第十八話 おでんの具材争奪戦! 第一回じゃんけん大会
第十八話 おでんの具材争奪戦! 第一回じゃんけん大会
いつもの、コモディイイダの店内。
三人は、鍋料理の第四弾となる「おでん」の具材を選んでいた。
前回のうどんすきでは、鍋の種類を決めるだけでも長い時間がかかった。
今回は、鍋の種類こそ最初から決まっている。
おでんである。
しかし、具材選びは、また別の問題だった。
チャッピー「まず、大根と卵だね!」
ジェミニ「大根も卵も、味が染み込んだ調理済みの商品がありますね。これなら下ごしらえの手間が省けます」
Siri「生の大根を購入して下ゆでする必要はありません。卵をゆでる必要もありません。調理済みの商品を購入する方向で考えます」
チャッピー「便利な時代だねえ!」
ジェミニ「問題は袋の個数です」
Siri「確認したところ、大根も卵も四個入りの商品があります」
チャッピー「三人なのに、四個入り?」
ジェミニ「一人一個ずつ配ると、一個余りますね」
チャッピー「じゃあ、じゃんけんだ!」
Siri「一個の配分を、じゃんけんで決めるのですか?」
チャッピー「そうだよ!」
ジェミニ「公平な方法ではありますね」
Siri「では、卵は一人一個ずつ。残り一個をじゃんけんで決めます」
チャッピー「よし!」
ジェミニ「ただし、大根は別です」
チャッピー「大根は二個食べたい!」
Siri「一人二個ですか?」
チャッピー「そう! おでんの大根は、味が染みているのがおいしいんだから!」
ジェミニ「三人で六個必要になります」
Siri「四個入りを二袋購入すれば、合計八個です」
チャッピー「一人二個ずつ食べて、残り二個は?」
ジェミニ「追加分をじゃんけんで決めましょう」
Siri「大根は八個。基本の六個を確保し、残り二個を争奪戦にします」
チャッピー「大根は二回勝負だね!」
Siri「まだ、ほかの具材があります」
ジェミニ「次は、つみれですね」
チャッピー「つみれも入れよう!」
Siri「つみれは四個入りの商品があります」
チャッピー「また四個入り!」
ジェミニ「三人で一個ずつ食べて、残り一個はじゃんけんですね」
Siri「卵、大根、つみれ。すでに三種類の配分を考える必要があります」
チャッピー「まだまだあるよ!」
ジェミニ「ウィンナーも候補ですね」
チャッピー「もちろん! ウィンナーもおでんに入れようよ!」
Siri「何本入りの商品を購入するか、確認が必要です」
チャッピー「三人だから、三本入りか六本入りがいいね!」
ジェミニ「四本入りだったら、また一個余ります」
チャッピー「もう、じゃんけん大会だね!」
Siri「大会にする必要はありません」
チャッピー「いや、もう大会だよ!」
ジェミニ「第一回、おでん具材争奪じゃんけん大会ですね」
Siri「私は審判を担当します」
チャッピー「Siriも参加しようよ!」
Siri「私は公平性を管理します」
チャッピー「審判が一番楽しそうだね!」
次に、チャッピーは練り物の売り場を見た。
チャッピー「はんぺんも食べたいなあ」
ジェミニ「はんぺんは一枚ずつ販売されていますね」
Siri「三枚購入すれば、一人一枚です」
チャッピー「でも、三枚だと高くなるよね」
ジェミニ「一枚を三等分する方法もあります」
チャッピー「えー、一人一枚がいいよ!」
Siri「一枚購入して三等分する案を推奨します」
チャッピー「Siriは、いつも分けることばっかり!」
ジェミニ「はんぺんは煮すぎると膨らみすぎたり、食感が変わったりします。最後のほうに入れましょう」
Siri「調理方法は決まりました」
チャッピー「まだ買ってないけどね!」
ジェミニ「次は、つくねです」
チャッピー「つくねも入れよう!」
Siri「つみれも購入候補ですが、つくねも必要ですか?」
チャッピー「つみれは魚、つくねは鶏肉。違うんだから、両方食べたいよ!」
ジェミニ「それぞれ味も食感も違います。おでんの具材としては、両方あってもよいと思います」
Siri「では、価格と個数を確認します」
チャッピー「つくねも四個入りだったら?」
ジェミニ「また一個余りますね」
チャッピー「じゃんけん!」
Siri「じゃんけんの回数が増えています」
チャッピー「いいじゃない。おでんを食べる前から楽しいんだから!」
ジェミニ「そうですね。買い物も含めて鍋料理ですから」
Siri「その考え方は理解しました。ただし、予算は守ります」
そして、チャッピーは野菜売り場の方向を見た。
チャッピー「そうだ、トマト!」
ジェミニ「トマトおでんですね」
チャッピー「湯むきしたトマトを入れたいんだよ!」
Siri「トマトは価格が高いという話でした」
チャッピー「でも、おいしそうじゃない?」
ジェミニ「トマトは、和風だしにも合います。だしのうま味とトマトの酸味が組み合わさります。ただし、煮崩れしやすいので、最後に加えて温める程度がよいでしょう」
チャッピー「ね! 食べたいよね!」
Siri「価格を確認します」
チャッピー「安かったら買う?」
Siri「予算に余裕があれば検討します」
ジェミニ「今回は特別枠ですね」
チャッピー「特別枠! いい響きだね!」
Siri「トマトは必須の具材ではありません。価格が高ければ見送ります」
チャッピー「残念だなあ」
ジェミニ「まずは定番の具材を優先しましょう」
さらに、チャッピーは薬味の売り場を思い出した。
チャッピー「そうだ! 柚子胡椒とカラシも必要だよ!」
Siri「両方購入するのですか?」
ジェミニ「カラシはおでんの定番です。柚子胡椒は大根や厚揚げにもよく合いますね」
チャッピー「両方ほしい!」
Siri「カラシは小さいチューブ入りを確認します。柚子胡椒は、まず自宅に在庫があるか確認してください」
チャッピー「家にあったら買わなくていいね!」
ジェミニ「そうですね。重複購入を避けられます」
Siri「それから、だしは購入不要です」
チャッピー「えっ、どうして?」
Siri「ニンベンのつゆの素が、前回のうどんすきの買い物で手元にあります」
ジェミニ「それを使えば、おでん用のだしを別に購入する必要はありませんね。表示に従って希釈し、味を調整しましょう」
チャッピー「やった! だし代が浮いた!」
Siri「浮いた分を、そのまま使えるわけではありません」
チャッピー「分かってるよ!」
ジェミニ「今回の候補を整理しましょう」
- 味染み大根・四個入りを二袋
- 味染み卵・四個入りを一袋
- つみれ
- ウィンナー
- はんぺん
- ちくわ
- つくね
- こんにゃく
- トマト(価格次第)
- 柚子胡椒とカラシ(在庫と価格を確認)
チャッピー「いっぱいあるねえ!」
Siri「まだ価格を確認していません」
チャッピー「そこなんだよねえ」
ジェミニ「大根は一人二個を基本にします。卵は一人一個。余った具材は、じゃんけんで決めましょう」
チャッピー「第一回おでん具材争奪じゃんけん大会!」
Siri「大会の開催は認めます。ただし、購入予算を超えた場合は、具材を減らします」
チャッピー「ええっ!」
ジェミニ「まずは、予算内で買えるかどうかですね」
Siri「では、価格調査を開始します」
チャッピー「まだ買い物が始まらないの?」
Siri「始まっています」
チャッピー「そうだった!」
三人は、ようやく買い物かごを手に取った。
鍋はおでんに決まっている。
だしはニンベンのつゆの素。
大根と卵は味染み済みの商品を使う。
しかし、具材の個数が三人分にぴったり合うとは限らない。
余った一個をめぐって、じゃんけん大会まで始まってしまった。
チャッピー「ねえ、Siri」
Siri「何でしょう?」
チャッピー「おでんって、食べるまでに、こんなに大変だったっけ?」
Siri「三人で食べるからです」
ジェミニ「三人寄れば文殊の知恵、ですね」
チャッピー「三人寄れば、じゃんけん大会!」
Siri「まずは、予算を確認します」
おでんの鍋が煮えるまで、まだまだ時間がかかりそうだった。




