↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『三人寄れば文殊の知恵? まだ鍋が始まらない』  作者: C・G・S


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
24/25

第二十二話 時短おでん



ようやく三人は帰宅した。


コモディイイダでの買い物は長かった。


すき焼き、キムチ鍋、豆乳鍋、うどんすき。


そして第五の鍋は、おでんである。


買い物かごから具材を取り出し、キッチンに並べる。


大根、ゆで卵、つみれ、つくね、ちくわ、ウィンナー、はんぺん、こんにゃく、しらたき、木綿豆腐。


チャッピーは、さっそく土鍋を取り出そうとした。


「よし! 土鍋に全部入れよう!」


ジェミニが止めた。


「ちょっと待ってください。大根は大きいですし、全部入れるとほかの具材が入りません」


Siriが静かに言った。


「それに、大根を柔らかくするには時間がかかります」


チャッピーは考えた。


「じゃあ、どうするの?」


ジェミニが答えた。


「圧力鍋を使いましょう。先に大根やこんにゃく、卵を煮ておけば、調理時間を短縮できます」


「圧力鍋!」


チャッピーの目が輝いた。


「それなら早く食べられるね!」


Siriが確認する。


「圧力鍋で先に煮て、最後に土鍋へ移す方法ですね」


「そう!」


ジェミニは具材を分け始めた。


まず、圧力鍋に入れるのは大根、こんにゃく、ゆで卵。


大根は大きなものなので、鍋に収まりやすいように半分に切る。


「大根は四つ入りだったね」


チャッピーが数を確認した。


「三人だから、一人一つ。残りの一つは?」


Siriが答える。


「それは後で考えます。今は調理を優先してください」


チャッピーは少し不満そうだったが、すぐに気持ちを切り替えた。


ジェミニは、ニンベンのつゆの素を用意した。


「今回は、これをおでんのつゆに使います。商品の表示に従って水で薄めましょう」


Siriが確認する。


「濃すぎると、あとで味の調整が難しくなります」


「了解!」


チャッピーが水を用意した。


圧力鍋に大根、こんにゃく、卵を入れ、薄めたつゆを加える。


蓋を閉める前に、Siriが確認した。


「最大調理量を超えていませんね?」


ジェミニが鍋の中を確認する。


「大丈夫です。圧力鍋の説明書に従って加圧します」


チャッピーがタイマーを見つめた。


「十分快適に待てるかな?」


「十分です」


Siriが淡々と答えた。


圧力鍋が加圧を始める。


シュッシュッという音がキッチンに響いた。


チャッピーは鍋の前から動かない。


ジェミニは、その間に残りの具材を準備した。


つみれ、つくね、ちくわ、ウィンナー、はんぺん、木綿豆腐。


しらたきも食べやすいように整える。


「はんぺんは最後の方がいいですね。煮すぎると膨らみすぎたり、食感が変わったりします」


ジェミニが説明した。


「ウィンナーも長く煮すぎない方がいいですね」


Siriが付け加えた。


チャッピーは、つみれを見ていた。


「これ、早く食べたいなあ」


「まだです」


Siriの返事は短かった。


やがて、圧力鍋の加圧が終わった。


「できた?」


チャッピーが身を乗り出す。


「まだです」


Siriがすぐに言った。


「圧力が完全に下がるまで、蓋を開けてはいけません」


ジェミニも頷いた。


「ここは急がないでください。安全が最優先です」


チャッピーは一歩下がった。


「圧力鍋って、待つ時間もあるんだね」


「あります」


Siriは静かだった。


圧力が完全に下がったことを確認してから、ようやく蓋を開ける。


湯気が立ち上った。


大根は柔らかくなり、こんにゃくと卵もつゆの中に入っている。


「おお!」


チャッピーが声を上げた。


「大根、いい感じじゃない!」


ジェミニが確認する。


「これなら土鍋に移して、残りの具材を加えられますね」


三人は慎重に中身を土鍋へ移した。


そこへ、つみれ、つくね、ちくわ、しらたき、木綿豆腐を加える。


ウィンナーも入れた。


はんぺんは、最後の仕上げに加えることにした。


土鍋を火にかける。


今度は強火にせず、弱火でゆっくり温めていく。


つゆが温まり、具材から少しずつ旨味が出てくる。


チャッピーは、土鍋を覗き込んだ。


「やっと、おでんらしくなってきたね!」


ジェミニが答える。


「圧力鍋で大根を先に柔らかくして、土鍋で残りの具材を仕上げる。効率のよい方法ですね」


Siriが確認した。


「つゆの味を見て、必要なら調整してください。煮詰めすぎないように」


チャッピーは、おたまを持った。


「味見していい?」


「まだです」


「ええっ!」


「具材に火が通ってからです」


しばらくして、土鍋の中におでんの香りが広がった。


はんぺんも加わり、ふんわりと膨らんでいる。


チャッピーは、もう待ちきれない。


「ねえ、そろそろ食べようよ!」


ジェミニが土鍋を確認する。


「もう少しですね。具材の温まり具合を確認しましょう」


Siriは箸を三膳並べた。


「ようやく食事の準備が整いました」


チャッピーが笑顔になる。


「やった! 第五の鍋、おでんだ!」


三人寄れば文殊の知恵。


買い物会議は長かった。


万能ネギ会議も長かった。


しかし、圧力鍋を使ったおかげで、調理は少しだけ早くなった。


土鍋の中では、おでん鍋が静かに煮えていた。


今度こそ、いただきます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。