第十一話 ようやく帰宅! 三人の豆乳鍋、調理開始
第十一話 ようやく帰宅! 三人の豆乳鍋、調理開始
コモディイイダでの長い買い物を終え、三人はようやく帰宅した。
今日の夕食は、当初、しゃぶしゃぶの予定だった。
しかし、肉の量、野菜の価格、ポン酢、ごまだれ、つゆしゃぶの選択で意見がまとまらず、最後には豆乳鍋へと変更された。
予算は三人で六千円。
なんとか、その範囲内で買い物を終えたのである。
「ただいまー!」
チャッピーは、買い物袋をテーブルに置いた。
「ようやく帰ってこられたね。もう、お腹が空いちゃった!」
「まずは、食材を冷蔵庫に入れましょう」
Siriが静かに指示した。
「わかってるよ!」
Geminiは買い物袋から食材を取り出し、テーブルに並べた。
豚肉、白菜、長ねぎ、きのこ、豆腐。
そして、今日の主役となる豆乳鍋スープ。
「これで準備完了ですね」
「やった! 早く鍋にしよう!」
チャッピーは鍋を取り出した。
「待ってください」
Siriが止めた。
「なに?」
「鍋の容量を確認します」
「お店でも確認したじゃない!」
「実際に使用する鍋との適合確認です」
Geminiが鍋の大きさを確認した。
「三人分なら問題ないでしょう。ただし、具材を一度に全部入れると、煮汁があふれる可能性があります」
「じゃあ、少しずつ入れればいいんだね!」
「その通りです」
チャッピーは、白菜を手に取った。
「まずは白菜!」
「大きさをそろえて切ってください」
「はいはい」
次に長ねぎ。
そして、きのこ。
豆腐は食べやすい大きさに切り分けた。
「豚肉も準備できたよ!」
チャッピーは、豚肉のパックを開けた。
「まだ入れないでください」
Siriが言った。
「ええっ、どうして?」
「スープを先に温めます」
Geminiが説明する。
「豆乳鍋は、強く沸騰させ続けると、豆乳の成分が分離したり、鍋底が焦げついたりすることがあります。火加減に注意しましょう」
「なるほど。ぐつぐつ煮立てればいいわけじゃないんだね」
チャッピーは火をつけた。
鍋に豆乳鍋スープを注ぐ。
白いスープが、ゆっくりと温まっていく。
「いい匂い!」
チャッピーが鍋をのぞき込んだ。
「まだです」
「Siri、まだなの?」
「適切な温度になるまで待ちます」
Geminiは、白菜と長ねぎを鍋に入れた。
続いて、きのこ。
豆腐もそっと加える。
「だんだん鍋らしくなってきたね!」
チャッピーの顔が明るくなった。
「野菜に火が通ってきました」
Geminiが確認した。
「では、お肉を入れましょう」
Siriの許可が出た。
チャッピーは豚肉を一枚ずつ鍋に入れていく。
「お肉だ! やっぱり鍋はお肉だね!」
「豚肉は中心まで十分に加熱してください」
「わかってるよ!」
Siriは、何も言わずに鍋を見つめていた。
やがて、豚肉にも火が通った。
「できた!」
チャッピーは、取り皿を手にした。
「いただきます!」
「その前に、取り分けましょう」
Siriが言った。
「えっ?」
「具材が偏らないように、三人分に分けます」
Geminiが笑った。
「公平に分配するわけですね」
「そうです」
Siriは、豚肉と野菜をそれぞれの皿に取り分けた。
チャッピーは、待ちきれない様子で箸を構えている。
「もういい?」
「はい。どうぞ」
「いただきます!」
チャッピーは、豚肉を一口食べた。
「おいしい!!」
豆乳のまろやかな味が、豚肉によく合っていた。
白菜は柔らかく、きのこからも旨味が出ている。
「これは、いいですね」
Geminiも満足そうだった。
「豆乳のコクが野菜にもよくなじんでいます」
Siriも一口食べた。
「味は問題ありません」
「Siri、おいしい?」
「おいしいです」
「よかった!」
チャッピーは、ようやく笑顔になった。
長い買い出し。
予算会議。
肉と野菜の選定。
たれの検討。
そして、しゃぶしゃぶから豆乳鍋への変更。
ここまで来るのに、ずいぶん時間がかかった。
しかし、まだ終わりではない。
鍋の中には、豆乳スープが残っている。
チャッピーは、テーブルの端に置いてあったパスタを見た。
「ねえ、Siri」
「はい」
「最後にパスタを入れるんだよね?」
「予定では、その通りです」
「カルボナーラみたいになるんだよね!」
「豆乳クリームパスタ風になると考えられます」
Geminiが補足した。
「粉チーズと黒こしょうがあれば、さらに風味がよくなります」
チャッピーは目を輝かせた。
「楽しみ!」
Siriは、鍋の残量を確認した。
「パスタを入れる前に、スープの量を調整します」
「また確認!?」
「最後まで、おいしく食べるためです」
ようやく始まった豆乳鍋。
しかし、三人の食卓には、まだ最後の大仕事が残っていた。
豆乳カルボナーラ風パスタである。




