表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/79

グルメなケビン。

俺が屋敷でだらけていると、ケビンがやって来た。


こいつは俺の幼馴染みだ。


俺の側近候補として、小さな頃からこの屋敷で暮らしている。


俺は屋敷に引きこもってるから、友達はケビンしか居ない。


皇子として、これではいけないのではないか?と思わないでも無い。


ケビンは俺の母クラウディアの実家、ミュラー伯爵家の寄子のチェルシー子爵家3男坊だ。


チェルシー子爵家には、娘しか産まれなかった。


そこで、ミュラー伯爵家の前当主の弟。


つまり、俺の祖父の弟が婿養子に入った。


だから、俺とケビンは親戚同士でもある。


ケビンは、良い言い方をするとグルメ。


悪い言い方をするなら、食いしん坊のポッチャリさんだ。


「チェスター。お小遣いを恵んでくれ~」


また、こいつはお小遣いを使い切ってしまったらしい。


毎月の事だから、別に驚かない。


そしてケビンには、公の場以外では、チェスターと呼ぶ事を許している。


「ケビン。お前は、また、お小遣いを使い切ったのか?計画的に使えと言ってるだろうが!」


こいつの趣味は、食べ歩きだ。


貴族家の人間ではあるが、俺の様に皇族では無い。


だから、俺に比べたら外出し易い。


外出する時は、貴族らしからぬカジュアルな服装で出掛ける。


まあ、貴族家の人間だから、護衛は付くが…


週に3日は外出し、食べ歩いている。


宮殿で、1日3度の食事をしっかり食べて、それとは別に外食しているのだ。


だから、こいつの体はポッチャリさんだ。


「何か?面白い話はあったか?」


ケビンは俺の情報源でもある。


外務長官のマーガレットは、帝国や貴族達との交渉役だ。


だから、帝国や各貴族の情報収集もしている。


それから商人のノア。


ノアは商人や、その護衛をする傭兵達とのパイプを構築して、情報収集をしている。


後は、ミアとエラ。


この2人は、バイオレットの眷属で、情報収集担当だ。


だが、帝国首都星には数え切れない程の人間が暮らしている。


豊かさを目指して首都星に密入国した不法移民や、その子孫達。


余りにも人数が多すぎて、正確な住民数は、帝国ですら掌握出来ていないのが現状だ。


ケビンは、そのポッチャリ体型からか?


それとも、貴族家の関係者とは思えない、ポワ~ンとした性格だからなのか?


人の懐に入り込むのが上手い。


街に出て食べ歩いたり、貴族なのに何の躊躇もなく、大衆食堂に入って食事したり…そして、そこで色々な人と会話し、庶民達から噂話を聞いてくる。


まあ、殆んどは、どうでも良い情報だったらりするのだが、その中に、たまに良い情報が混じってたりする。


ミアとエラも、一生懸命に働いている事は知っている。


だが、彼女やその眷属達だけでは、全ての情報を収集出来る訳ではない。


だから俺は、小遣いをやる代わりに、ケビンが庶民達から聞いてきた話を聞くのだ。


「ケビン。何か無いのか?」


「う~ん…今日はチェスターが開発した土地にある大衆食堂へ行ってきたんだ。行列が出来てたから、きっと美味しいんじゃないかな~と思って!それで行列に並んで…順番待ちをしている時に、周りにいた常連さんにお奨めを聞いて、食べてきた!」


「…それで?…」


「美味しかったよ!凄~く!!」


「…それだけか?」


「…ああ、そう言えば、最近はマフィアが居なくなったって言ってたなぁ~理由は知らないけど…」


「マフィア?」


「うん。チェスターが開発する前は、マフィアの縄張で、マフィアの構成員が街を徘徊してたんだって!」


「でも最近は、まったく見なくなったて、言ってたな~」


そう言えば以前、内務長官のマルティンが、警察組織を立ち上げて、訓練中だと言っていた。


現場に投入されたのかも知れないな。


「そうか、まあ良い。ケビン!小遣いをやる」


俺はタブレットを開き、ケビンの口座に送金する。


ケビンが自分のタブレットを開き、そして確認する。


「お~!こんなに!チェスターありがとう!」


ここで俺は閃く!


ケビンは将来、大きな手柄を立てて爵位を貰うか?


貴族家に婿入りするか?


または、帝国が認める規模の商会のオーナーになるか?


それが出来なれば、一代限りの貴族。


準男爵だ。


そして、当然、俺の寄子になる。


こいつが自立しないと、寄親であるこの俺が、ケビンの生活の面倒を見なくちゃいけなくなる。


俺の生活費は、基本的には領民達が納める税金から支出される。


俺には領主としての仕事がある。


少なくとも子孫に家督を譲るまでは…


でも、ケビンが自立出来ないと、こいつの生活の面倒を税金から払う事になる。


つまり、こいつに収入源が必要だと言う事だ。


生活するに必要な生活費を自分で稼げば、税金からの支出が減るからな!


「おい、ケビン!今まで食べた店の場所や店名。それから、どんなジャンルの料理で、味はどうだったとか、いろいろメモとかしてるのか?」


「いや。まったくしてない!」


「しろよ!!」


「よし、ケビン。良く聞け!今後は住所や店名。それから、味の評価を付けてバイオレットに送れ!味の評価は…☆印にするか…☆5つが最高評価だ。良いな!ちゃんとやれよ!」


「うん。分かったよ、チェスター。でも、そんな事してどうするの?」


「グルメ本を作る!本が売れれば、印税収入で生活出来るかも知れないぞ!そうだな…まず、俺が開発した街からだ。グルメ本を見て、俺が開発した街へ行こう!と思う人もいるかも知れないからな!」


「追加の小遣いをやるから、頑張れよ!」


「ああ、分かった。やってみるよ!」


ふふふ。


前世の記憶から、ミ○ュラ○ガイドの事を思い出した。


ケビンには文章能力が無い。


だから、バイオレット達に内容を纏めさせて、情報を売らせる。


上手く行けば、ケビンの生活費の足しになるだろう。


ケビンのグルメ情報を元にして、ノアが買収したテレビ局で放送するのもアリだな。


レポーターが店から中継する。


そのテレビ番組を見た市民が、店に食べに行く。


つまり、俺の領地に人がやって来て、お金を落とすと言う事だ!


食材等は、宇宙港経由で納品出来るし、良い事尽くめじゃないか?


俺の部下達は優秀だから、何とかするだろう。


俺が横から口出しすると、彼奴らもやり難いだろうから、大枠だけきめて、後の事は部下達に丸投げしよう!


その後、俺はバイオレットを呼んで、計画の大枠を説明をしたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 お〜!、経済力のない、幼馴染兼側近候補にオトナになる前に メドを付けさせる手筈を❗️ 上手くいくと、良いですネ。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ