第一惑星にダンジョンコアを設置する。
俺は今、屋敷の部屋でだらけながら、テレビニュースを見ている。
ハルベルト兄上を連れて、炊き出しに行った時の映像が、テレビ画面から流れていた。
ギブソン商会を通じて購入したテレビ局は、俺をメインに編集されている。
多分、情報担当のエラが、編集に関わっているからだろう。
俺は目立ちたくない。
しかし、エラから「コアな命令①マスターを守る事に繋がります!」と言われしまい、放送を止められなかった。
何でも「人民の支持を無くした前帝国は、崩壊したではありませんか!マスターが人民から厚い信頼を得れば、例え帝国が崩壊しても、マスターの生存率が高まります!」と言われてしまったのだ。
確かに前帝国は、人民から徴兵された、多数の兵士達から見放された。
だからエラに文句を言えなかったのだ。
俺はチャンネルを変える。
エリーゼの父、ボーデン公爵が経営する商会配下のテレビ局だ。
こちらのテレビ局は、ハルベルト兄上をメインに編集されていた。
先日放送された、ソフィアとエリーゼが、孤児院を訪問したニュースも同様だ。
ギブソン商会のテレビ局は、ソフィアがメインで、ボーデン公爵家配下のテレビ局はエリーゼをメインに編集されていた。
まあ…どちらか一方だけが人気になるのは良くない。
ましてや、ハルベルト兄上には皇帝になって貰う予定だから、兄上から目障りだと思われても困る。
だから、バランスが取れていて、良かったと思う事にする。
テレビニュースを見終わり、俺が再びだらけていると、秘書のバイオレットがやって来る。
「チェスター様、第一惑星を包む外壁工事が終了し、惑星内にダンジョンコアを設置して欲しいと連絡が入りました」
流石は科学技術と魔法技術が発達した世界だ。
魔法技術を応用して、高性能な3Dプリンターみたいな物を地面から浮かべて、高層ビル等は、ほんの数日で完成してしまう。
計画では、地面から巨大な塔を何本か宇宙に向かって建設し、その塔を支えにして、惑星を丸ごと金属で覆う。
そうして出来た空間に、俺がダンジョンコアを設置する。
そして、ダンジョンコアの魔力を使って、水や空気を作り出し、人が住める環境にするのだ。
善は急げと言うし、早くやってしまおう。
どうせ、やらなくてはいけないし、俺にしか出来ない。
普段は部下に丸投げしているけど、俺は俺にしか出来ない事をする。
「バイオレット。転移門を開け。すぐに終わらせるぞ!」
★★★★★
バイオレットが開いた転移門を抜けて、木星の基地に着く。
すると、そこには、建設担当のルイスが待っていた。
「お待ちしておりました。チェスター様」
「ああ、ルイス。早く終わらせるぞ!」
「承知しました。すでにビスマルクが停泊中です」
俺は基地の宇宙港から、戦艦ビスマルクに乗り、第一惑星に建設された簡易宇宙港へ行く。
俺は、ビスマルクの艦内でパワードスーツに着替える。
今回、俺と同行するルイスとバイオレットも同様にパワードスーツに着替えて、宇宙港から転移魔法陣に乗って地上に降りる。
地上には既に、上下水道用のトンネルや、電線用のトンネルが地下に作られていた。
地上には、電信柱は1本も無い様に設計されている。
地下鉄用のトンネルも完成済みだ。
それ以外にも、地上から見渡す限り、遥か遠くまで、コンクリート?の土台が建設されている。
「あの土台は何だ?」俺はルイスに尋ねる。
「はい。建物を建設する基礎で御座います」
成る程…俺がダンジョンコアの魔力で空気を産み出し、人がパワードスーツを着なくても作業が出来る様になったら、あの土台の上に様々な建物を作るのか。
「俺の屋敷は後回して良いから、住民達に必要な住宅や病院を優先的に建設し、住民達を早く移住させろよ!」
「承知しました」ルイスが答えた。
なあ、ガブさん。
ダンジョンコアを設置する場所は、何処が良い?
《はい。マスター。案内します》
俺はガブさんから指示された場所に、ダンジョンコアを設置した。
《マスター。地上が見渡せる様、高い場所。宇宙港の少し下へ移動して下さい》
分かった。
俺はガブさんに言われた通りの場所へ移動する。
ガブさん。
これから何をするんだ?
《はい。マスター。時空間魔法を発動し、惑星内の時間を早めます》
《時空間魔法を発動しますか?YES・No》
YESだ!
《時空間魔法を発動します…操作は出来ません…時空間魔法発動中…操作は出来ません…》
お~!
まるで、録画番組の早送りを見ているみたいだ。
5倍速?
いや、もっと早いか?
ダンジョンコアから水が吹き上がる。
大地に水が降り注ぐ。
すると、今度は大地が緑色に変わって行く。
大地に草が生え、木が上へ上へと伸びて行く。
《時空間魔法を停止します》
《マスター。もう、ダンジョンコアを回収して問題ありません》
もう、終わったの?
《はい。マスター。終了しました。もうパワードスーツを脱いでも問題ありません》
…魔法…恐るべし…
俺はパワードスーツを脱ぐ。
するとバイオレットが「チェスター様!お見事です!」と俺を煽ててくる。
「ルイス!後は頼んだぞ。皆で相談して、住民達の移住を始めろよ!」
「承知しました!」そう言って、ルイスが頭を下げた。




