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勇者スレイヤー 勇者絶対殺すマン  作者: ランタン丸
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侵入


3隻の戦艦が夜の海を進む。空には星が輝き、波が戦艦にあたる音が静かに響く。

勇者を乗せた軍艦3隻は、ガイア大陸北西に位置する海岸を出港し、ハール大陸南西にあるシエン王国まであと丸一日かかる地点を海流に乗って南に進んでいた。


勇者をはじめとした兵士の多くが眠りについている。起きている兵士は少なく、見張りと戦艦の操舵を担当する者たちだけだ。

勇者を乗せた戦艦は他2隻よりも一回り大きい。その戦艦の甲板の上で10名ほどの兵士が見張りをおこなっていた。兵士たちは、欠伸が出るのを我慢しながら甲板の上から月光が反射して光る海面を見ている。


兵士たちが警戒しているのは海に住む魔獣だ。クラーケンやリヴァイアサンなどの大型海洋魔獣の襲撃にあい沈没した船など星の数ほどある。そんな危険な魔獣の襲撃に備えているのだが、兵士たちの中には我慢出来ずに欠伸をする者や隣の兵士と世間話をする者などがおり、緊張した様子は見られなかった。


見張りの兵士たちが緩みきった理由、

それは2つある。


1つ目は兵士たちの乗る戦艦が最新鋭の巨大戦艦であるということだろう。魔法が付与されたこの戦艦は、耐久力が従来のものと比べものにならないほど上昇している。この戦艦なら例え魔獣の襲撃にあったとしても沈没することなく、魔獣を撃退することが可能だ。


2つ目は勇者の存在だ。見張りの兵士たちが乗る戦艦には勇者が乗っている。兵士たちは、勇者の戦闘をナルカ攻略の際に実際に目にした。そのあまりにも出鱈目で巨大な力に味方ながらに恐ろしさを感じた。その力は、例え海洋魔獣が群れで襲撃してきたとしても問題ないと思えるほどのものであった。


見張りの兵士たちは完全に油断していた。ゆえに、空から小さな人型の影が夜の闇に紛れて戦艦の上に降り立ったことに気づくことができなかった。




小さな人型の影の正体、それは軽装な黒色の装備に身を包んだハイリであった。




ハイリは、ナルカが勇者により破壊され、シエン王国軍がナルカより北進すると、すぐさま従獣のワイバーンの足に赤の紐で筒を結びつけ、北道上の村や街に向けて飛び立たせた。


筒の中には、ナルカでの惨劇と勇者率いるシエン王国軍が北方侵攻してくること、そしてガイア大陸最北の都市、ユンメルグに避難するよう民に指示をする旨の書簡が入っている。それは魔法文字で記されており一定の階級以上の魔族でなければ読み解くことができないものだ。

赤の紐は重要緊急伝令であることを示し、書簡を読んだ村や街を治める責任者たちは顔を真っ青にしながら民に指示を出す。そして、急いでユンメルグに向けて避難を開始するのだった。


ハイリのこの行動により、北進するシエン王国軍の刃から民を逃すことに成功する。勇者がナルカから北進しながらも訪れる村や街に一人も魔族がいなかったのはこのためであった。


南下するメリアたちを見送り、墓参りをした後にナルカの都を出たハイリは、ナルカより15里ほど離れた北道上で、ユンメルグへ伝令を届け、ナルカに戻る途中のワイバーンに合流するのだった。

それからハイリは、合流地点で野宿を行いワイバーンを休ませた。そして、次の日に勇者を追うためワイバーンに乗り北へ向かうだった。


そんなハイリは、一日前にナルカより北西の海岸にて勇者率いるシエン王国軍を発見した。それから勇者たちに見つからぬように上空からシエン王国軍を監視しはじめるのだった。

軍艦の出航後も気づかれぬように注意しながら軍艦の後を上空からつけていた。


夜が訪れ、あたりが暗くなるのを待つ。夜になり兵士たちが大勢寝静まると、ハイリはワイバーンの高度を下げ、勇者のいる軍艦へ向けてワイバーンから飛び降りるのだった。


ハイリは風魔法を使用して落下の衝撃を殺し、静かに戦艦に着地する。そして、はやる殺気を押し殺し、闇に紛れて勇者のいる部屋を目指す。







次で勇者に会えるかな

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