海賊基地を制圧する。
俺は旗艦ビスマルクの艦橋に設置されている、豪華な椅子に座っている。
物凄く座り心地が良い。
海賊討伐の指示は、部下達がやるから、俺はやる事が無い。
最高指令官ではあるが、どちらかと言うとお飾り的な感じだ。
それに俺が横から口出しをすると、現場の人間がやり難いだろう。
前世でサラリーマンをしていた時もそうだった。
だから、口出しせず、画面に映る戦況を黙って見ているだけだ。
正直言って暇である。
あくびが出そうなのを何度も我慢した。
暇過ぎて凄く眠い。
もし、皆の前で寝てしまうと、現場の指揮に関わるか…
そう考えた俺は、巨大戦艦の中にある、俺の自室へ戻る事にする。
俺は私兵の宇宙艦隊司令長官ハインリッヒに声を掛ける。
「ハインリッヒ。俺は自室へ行くから、何か問題が発生したら教えてくれ!」
「はっ。承知しました!」
そう言って、ハインリッヒが敬礼をした。
★★★★★
俺は自室に戻り、そして、だらけた。
座り心地の良い、豪華な椅子に座ると睡魔が襲ってくる。
いま、この部屋にいるのは、執事のクレストンだけだ。
バイオレットは連絡係として、艦橋の残した。
部屋の外のドアの前には、護衛のヘルマンが控えている。
俺がうとうとしていると、執事のクレストンが膝掛けを掛けてくれる。
「チェスター様。少しお休み下さい」
クレストンの声を聞いた俺は、眠りに付いた。
★★★★★
「チェスター様!チェスター様!起きて下さい」
バイオレットの声が聞こえる…
目を覚ました俺は「バイオレット。どうした?何かあったか?」と聞く。
「はい!チェスター様。作戦が終了致しました」
「そうか…なら、艦橋へ戻るか…」
俺は艦橋に戻り、再び豪華な椅子に座わった。
「ハインリッヒ。説明を」
「はっ。作戦は無事終了致しました。当方の損害は、陸戦隊員に数名の負傷者がでましたが、命に別状はありません。また、要塞内の宇宙港を抑えた為、脱出した海賊船も無く、艦隊の被害もありません!」
「そうか!それは良かった!それで、今は何をやっている?」
「宇宙港に輸送船を着艦させ、投降した海賊達を輸送船に移しているところで御座います。賞金首だった幹部連中の大部分は、投降を拒否。陸戦隊員に討ち取られましたが、それを見た手下の海賊達は、次々に投降した次第です」
するとバイオレットが「帝国法では、懸賞金が掛かった海賊は、生死の関係無く、帝国へ引き渡せば賞金が貰えます」
「そうか、なら手続きをする様に!」
「承知しました!」
「それから、今後の事ですが、海賊の基地も、海賊船も、海賊達も総て討伐したチェスター様のものとなります。如何しますか?」
「そうだな…要塞は、海賊船を収容したまま、領内へ運べるか?」
「はい。要塞にブースターを設置すれば可能です」
ドンガ達の造船ドッグも、小惑星を改造して作られていた。
ブースターを取り付けて、俺の領地まで移動してきたから、出来ると思っていた。
「それから投降した海賊達だが…どうするかな…」
するとバイオレットが「エラとミアにお任せ頂ければ教育を実施し、領民として第2の人生を歩ます事も出来ますが?」と言う。
「そうなの?なら、そうするか?俺の領地は、人口が少ないからな!でも、大丈夫なのか?犯罪とか起こされると困るんだが?」
「投降した海賊達は、他の貴族なら、奴隷として強制労働をさせ、危険な作業に回して使い潰すか、又は臓器を取り出し、移植が必要な患者へ高値で売り付けます。領民として第2の人生が歩めると知れば、チェスター様を“神”として崇める事でしよう!」
「俺は神では無いが、更生して領民として普通に働いてくれるから、構わないぞ!」
「承知しました!」
「後は、何かあるか?」
「はい!大量の宝石や絵画等の美術品。それから、剣や魔法の杖などが発見されております。それらは、如何しますか?」
「そうだな…鑑定をして、持主が分かる物は持主に返却。それ以外は、美術館にでも送って展示させろ」
「わざわざ、持主に返却するのですか?」
「ああ、そうだ」
「承知しました」
バイオレットが頭を下げた。
拾った物を交番に届けて、持主に返却する。
当然の事なのに、バイオレットは何で不思議な顔をしてるんだ?
《マスター。この世界では、海賊から回収した宝を無償で、持主に返却する人間はいません》
そーなの?
《貴族達からは、何か裏があるのでは無いか?見返りを求められるのでは無いか?と、疑われます》
…まあ、良いか…もう、バイオレットに指示しちゃったし…
☆この後、チェスターから、何の見返りも求められず、家宝の品や思い出の品が届けられた貴族や首都星に屋敷を持つ大富豪達は、チェスターへの“借り”と判断するのであった。
投降した海賊が100万人近くもいるから、輸送船に移すだけでも時間が掛かる。
だから俺は、この場は部下達に任せて、第4惑星を視察する事にする。
護衛として1個艦隊を率いて、旧ホフマン男爵領だった第4惑星へ向かった。




