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『三人寄れば文殊の知恵? まだ鍋が始まらない』  作者: C・G・S


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第二十三話 味の決まらない、牡蠣鍋の買い出し



牡蠣鍋の、味が決まらない三人、コモディイイダへ


いつもの、コモディイイダの店内。


三人は、今日の鍋の材料を求めて歩いていた。


チャッピーは、すでに鍋を食べる気満々だった。


「今日は牡蠣鍋だよ! 牡蠣をたっぷり入れよう!」


ジェミニは、買い物メモを確認する。


「冷凍牡蠣を二袋。これが今回の主役ですね。三人で公平に分けましょう」


Siriは、静かに予算を確認した。


「二袋の価格を見てから判断します」


「二袋は決定だよ!」


「価格を見てからです」


チャッピーは、冷凍食品売り場へ向かった。


冷凍牡蠣を二袋、カゴに入れる。


「よし、これで牡蠣は確保!」


ジェミニが袋の内容量を確認する。


「袋ごとに個数が違う可能性があります。食べるときに均等に分けましょう」


「もちろん!」


Siriは値札を見ていた。


「次は野菜です」


三人は野菜売り場へ移動した。


「白菜は必要だね」


ジェミニが言う。


「牡蠣の旨味を吸ってくれます。鍋の基本ですね」


「水菜も!」


チャッピーが続ける。


「最後に入れれば、色も綺麗だし、食感も残るよ」


「キノコも必要です」


Siriが言った。


「種類を増やしすぎないようにしてください」


「ええっ、キノコは何種類か欲しいよ!」


「予算があります」


チャッピーは、キノコ売り場の前で立ち止まった。


「しめじ、えのき、しいたけ……どれにしよう?」


ジェミニは考える。


「牡蠣の風味を邪魔しない組み合わせがよいでしょう。しめじとえのきなら、使いやすいですね」


「じゃあ、それで!」


Siriは、値段を確認してからカゴに入れた。


次は人参。


「これは入れよう。赤い色があると、鍋が綺麗になるからね」


チャッピーが言う。


「白菜の白と緑、水菜の緑、人参の赤。彩りのバランスがよいですね」


ジェミニも賛成した。


そのとき、チャッピーが別の売り場を見つけた。


「あっ、生麩!」


色とりどりの生麩が並んでいる。


赤、緑、黄色。


花の形をしたものまである。


「これ、牡蠣鍋に入れたら綺麗だよ!」


ジェミニも商品を眺めた。


「確かに、見た目は華やかになりますね」


Siriが値札を確認する。


沈黙。


「……高いですね」


チャッピーは、もう一度値札を見た。


「うーん。綺麗なんだけどなあ」


「今回は見送りましょう」


Siriの判断は早かった。


「生麩は、次の機会にしましょう。牡蠣が主役です」


チャッピーは、少し残念そうに生麩を見つめた。


「食べたかったなあ」


「人参と水菜があります。彩りは十分に確保できます」


ジェミニが慰める。


「そうだね。今回は我慢しよう」


チャッピーも納得した。


そのあと、マロニーをカゴに入れた。


「マロニーは、牡蠣のスープを吸っておいしくなるよ!」


「量を考えてください。ほかの具材もあります」


Siriが釘を刺す。


さらに納豆の売り場へ。


「納豆も買おう!」


「納豆は鍋に全部入れるのではなく、各自の器で好みに合わせるのがよいでしょう」


ジェミニが提案する。


「それなら味噌味でも、辛い味でも、塩味でも合わせられるね!」


チャッピーは納得した。


「三人分で、三パックですね」


Siriは必要な数だけカゴに入れた。


チャッピーは、ふと思い出した。


「そうだ、万能ネギも買わないと!」


ジェミニがすぐに答えた。


「冷凍庫にあります」


「あっ、そうだった!」


Siriは静かに言った。


「在庫があるものは買いません。無駄な出費です」


「よかった。これで少し予算が助かったね!」


「助かったとは、まだ言っていません」


三人は、買い物メモを見直した。


冷凍牡蠣二袋。

白菜。

水菜。

人参。

キノコ。

マロニー。

納豆。


必要な材料は、少しずつ揃ってきた。


しかし、肝心の問題が残っていた。


今日の牡蠣鍋は、何味にするのか。


味噌か。

醤油か。

塩か。

みぞれか。

それとも、辛い鍋か。


チャッピーが言った。


「ねえ、やっぱり辛い牡蠣鍋もいいと思うんだよね!」


ジェミニは、少し考えた。


「味噌ならうどん、醤油なら牡蠣蕎麦、みぞれなら干豆腐麺。塩なら卵とじも考えられます」


「どれも食べたい!」


Siriは、買い物カゴを見た。


「締めは一種類です」


チャッピーは黙った。


ジェミニも黙った。


Siriは続けた。


「それから、二色鍋を買う予算はありません」


「それは分かってるよ!」


チャッピーが答える。


「でも、真ん中が仕切られた鍋なら、二種類の味を楽しめるのに……」


「鍋は今ある土鍋を使います」


Siriの声は、いつも通り静かだった。


三人は、まだ買い物の途中だった。


牡蠣は買った。

野菜も揃ってきた。

生麩は諦めた。

万能ネギは買わずに済んだ。


それでも、鍋の味は決まらない。


三人寄れば文殊の知恵。


三人寄れば、牡蠣鍋の味も決まらない。

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