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勇者スレイヤー 勇者絶対殺すマン  作者: ランタン丸
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最弱を求めて



ハイリがメルニダ王国最南端の街、パラディオンの門を潜ってから3日が経過した。

この3日間、ハイリはパラディオンの冒険者ギルドや酒場を巡っていた。聖国の勇者たちについての情報を集めるためだ。そして現在、ハイリは宿のベッドの上で集めた情報を羊皮紙に書き上げ、記録していた。


「よし、できた!これで忘れる心配はないな!」


羊皮紙には勇者について以下の事柄が要約され書かれていた。



①勇者は聖国から各国に派遣されており、各国の軍事力の増加に一役買っている。



②現在判明してる時点で、勇者が派遣されている国は5か国。シエン、ホストル、モルダニア、セモン、デミス。



③判明してる者でモモタロウ、アカズキン、オズ、サンゾウという名の勇者がいる。アカズキンは女性。



④ニンギルスという勇者がいることは知られていない。


⑤勇者アカズキンは、セモン公国に派遣されており隣国ジュルジャとの戦争で大活躍をした。


⑥勇者オズはあらゆる病や怪我を治す魔法が使用できる。現在はモルダニアにいる。


⑦聖国については、謎が多く教皇は一部の教会関係者と国王しか謁見が許されていない。


⑧アポ教は、女神信仰をなぜか敵視している。ジュルジャは女神信仰の盛んな国だった。


⑨勇者が派遣された国は全てアポ教布教のために多くの人的、金銭的援助を行なっている。



「う~ん、だいぶ勇者についてわかってきたな。しかし肝心のニンギルスという勇者についての情報はなしか。さて、どうしたものか?アポクリフ様のいいつけ通りにこの街に来たものの、何も起きんぞ?それにメルニダには勇者が派遣されていないようだし、本当に最弱の勇者はこの街にくるのか??」


書き上げた羊皮紙を眺め、一人ごちるハイリ。

そもそも、ハイリがパラディオンの街にいるのは神アポクリフに言われたからだ。

時はハイリが勇者に指名された時まで遡る。




○○○


「少しは怒りは収まったかい?それで私の指名を受けてくれるかな??」


神アポクリフは、ハイリに勇者の指名を受けるように要請する。そのハイリはというと神アポクリフから聞かされた3つ目の理由を聞き、顔が真っ赤になるほど激怒していた。


「もちろんです!その話が本当なら俺は勇者を殺さなければなりません。俺の仕事です。他の人に任せたくありません!!」


「そうか、勇者を殺すのは覚悟がいるよ。君はもう理解しているだろうけど、それは辛い選択をしなければならない試練だ。指名を受けたら逃げ出すことは許されない。本当にいいんだね?」


神アポクリフはハイリの最終意思を確認する。


「ええ構いません。俺は教皇が許せないし、必ず勇者ニンギルスを殺します!それに、魔王様のご遺体をナルカに帰すという魔族の人々との約束を果たさなければなりません。アポクリフ様、俺に力をください。お願いします!!」



ハイリは神アポクリフに頭を下げた。そんなハイリをみて、神アポクリフは右手の人差し指をハイリの頭に優しく添えた。その瞬間、ハイリの体を金色のオーラが覆う。そしてらそのオーラはハイリの全身に吸い込まれるよに消えていく。


「頭を上げなさい。今君に私の力の一部を与えたよ。これで君は正真正銘の勇者だ。1つ目の理由の中で説明したルシル君が君に与えた力と合わせれば君は人造人間(ホムクルス)どもに簡単に後れをとることはないと思うよ」


「はい、ありがとうございます」


「でもね、君は今すぐには勇者に勝つことは難しいと思うんだ!」


「??、なぜです? 俺は今アポクリフ様から神の力をもらいましたよ?いくら、勇者がこの世界の設定(ルール)に縛られない、理の外の存在だと言っても俺はもう負けませんよ!」


神アポクリフの言葉にハイリは不思議そうに尋ねた。それに対し神アポクリフは得意気に答えた。


「簡単な理由さ!君の身体に私の力が完全に馴染むまでに少し時間がかかるのさ!それに君の中にはすでルシル君から与えられた力が宿っている。その力と私の力が完全に混ざり合うまでには時間がいるんだよ!」


「そういうものなのですか?具体的には、しばらくとはどのくらいでしょうか??」


「うーん、そうだな多分早くても1年はかかると思う」


「そんなに!?それでは時間がかかり過ぎです!!俺はすぐに勇者(ホムンクルス)どもを始末したいんです!どうにかなりませんか??」


「ええー、これも設定(ルール)なんだから、仕方ないよ。それに1年なんてあっという間だよ」


長き時を過ごす神アポクリフにとって、1年という期間は本当に短いものだ。


「そこを何とかできないのでしょうか?」


ハイリは縋るように神アポクリフに時間を短縮することができないか尋ねるも、神アポクリフは「無理だよ」と答えるだけだった。


「そんな、、、その間俺はどうすれば・・・」


予想以上に落ち込み、途方に暮れるハイリ。そんな姿を見た神アポクリフは、いたたまれなくなり、助け船を出す。


「いや本当に仕方ないんだよ!神の力を行使するに相応しい肉体にこれから君の身体は少しずつ変化していくんだ!それには1年間は最低限必要なんだよ!それに1年必要なのは私が君に与えた力についての分のみだ。ルシル君が君に与えた力については別だ!」


「それは本当ですか!!」


「うん、本当だよ。ルシル君が君に与えた力も勇者の力、つまり元々私の力だからね!君がその力をもらってから1年はとっくに過ぎている。だから後は実践で馴染ませるだけさ!!」


「なんだ、悩んで損しましたよ!!ありがとうございます!では、早速、勇者を倒しに行ってきますね!」


お礼を言い、去ろうとするハイリを神アポクリフは必死に引きとめる。


「ちょっと待って!待ってよ!!あくまでもルシル君が君に与えた力は、私の力の劣化版だからね!下位ならともかく上位の勇者には、たぶん通用しないよ!今の君でも強い勇者には勝てないんだ」


「強い勇者には勝てない」という神アポクリフの言葉を聞いたハイリは少し考えるそぶりをみせてから口を開く。


「だったら弱い勇者には勝てるということですね?アポクリフ様お願いがあります。弱い勇者の居場所を教えてください」


「しょうがない、わかったよ!勇者(ホムンクルス)の中で一番弱い奴はメルニダ王国にいるよ。その国のパラディオンって街を訪れて待っててごらん。勇者が現れると思うから!」


「メルニダ王国ですか?」


「ああそうさ。ハール大陸北方にある国さ。そこで勇者や聖国の情報を集めながら待つといいよ!12人いる勇者の中で一番戦闘が苦手なやつがきっと来るからさ!」


「わかりました。アポクリフ様の言う通りにします。ところで、勇者(ホムンクル)たちの情報を他に教えてもらえませんか?」


「それは嫌だね!!それくらいは自分で調べなよ。今ここで私が全てを教えてたら、君は真っ先にニンギルスのもとへ行くんでしょ?言っとくけど、今の君ではニンギルスには絶対に勝てないよ!」


神アポクリフの言葉に、図星を突かれたハイリは口をへの字にしてただ黙っているだけだった。





そして、

ハイリは目覚め後にメルニダ王国パラディオンの街を目覚すことにしたのだった。



次回か次次回から戦闘開始!


たぶん。

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