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ゲルハルトは焦る。

いま、ゲルハルトは、自身の執務室で、側近のエドワードから、派閥貴族達の現状報告を受けていた。


「不味いな…このままでは、私の派閥貴族達の中から、国税庁から追徴課税されると言う、不名誉な家が出てしまう…」


「はい。殿下。その様な事になれば、派閥の長であるゲルハルト殿下の評判にも関わって来るかと…」


「エドワード。何か良い案は無いか?」


「そうですね…宇宙港建設の為、購入した南半球の土地に住まう住民を、派閥の各貴族領へ強制移住させましょう!」


「でも、その様な事をしたら、役人連中が煩いのでは無いのか?」


「秘かにチェスター殿下の状況を探っていた時に判明したのですが…チェスター殿下は、帝国市民権の無い不法移民達に、自領の市民権を与え、その上で住民を移民させた様です。その方法なら可能かと…」


「チェスターの真似をするのか?気乗りせぬが…」


「殿下!その様な事を言っている場合ではありません!このままでは不味い事態に陥るかと…」


「仕方無いか…では、その様に進めよ」


「それと、確実に住民達を移住させる為、南半球に購入した土地を封鎖するのが良いかと…今は1人でも多くの労働力が必要ですから」


「各貴族の私兵を大量に首都星に集めると、帝国軍が黙っておるまい。皇帝陛下がお住まいの首都星だ。謀反を疑われる」


「殿下が購入した土地は広大です。その土地を閉鎖するには、確かに多くの兵士が必要です。ですから土地の敷地内に兵を配置すれば良いのです!貴族街や国の重要施設には近寄らせません!貴族の屋敷の警備に、私兵を投入するのと同じイメージです」


「うむ…分かった…それ以外に方法が無いのなら仕方あるまい」


「では、手配致します!」


そう言って、エドワードは部屋を出て行った。



★★★★★



「エドワード。宇宙港建設の件は、どうなっているのだ?」


「現在、建設長官と宇宙局の引き継ぎが始まった所です。慣例により、権限譲渡が行われるのは1年後となります」


「引き継ぎに1年か…長いな…だが仕方無いか…」


「はい。慣例ですから。ですが、権限が手に入るのは確実。先行して着手されたら如何かと…派閥貴族達の資金に余裕のある、今のうちに資金を集めるべきかと…」


「ああ、そうだな。では、エドワード早急に進めよ!」


「承知しました!」



★★★★★



「ヒューズ男爵。お久し振りで御座います」


「アデミール。挨拶は良い。早速に用件を話す。そちに依頼して購入した、あの南半球の土地だが、この度、開発される事が決まった」


「あの広大な土地ですか!」


「ああ、そうだ。今回の開発に付いては、わしが責任者に志願した。そこで、今回もそなたを使ってやる事にした。だから、わかっておるな?」


「はい。そう言う事ならお任せ下さい。決して殿下に損はさせません!それで、予算はいかほどで御座いますか?」


「ああ、予算はこれだけの金額を預かっておる。前回と同様で、追加予算は無い。よろしく頼む」


こうして、不動産コーディネーターのアデミールが、開発予算の一部をヒューズ男爵にバックする事が決まった。


ヒューズ男爵は、前回で味を締めたのだった。


アデミールに丸投げするだけで、不動産の購入に成功し、ゲルハルト派の上位貴族に誉められた。


更に、購入資金の一部がバックされ、自身の懐も温まった。


だから、今回は開発責任者に、自ら志願したのだった。


開発費の一部は、アデミールと繋がりのある、帝国三大マフィアが設立した、ペーパーカンパニーに流れるとも知らずに…



★★★★★



それから数ヶ月後、ヒューズ男爵家の屋敷に、アデミールがやって来た。


「どうした?アデミール。何かあったか?」


「はい。殿下。開発用地3ヵ所のうち、2ヵ所の土地で問題が発覚しました」


「何だと!いったい何が起こったのだ?」


「はい。地盤確認の為、ボウリング調査をしたのですが、1ヵ所は元々砂漠地帯だった場所を宅地造成した土地でした。それから、もう1ヵ所は、海を埋め立てた土地。どちらの土地も地盤が弱く、巨大な構造物を建設するには、大規模な地盤改良工事が必要だと判明しました」


「なに!それでは建設が出来ないと言う事か?」


「いいえ、殿下。現在の技術を使えば、建設は可能なのですが、とても予算が足りません…」


「ふざけるな!今さらそんな報告が出来る訳が無いだろう!何とかせよ!」


「残念ながら…追加予算が無ければ、どうにもなりません。お気に召さないなら、私を外して頂いて構いませんが…」


ヒューズ男爵は思案する。


他に建設の専門家の知り合いは居ない。


それに、今から探したのでは、上から指示された工期に間に合わない恐れがある。


前回の不動産購入時と違い、今回は自ら志願した。


上手く行かなかったら、自身の面目丸潰れである。


そこで、男爵は、自身の懐から追加の資金を提供せざる得なかった。


前回の不動産購入時に、バックさせた金額の数倍の金額を吐き出した。


大赤字である。


結局、利益を得たのは、アデミールとマフィア達だけだった。







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― 新着の感想 ―
インサイダー取引するための速度優先で配下に丸投げでロクに裏取りしてないのに巨額投入するからカモられるんだよ
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