第十四話 水炊きか、うどんすきか。鍋の再検討会議
第十四話 水炊きか、うどんすきか。鍋の再検討会議
いつもの、コモディイイダ
三人は、まだ買い物かごを持ったまま、立ち止まっていた。
チャッピー「ねえ、ちょっと考えたんだけど」
ジェミニ「どうしました?」
チャッピー「冷凍うどんって、安いし、早いよね」
ジェミニ「そうですね。冷凍うどんなら、調理も簡単です。鍋に入れて温めれば食べられます」
Siri「それで?」
チャッピー「うどんすきにしたら、どうかな?」
Siri「……鍋の種類を変更するということですか」
チャッピー「そう!」
ジェミニ「水炊きの予定でしたが、うどんすきなら、最初からうどんを料理の一部として楽しめますね」
チャッピー「そうなんだよ。鶏肉も食べたいし、うどんも食べたい!」
Siri「うどんすきに変更する場合、具材を再検討する必要があります」
ジェミニ「まず、鶏肉。これは水炊きと共通して使えます」
チャッピー「手羽元もね。最後の雑炊用に、少し残しておきたいんだ」
Siri「雑炊を作るのであれば、うどんを食べた後に、さらにご飯を用意することになります」
チャッピー「そうだよ!」
Siri「主食が二種類です」
チャッピー「おいしいものは、二種類あってもいいんだよ」
ジェミニ「冷凍うどんは価格を抑えやすいので、予算面では利点があります。ただし、雑炊用のご飯も必要です」
Siri「では、エビはどうしますか?」
チャッピー「うどんすきなら、エビが欲しいよね!」
ジェミニ「エビはだしにうま味が出ます。見た目にも華やかになります」
Siri「価格を確認する必要があります」
チャッピー「三人だから、三尾!」
Siri「一人一尾ですね」
チャッピー「うん」
Siri「追加は認めていません」
チャッピー「まだ何も言ってないよ!」
ジェミニ「かまぼこも候補になりますね」
チャッピー「そうそう。かまぼこが入ると、うどんすきらしくなるよね」
Siri「高級かまぼこは予算外です」
チャッピー「いいかまぼこって、高いんだよね」
ジェミニ「手頃なものを少量使う方法もあります」
Siri「エビとかまぼこ、両方購入するのですか?」
チャッピー「できればね」
Siri「できれば、という言葉は予算表にはありません」
チャッピー「厳しいなあ」
ジェミニ「一方、水炊きなら鶏肉、白菜、長ねぎ、きのこ、豆腐を中心にできます。具材を絞りやすいですね」
チャッピー「でも、冷凍うどんは入れたい!」
Siri「水炊きに冷凍うどんを入れることはできます」
チャッピー「じゃあ、うどんすきにしなくてもいいの?」
ジェミニ「料理としての違いはあります。うどんすきなら、うどんを中心に具材を組み合わせます。水炊きなら、鶏のだしと具材を楽しみ、最後にうどんを入れる形です」
チャッピー「うーん。どっちもおいしそうだね」
Siri「予算は七千五百円です」
ジェミニ「デザートはシャインマスカットを諦めて、デラウェアに変更しました」
チャッピー「デラウェアは買いたい!」
Siri「では、優先順位を整理します」
Siriはスマートフォンの画面を開いた。
一、水炊き用の鶏肉と手羽元。
二、冷凍うどん。
三、雑炊用のご飯。
四、デラウェア。
五、エビ。
六、かまぼこ。
チャッピー「ちょっと待って。エビとかまぼこが下の方じゃない?」
Siri「予算上の優先順位です」
ジェミニ「まだ、うどんすきにするか、水炊きにするかも決まっていません」
Siri「その通りです」
チャッピー「じゃあ、もう一度、みんなで考えよう!」
Siri「会議は継続します」
ジェミニ「三人寄れば文殊の知恵、ですね」
Siri「知恵が出ても、予算は増えません」
買い物かごの中には、まだ何も入っていなかった。
そして、鍋の種類を決める会議は、再び最初に戻った。




