表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
前世は大聖女でした。今世は普通の令嬢として、泣き虫騎士と幸せな結婚をしたい!  作者:
本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/63

残念なお知らせ

 それから、私はキャスリンに力の使い方を毎日教えた。キャスリンはとても熱心で、早くちゃんと使えるようになりたいと一生懸命だった。


「まずは結界を張れるようになること。自分の身を守れるようになるのが一番大事よ。聖女はね、騎士に守ってもらうのではないの。自分の身を自分で守りつつ、騎士の力にならなくてはいけないのよ」


 まだ、キャスリンの結界は他人まで守れる大きさではないが、それはここが安全な場所だからなのかもしれない。キャスリンの潜在能力なら戦場に出れば……誰かを守りたいと思えばきっと、大きな結界を張ることもできるようになるだろう。


(本当は、戦場に出ることなど無いのが一番だけど)


 レッスンを終えて家に帰ると、エドガーからの手紙が待っていた。


「アイリス様、お待ちかねのお手紙ですよ」


「わあ! そろそろ休暇の知らせかしら?」


 私はメラニーから手紙を受け取ると、急いで封を切った。ところが、中に書いてあったのは残念なお知らせだった。




『親愛なるアイリス、元気に暮らしていますか?私も病気などせずに元気に過ごしているよ。


 ところで以前知らせていたようにそろそろ休暇がもらえるはずだったのだけど、今週になってこの辺りに魔物が多く出現するようになってしまってね。瘴気を出さずに一撃で魔物を倒せる者が私しかおらず、かと言って聖女様を派遣してもらうほどの魔獣でもないので、私は北部を離れることができなくなってしまった。


 早く君に会いたいと毎日考えているのだが、私にしかできない任務を放り出すわけにはいかない。だから、今回の休暇はここに残ろうと思う。とても残念だけど。


 君と暮らしたい場所は三つくらい絞り込めたよ。湖の近く、川の近く、山の麓。どこも例年なら自然が素晴らしく、落ち着ける場所だそうだ。家は町の中心部に構えて、これらの美しい景色の中に別荘を持ってもいいなと思ってる。あと五ヶ月、君と暮らせる日を楽しみに待っているよ。


 ではアイリス。寒い季節だが身体に気をつけて。愛してるよ、世界中の誰よりも。


                エドガーより』




「メラニー……エドガー、帰って来れないんですって」


「まあぁ……アイリス様、ものすごく楽しみにしてらしたのに、残念ですね」


 口を尖らせて拗ねている私の頭を、メラニーはヨシヨシと撫でてくれた。


「魔物が多くなってきたのに、エドガー以外の人はちゃんと一撃で倒せないんだそうよ。だからエドガーが残らないとダメなんですって」


「ということは、エドガー様は騎士団になくてはならないお方だということですよね! 素晴らしいですわ。出世間違い無しじゃないですか」


「そりゃあね、出世してくれたら嬉しいけど……それより、いつも一緒にいられるほうがいいわ」


「あらま、ご馳走様です。元気出して下さいませ、アイリス様。結婚式まであと五ヶ月じゃないですか」


 そう、あと五ヶ月。準備は着々と進んでいる。だけどディザストロが現れなかったら……


(婚約解消?! そんなの絶対に嫌。結婚延期?! それもどうかと思うわ。キャロライン・バーリィあたりにあることないこと言われそう。残るは……白い結婚……)

 

 エドガーに正直に話すしかないだろうか。生まれ変わりだなんて、信じてもらえるかしら。

 ううん、エドガーはきっと私のことを信じてくれるはず。ディザストロを倒せばもう聖女の力は必要ないんだから、終わったらすぐにエドガーに私の全てを捧げる。


(早く来なさい、ディザストロ。大聖女アデリンがサクッとやっつけてやるわ)


 呑気にそんなことを考えていた私だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ