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帝国議会開催。

皇帝陛下主催のパーティーも終わり、帝国議会が開催される。


各省庁の長官や次官。


局長から、1年間の成果や今後の方針が発表される。


その度にヤジが飛ぶ。


言っているのは、役職に付く事が出来ないアドルフ派の貴族達だ。


アドルフ派は、参加する貴族数が少なく、また、下級貴族が多い。


自分達は、責任あるポジションに付く事が出来ず、責任を負う立場にないから、好き勝手に文句だけ言っている。


また、他の貴族より、少しでも目立ちたいと思っているのかも知れない。


そして、ヤジを飛ばすのでは無く、結果を追及してくるのは、ほとんどがゲルハルト派の貴族達だった。


「税収が減少しているのは、財務省の経済政策が原因では無いのですか?」


「この責任をどうお取りになるおつもりか?」


ゲルハルト派に所属する新興貴族達が、人を排除し、アンドロイドやロボットを活用し過ぎた結果なのだが、彼らはその事には一切触れず、財務長官を追及する。


ゲルハルト派とハルベルト派の激しい応酬が始まる。


皇帝陛下の御前だから、少しでも目立ちたかったのかも知れない。


議論が白熱し紛糾する。


そのタイミングで、宰相が「ここで1度、休憩とする!」


それを聞き、まず、皇帝陛下が部屋を後にする。


そして、各貴族達が議場を出て、各派閥に割り当てられている部屋へ引き上げた。



★★★★★



ここは、ハルベルト派の控え室。


「ゲルハルト派の連中め、帝国の税収が減少しているのは、新興貴族達のせいではないか!」


「その通りだ!奴らのせいで、我々が苦労していると言うのに…」


「まあ、そう言うな。あと、ほんの少しの辛抱だ!」


「まさに!その通りですな!」


「アンドロイドやロボットの使用を制限する法案が提出された時の新興貴族達が、どんな顔をするか…今から楽しみだ!」


「ワッハッハ!!」


法案提出の準備が終わり、宰相を通じて皇帝陛下に打診。


皇帝陛下からの了承も内々に取得済み。


中立派の重鎮達への根回しも終わっており、もはや法案を提出し、採決を行えば、可決されるのが確定していて、ハルベルト派の貴族達は余裕の表情だった。



★★★★★



ゲルハルト派控え室。


「皆様!私が帝国の財政に付いて、追及した時の財務長官。ボーデン公爵のあの困った顔をご覧になりましたか?」


「ああ、見ていた。あれは見物であったな!」


「帝国軍の新型鑑の軍備が進まないのは、彼らの責任。経済政策が失敗し、税収が減少しているのが原因ですからな!」


「早く、我々に席を譲れば良いものを…」


「その通り!門閥貴族どもは発想の転換が出来ない様だ!」


「その通りですな!」


「ワッハッハ!」


彼らは、この後、自分達が窮地に追い込まれる事になろうとは、夢にも思っていなかった。



★★★★★



チェスター派控え室。


「マーガレット。殿下から新たな指示はあるか?」


「いいえ。御座いません。以前よりお伝えしていた通り、ハルベルト派から法案が提出されたら賛成する様に。それ以外のご指示は御座いません」


「そうか。それなら良い」


「しかし、ゲルハルト派とハルベルト派の権力争いは、いい加減、うんざりですな!」


「まあ、そう言うな。今回の法案が可決されれば、ゲルハルト派は大打撃だ。両派の決着が付くのも、時間の問題だ」


「間違い無く、ハルベルト派の勝利で終わりますな!そうなると、チェスター殿下は、ハルベルト殿下と仲が良い。我々も安心して領地経営に専念出来ると言うものだ!」


「確かに、その通りですな!」



★★★★★



アドルフ派控え室。


「皆様!アドルフ殿下から、皇帝陛下の御前で、少しでも目立て!との事です。引き続きお願い致します!」


「そうは言うが…余り他の派閥に所属する上位貴族を批判する様な事を言って、目を付けられるのもなぁ…」


「そこはご安心下さい。何れ自分が皇帝に即位したら、皆を帝国の要職に就けると仰っております!」


「そうか…皇帝に即位するか…」


アドルフは、いまだに皇帝に即位するつもりであるらしい。


アドルフ派に所属する貴族達は、アドルフが皇帝に即位する可能性は、ほぼ0である事を悟っていた。


彼らからすると、実兄ゲルハルトが皇帝の即位する事に協力し、その見返りに幾つかのポストが得られれば良いとの認識だった。


しかし、他人の意見に耳を貸さず、自分の考えが正しいと信じて疑わないアドルフに、誰が何を言っても無駄である事を、彼らも悟っていた。


口には出さないが、家を守る為、アドルフ派を抜けて、他の派閥への移籍を模索する者も多かった。


この場合、彼らが移籍出来る可能性があるのは、ゲルハルト派か中立派しか無い。


ハルベルト派とゲルハルト派は激しく争っており、ゲルハルトの実弟アドルフ派に属していた自分達は、ハルベルト派からスパイを疑われる。


また、ハルベルトとチェスターが、仲の良い事と言う話は、彼らにも伝わっていた。


従って、ゲルハルト派か中立派しか、彼らを受け入れてくれないであろう事は、分かり切っていたのである。


係員がドアをノックする。


「本会議が始まります。皆様、会場へお入り下さい」


そして、この後も、ゲルハルト派がハルベルト派を激しく攻撃を続け、アドルフ派がヤジを飛ばすと言う事が、繰り返された。

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自らが埋まるための穴を掘っている囚人を見てる気分になるな
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