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なんちゃってシンデレラの同窓会〜いじめられっ子は同窓会でザマァ致します  作者: たかなしコとり


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5/8

翔子たちが乗ったエレベーターのドアが閉まる。

沢田は、冷や汗を拭いて、一息ついた。

「真鍋くん、誰と結婚するんだろう。」

そんな声が聞こえて、沢田ははぁーとため息をついた。

「佐藤さんとに決まってるだろ。」

「でも、指輪なかったよね。」

「仕事中に佐藤さん拉致ったんだろ。外してるに決まってる。」


まあ、そりゃそうか、と皆納得する。

「えー。私だったらつけてるなー。」

そんな声で沢田の脳裏に、一度だけ見た、翔子のエンゲージリングを思い出す。

デザインにこだわらない翔子と、流行に疎い壮太の二人らしい、ただただでっかいダイヤモンドがついた指輪だった。小指の爪ぐらいあった。


沢田は口にしなかったが、もし無理に連れて来た事が問題になったら、ここにいる連中全員、警察に事情を聞かれる事になる。


どうか佐藤さんが、というかあの女傑揃いの伯母様達が、そんなにご立腹になりませんように。

一緒に行った、池野と吉田と加藤が、どうかどうかうまくやってくれますように。


その三人は、車の中でちょっと居心地が悪い。

壮太は、マスターから連絡を貰って、すぐ場所はここだろうと検討をつけたらしい。

どの年度の卒業生も、同窓会は大抵ここでやるからだ。


すぐ会社を飛び出したが

「タクシーに乗ったら、渋滞しててさ。しくじった。」

「そっか。」

翔子は、冷たくなった手を温めようと、こすっている。

「遅くなってごめんな。」

「大丈夫。沢田君がいたから。」


あー、あいつな。

壮太はつぶやく。翔子が新人の頃、結構名前を聞いた。

「役にたつ事もあるんだ。」

ふふっと翔子は笑った。

「今日は助かっちゃった。」


「さてと、お前たちだけどな。」

壮太は、隣に座る池野を見た。

「親父が警察呼んだからな。一応、同窓会の確認はホテルに電話して取ったから、そんなに心配はしてないと思うけど。」

「あのー。それならもう、警察帰ってるんじゃないッスかね。」

「どうかな。お前ら、小林に聞いてないのかよ。」

「え、あれですか。佐藤さんが、経済界のフィクサーの愛人になったとか。」


「なんだそれ。」

壮太は呆れた。

「翔の母方の親戚が見つかったって事だよ。会社の経営者だし、こういう悪ふざけは許してくれないかもしれない。」


三人は青ざめた。

「ホントに?」

「まあ、一生懸命謝ったら、被害届は思いとどまってくれるかもしれないが。」

壮太の言葉に、三人はようやく沢田の言葉の真意を悟った。


前科持ちになりたくなかったら、頭を地面に擦り付けてでも謝って来い。

そう言う事だ。


壮太の実家に近づくと、赤色灯がピカピカしているのが見えた。

「パトカー止まってんな。」

ポツリと池野が言った。

「あのー。佐藤さん。今日は本当にごめんなさい。」

「すいませんっした。」

「申し訳ない。」


翔子はぎゅっと壮太の手を掴んだ。

「今日()?」

車は、パトカーの後ろにゆっくり止まった。

「今日『は』ごめんなさい?」

もう一度繰り返したので、三人の脳裏には、小学校時代はもちろん中学時代にも様々あった「いじめ」の記憶が、走馬灯のようによぎった。


「あのー。」

冷や汗が噴き出る三人を横目に、壮太はドアを開けた。

「降りるぞ。翔。」

警察官が駆け寄ってくる。

「佐藤翔子さんですね?連れ去りの犯人は?」

「あっちの三人です。」

翔子は、無表情に指差した。警官は三人に車を降りるように指示した。

「はい、君たち。免許証見せて。」


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