第三話 異変
王都へと戻ったアリンデ達は、乗ってきた飛龍を飛龍屋に返し、ゆっくりと王の居る城の方へと歩いていた。
「陛下、どんな顔するかしら」
「分からないわアリンデ、でもきっと、ふさわしい言葉をかけてくださるわ」
先頭にはアリンデとニアーナの華二人、後方にはレギウスとフレインの男コンビが二人、カイアスが居た頃とは違うその並びには皆、未だ慣れなかった。
「ところで、さっきからやたらと周りが騒がしくない?」
チームトップの疑い屋、よく言えば気遣い屋のフレインが呟いた。
「確かに、いつもなら俺たちが歩いてると誰かしら寄ってくるもんだが……今はそんな余裕無さそうな雰囲気だな」
アリンデらが歩いているのは店の並ぶ大通り、それもあって人目は多い。けれど誰もアリンデらを見る素振りは無く、ただ小耳に挟んだ噂話を拡散するように走り回っていた。
「何かあったのかしらね……ってうわ、ごめんね僕、大丈夫?」
ニアーナが小さな男の子とぶつかってしまった。別にニアーナの不注意が原因ではなく、その男の子が慌ただしく前も見ずに駆けていたのが原因である。
顔を上げた男の子は口元がおぼついておらず、涙ぐんでいた。ニアーナが心配した様子でそっと座り込み、男の子の頬を両手で支える。
「あのあの、ごめんなさい。でも、大変なんだ。それでお母さんと今買い物してるんだけど、やめてお父さんを呼びに行ってこいって言われて」
「落ち着いて、大丈夫だから。その大変なことっていうのは一体何が起きたの?」
ニアーナは子供が話しやすいよう、柔らかい口調で子供に問いかけた。すると男の子は一度深呼吸をして唾を飲み込み、頷いた。
そして、ただ一言、その男の子が衝撃な事実を口にした。
「王様が殺されたの」




