたら背筋に冷や汗が流れる。明日が怖い・・・。


「とっととあの鎧野郎の因子を結合しちゃおう。みんながいたら反対されるだろうし」


『・・・本当にいいんだな?』


「ああ。もう、戻れないところまでイッてるんだろ? なら、とことん進むしかないさ」


 それにヤツが使っていたアダマンタイトを自在に扱う能力が手に入れば、また戦う事になったとしても、素手で戦う羽目にならないはず。アダマンタイトを互いに奪いながら戦う泥仕合を展開する恐れもあるが、一方的に負ける事はもうないだろう。


 何度もコマンダーの切り札、守護者を出撃させる訳にもいかないし。


『分かった』


 オレが因子を要求するのを見越していたらしく、コマンダーが既に用意していた。


『今知る必要はないが、あのオメガは特攻型に属させた。名前は悪魔から取って「ベリアル」と名付けた。無価値の者という意味だ。アダマンタイトを奪って己の価値を見出す、という点に着眼した』


「ベリアル、ねぇ・・・」


 あの強さは確かに悪魔と言っても問題ないだろう。出来る事なら、もう二度と遭遇したくないものだ。それにしても、コマンダーが名前の由来にするのは天使やら悪魔が多いというか、神話由来のものが多いな。


 まあ、オレ達人間に分かりやすくする為にそうしているのだろうけど。


 ただ今後、ヤツがアダマンタイトを全身に纏う事はないだろう。コマンダーの手によって、オレの首に注射されたヤツの因子が結合された。


 能力はやはりベリアル同様、アダマンタイトを自由に操るものの様だ。オレの体内にある骨や筋線維はアダマンタイト製だ。全身にあるそれらを少しずつ右腕に集中させる事で、オメガに浸食されて黒く染まっている右肩から、アダマンタイトで出来た黒い腕が生えてきた。


「簡易的な義手の完成、と」


 残り少ないアダマンタイトを使う訳にはいかないから、オレの体の中でやりくりするしかない。


 問題なく動く事を確認していると、コマンダーがどこからかアダマンタイトの球体を持って来た。


『体内のアダマンタイトではなく、これを右腕に当てたまえ。体内のアダマンタイトを削ってしまえば、君自身の耐久力が落ちてしまう』


「でも、もうアダマンタイトもほとんどないんだろ? そもそもどこから取ってきたんだ、それ?」


『以前に(ふね)から不要な施設を取り除いたのだ。その分、艦体が小さくなったおかげで、コーティングに当てていた分が浮いた。それだけだ』


 それなら納得だけど、無駄のない作りで出来ているこの母艦に不要な施設などあるのだろうか? 無理をしていなければいいのだけど。


『案ずるな。不要な施設とはただの倉庫だ。中にあったものは地上に保管してある』


 オレの表情を読み取ったのか、コマンダーが説明してくれた。それなら利便性は落ちたかもしれないけど、機能面では特に問題はなさそうだな。


「そっか。なら、ありがたくもらうとするか」


 相変わらず用意周到だ。おそらくコマンダーもこの能力が手に入ると予想していたのだろう。その球体を受け取り、体に押し込むと抵抗する事なくオレの体内に吸収されて全身にアダマンタイトが巡る。皮膚もアダマンタイトに包まれ、黒く染まってしまった。某推理アニメの犯人みたいだ。


「え、ずっとこのまま!?」


『いや、アダマンタイトは色も自在に変えられる。その能力で変えられないのであれば、こちらで対処する』


 それなら安心だ。とりあえず自分でなんとか出来ないか試したところ、透明になってあっさりと元の肌の色に戻った。透明にしてしまうと、オメガ細胞に侵食されている右肩が黒いままで、右腕がガラスみたいになってしまったので、とりあえず自分の肌の色に変えてみる。すると右肩も正常の色に戻り、腕も義手だと分からないぐらい生身の時と遜色ないぐらい再現できた。


 触った感じヒンヤリとしているが、これがアダマンタイトだとは誰も思わないだろう。これで、オメガ細胞に蝕まれた事を心配されずに済む。


「随分使い勝手の良い能力だな」


 オレは右腕をタコの足の様にウネウネと動かす。骨というか関節をも自在に操れるから、アンラ・マンユみたいな動きも出来る。腕を伸縮したり、剣の形状にしたり。


『もはやオメガだな』


 うるさい。でも否定できない。今は超人という枠組みにいたと思うけど、ここまで来るともはや人外だ。


 オレが自爆する時に生えてきた竜の腕。その形にもできるが、あの時の様な力はない。


「けど、これならもうベリアルに負ける心配はない」


 これなら、みんなを守れる。クララが恐怖に満ちた表情をしていたのを鮮明に覚えている。もうあんな思いはさせる訳にはいかない。


 ――あの子達は、死んでも必ず守ってみせる。


 そう心に誓っていると、コマンダーが何かを思い出したらしい。空中にホログラムでベリアルの映像を映し出していた。


『そのベリアルの事で一つ良い報せがある』


「良い報せ?」


『ベリアルはアダマンタイトを吸収するのと同時に、増殖させる能力も持っている。今回は上半身を消し飛ばしてしまったが、それでも多くのアダマンタイトを得る事が出来た。今後、もしヤツが現れたら、アダマンタイトを吸収させた上で討伐してほしい』


 わざと完全体にしてから倒せと? いくらアダマンタイトを自在に操れる能力を得たとはいえ、それはあまりにも無謀な気がするけど・・・。


『その為の武器も用意した』


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