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第95話 ジャイアントワームの群れ

「よっし。こっちなら多少は戦いやすいだろ!」


 それから、俺たちは他の魔物が現れる前に急いで通路のような部分から移動した。


 通路を抜けた先は少し開けたスペースが広がっており、一部壁を掘った形跡部分がある付近には階段があったりした。


 ここなら多少は暴れられるだろう。


 俺はそう考えて二人を下ろしてから、リリナに視線を向ける。


「リリナ。魔物はどこからくる?」


「下です! 下に七体の魔物がいます!」


「下? ていうことは、またジャイアントワームか⁉」


 俺はさっき俺たちを襲ってきた魔物を思い出して、顔を引きつらせる。


それから、地面が少し揺れて嫌な予感がした俺は、再び二人を抱えてグッと足に力を入れる。


「『縮地』!」


 そして、スキルを使って俺は一気に階段がある所まで移動して、階段を数段上ってから俺たちがさっきいた場所に顔を向けた。


 ガガガッ!!


 すると、さっき俺たちが立っていた地面から、勢いよく一体のジャイアントワームが飛び出してきた。


 そして、その周辺に二体、三体と姿を現して、合計七体のジャイアントワームが姿を見せた。


「危なかったな。あそこにいたら今頃あの群れの中だったわけだ」


 俺は冷や汗を垂らして、さっきまでいた場所が穴だらけになっている光景を見て唾をのむ。


 それから、俺はジャイアントワームたちが俺たちの方を向いたのを見て、抱えていた二人を下ろして両手を二人に向ける。


「『支援』。すぐにジャイアントワームが突っ込んでくるかもしれないから、警戒してくれ」


 俺が『支援』を使うと、俺たちの体が緑色の光に包まれた。そして、俺がこれから戦おうと剣を構えたが、ジャイアントワームたちは何をするわけでもなく、また地面に戻っていった。


「は? どういうことだ?」


 俺がジャイアントワームの行動に眉をひそめていると、アリシャが俺の一歩前に出て弓矢を構えた。


「お任せください。ロイドさま。『瞬風』」


 アリシャはそう言って、『支援』で強化された『瞬風』に矢を通して狙いを定める。


「『瞬風』……『狙撃』!」


 シューン!! ズシャァ!!


 そして、アリシャの矢はジャイアントワームに直撃して、ジャイアントワームの頭の部分を弾き飛ばした。


 相変わらず、弓矢というにしては威力が凄まじ過ぎる。


 離れた距離から攻撃が当たれば、消化液を食らわないで済むし、アリシャとジャイアントワームの相性はいいのかもしれない。


 俺がそんなことを考えていると、ジャイアントワームは倒れたジャイアントワームを残して、そのまま勢いよく地面の中に潜っていってしまった。


 それから、俺たちは階段を上りきったところでジャイアントワームが再び姿を現すのを待っていたが、ジャイアントワームは中々姿を現そうとしなかった。


 しばらく弓矢を構えたままだったアリシャは、弓矢を軽く下ろして地面をじっと見つめている。


「中々出てきませんね」


「でも、気配はビンビンにありますよ。残り六体の『空間認知』にも反応があります」


 リリナが階段を乗り出して耳をピコピコとさせているのを見て、俺は少し考える。


 ジャイアントワームとの戦いは、さっきの通路で戦った時もいれるとこれで三度目だ。


一回目はこのスペースに向かおうとしているときに前から襲われて、二回目は後ろから襲われた。


そして、その後にこのスペースにたどり着いた時に三体のジャイアントワームが飛び出してきた。


 ……ある地点を通ったときに、侵入者を排除する仕組みになっているのか?


「やけに統率が取れているような気がするよな。どれ、試してみるか」


 俺はそう言って、近くにあった小石を階段の下に投げた。


 コンッ、コロコロッ。


 しかし、小石が転がっただけで特にジャイアントワームが飛び出してくるようなことはなかった。


「何か出てくる条件があるかと思ったが、音だけってわけじゃなさそうだな。生体反応なのか、魔力なのか分からないがそんなところか。ん?」


 どうやってジャイアントワームを炙り出そうかと考えていると、ジャイアントワームがさっき飛び出てきたところに大きな穴が開いているのに気がついた。


「……確か、ミミズって熱に敏感だったよな」


「ロイドさま?」


 リリナは俺の言葉に首を傾げていた。俺はそんなリリナと弓矢を構えているアリシャを見て口を開く。


「俺がジャイアントワームを地上に上げてくる。リリナとアリシャはジャイアントワームが地上に出てきたら一気に畳みかけてくれ」


「地上に上げてくる? そんなことができるのですか?」


「多分、地上に出てからもしばらく苦しんですぐに地面に戻ることもないと思うぜ」


 俺はアリシャにそう答えてから、階段を下りて地面に足をついた。それから、ジャイアントワームが俺に気づいて襲ってくる前に、俺は足に力を入れる。


「『縮地』!」


 そして、俺は一気にさっきまでいた所に移動して剣を引き抜いて、大きく空いている穴目がけて剣を振りかぶる。


「ここだな。一気にいくぞ、『炎弾』!!」


 それから、俺が剣を振り下ろすと炎の塊がジャイアントワームが掘った穴の中に入っていった。


 俺はそのまま何度か『炎弾』を撃ってから『縮地』をして階段に戻る。すると、少しして、地面がさっきよりも大きく揺れてジャイアントワームたちが勢いよく地上に出てきた。


 そして、ジャイアントワームたちは体から煙を出して、その場で苦しむようにバタバタと暴れていた。



「地下を移動する魔物みたいだから、もしからしたら穴が繋がってるかもと思ったら、ビンゴだったみたいだな」


 さすがに、ワイバーンの炎を食らって無事ではいられないみたいだ。


 それから、俺はリリナたちと共に、火傷で苦しんでいるジャイアントワームにとどめを刺すのだった。


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