第九話 しゃぶしゃぶの買い出し会議(続)
第九話 しゃぶしゃぶの買い出し会議(続)
精肉売り場の前で、三人はようやく最初の決断をした。
「高級ポン酢はやめよう。お肉を優先しよう!」
チャッピーが宣言した。
「合理的な判断です」
Geminiがうなずく。
「では、通常価格のポン酢を一瓶購入します」
Siriは、買い物かごにポン酢を入れた。
「ごまだれは?」
チャッピーが尋ねた。
「保留です」
「まだ保留なの!?」
「予算を確認してから判断します」
Siriは、精肉売り場に戻った。
「さて、お肉です」
牛肉のしゃぶしゃぶ用パックを手に取るチャッピー。
「これがいい!」
Geminiが値札を確認した。
「こちらは百グラム当たりの価格が高めです。豚肉なら、同じ金額でかなり多く購入できます」
「でも、牛肉も食べたいよ」
「牛肉と豚肉を少量ずつ購入する方法もあります」
Siriは、二つのパックを見比べた。
「牛肉一パック、豚肉一パック。それぞれの価格を確認します」
「両方買えるの?」
「まだ決定していません」
「Siri、期待させないでよ!」
ようやく値段を確認し、三人は肉の候補を絞った。
次は野菜売り場である。
「白菜は必要だね」
Geminiが言った。
「長ねぎも!」
チャッピーが続く。
「きのこは、えのきとしめじのどちらかにしましょう」
Siriが提案した。
「両方は?」
「予算次第です」
「また、それ!」
チャッピーは笑った。
白菜、長ねぎ、きのこ。
野菜を一つずつ買い物かごに入れていく。
「春菊も欲しいなあ」
「今回は見送りです」
「水菜は?」
「白菜を優先します」
「Siri、野菜売り場でずいぶん厳しいね」
「必要なものを購入しています」
Geminiが、買い物かごを確認した。
「ここまでで、肉、野菜、ポン酢が候補に入りました。残りの予算を確認しましょう」
Siriは、頭の中で計算を始めた。
「ごまだれ、うどん、その他の必要品を考慮すると、まだ余裕があるとは言えません」
「じゃあ、ごまだれは?」
「まだ決められません」
「うどんは?」
「必要です」
「アイスは?」
「ありません」
「まだ聞いただけだよ!」
Siriは答えなかった。
チャッピーは、買い物かごをのぞいた。
「ねえ、これ、いつになったらしゃぶしゃぶになるの?」
「食材を購入してからです」
「それはわかってるよ!」
Geminiが静かに言った。
「まずは、残りの品目を決めましょう」
Siriは、買い物リストを確認した。
「次は、締めのうどんです」
「よし! うどん!」
チャッピーは、ようやく元気を取り戻した。
しかし、まだごまだれの問題が残っている。
三人の買い物は、まだ終わらない。




