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ハルベルトは行動を開始する。

私はハルベルト。


第2皇子だ。


現在、第1皇子のゲルハルトと次期皇帝争いをしている最中だ。


先日、チェスターとお茶をした。


私の婚約者エリーゼと、チェスターの婚約ソフィアも一緒だった。


その席でチェスターから、労働者に関する法案を帝国議会に提出する様に提案された。


お茶会からの帰りの車の中で、エリーゼに意見を聞く。


するとエリーゼは、チェスターの考えに賛成だと言う。


そして、この法案を進められるのは、私しかいないと…


確かに、法務長官ルーベンス公爵は、私の叔父だ。


そして、財務長官ボーデン公爵は、エリーゼの父。


エリーゼが言うには、この法案が成立すれば、ゲルハルトを支える新興貴族達の力が弱まり、私が皇帝の椅子に近付く事が出来る。


早く決着を付けた方が、争い事が減り民が喜ぶ。


また、帝国にとっても財政が好転し、良い事だらけだとエリーゼから背中を押された。


法案を提出するには、3名の貴族が連名で提出する必要がある。


法務長官のルーベンス公爵。


財務長官のボーデン公爵。


最後の1名は、国税庁官のボッシュ侯爵が適任だとエリーゼが言う。


エリーゼの父ボーデン公爵と、国税庁官のボッシュ侯爵は、仲があまり良くなかったと記憶している。


帝国が財務難だと言う事もあり、ちょくちょく2人の意見がぶつかり合い、言い争いになっていると、エドワードから報告が上がってくる。


心配になった私は、エリーゼに「本当にボッシュ侯爵で良いのか?」と聞く。


するとエリーゼは「私の父上やルーベンス公爵と仲が良い人間だと、2人が結託し派閥のバランスが崩れてしまいますわ。だから、私の父上やルーベンス公爵とは仲があまり良くなくて、税の減収に頭を痛めているボッシュ侯爵が適任です!」


それから「私はハルベルト殿下に嫁ぐ身。実家の利益よりハルベルト殿下の方を優先して考えるのは、当然の事です!」とエリーゼが言う。


ボッシュ侯爵は、筋金入りの門閥貴族で、頑固者だと評判の人物だ。


暫く考えた私は、エリーゼの意見を聞き入れ、ルーベンス公爵・ボーデン公爵・ボッシュ侯爵の3人に、法案作成の依頼をする事にしたのだった。



★★★★★



東の宮殿に戻った私は、エドワードを呼ぶ。


彼は私の幼馴染みであり、親友であり、側近でもある。


母の実家、ルーベンス公爵に所縁がある伯爵家出身で、母が私の側近として選び抜いた人材だ。


幼い時から実家を離れ、東の宮殿に住まい、私と一緒に育った仲だった。


私はエドワードに「ルーベンス公爵。ボーデン公爵。そして、国税庁官のボッシュ侯爵の3人に集まって貰いたい。エドワード、調整を頼む」


「承知しました」エドワードが答えた。



★★★★★



「忙しい時に集まってもらい感謝する。今日、集まって貰ったのは、法案の作成を依頼したいと思ってからだ」


「法案で御座いますか?」


「ああそうだ。メインの法律は3つ。①ロボットやアンドロイドの使用を制限し、人間の雇用を促進する法律。②労働者の残業時間を制限する法律。③労働者の最低賃金を定める法律。以上の3つの法案を作成し、3名の連名で帝国議会に法案を提出してもらいたい!」


「…成る程!これなら新興貴族どもの資金源を絶ち、弱体化させる事が出来ますな!」と、ルーベンス公爵が言う。


するとボーデン公爵が「財政難が改善されるかも知れませんぞ!ロボットやアンドロイドと違い、人間は買い物をします。しかし市民が買い物をするにはお金が必要。つまり、雇用を増やし市民に収入を得させる…これなら経済が回り出すかも知れません!」


ボッシュ侯爵が「法案で定めた人数を雇用していない商店等には、罰金を科したらどうだ?人を雇えば所得税が納税され、雇わなければ罰金だ。何れにしても帝国に金が入る」


「おお!それは良いな!」


どうやら、3名とも賛成の様でホッとする。


「では、ハルベルト殿下からの依頼を引き受けるに当たって、プロジェクトチームを結成したい。どうだ?」


彼等自身が法案を作成する訳ではない。


実際に法案を作るのは、彼等の部下達だ。


「異義はない。早くせねば、今年の議会に提出が間に合わん」


「宰相府のフリックには、わしから話をしておく」とルーベンス公爵が言う。


3人とも異義は無い様だ。


宰相府次官のフリックから宰相に打診。


そして宰相から内々に皇帝陛下に話を通してもらい、陛下が法案を却下しない様に根回しするのだ。


その後も3名が意見を出し合う。


第1皇子派に打撃を与えられるし、法案成立した暁には、貴族達に一目置かれる。


彼らは名誉を得られるチャンスだ。


後は彼等に任せておけば大丈夫だろう。


こうして秘密裏に、法案の作成作業が進んで行くのであった。

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