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真実を知るお姫様


「猫神バステト様は転移の使い魔です」


この黒猫ちゃんがどうやら

アリーを異世界へ連れて帰ってしまうようだ。


翌日になり、ついに身支度も終えたアリエル。


甘いお菓子を食べると魔力を蓄えられるそうで

ハルカがずっとおやつをあげていたのは

魔力供給のためだそう。


「挨拶を済ませたらいくぞ?」


この黒いゴスロリ少女はただの幻影で

触れたりもできず、私たちとコミュニケーションを

取るために見せているだけらしい。


「ええ。アカネ。お世話になりましたわ。

遠く離れてもアリーとアカネの愛は変わりません」


「うん。ありがとうアリー。元気でね」


「アカネ様......。素敵な思い出を

たくさんありがとうございました」


やっぱりまたハルカだけは涙を抑えきれず

ボロボロと泣き出してしまった。


「笑顔で見送るつもりだったのに......

ふふ。ハルカも元気でね。」


「......ハルカ。よしよしですわ」


「アリエル様も本当にありがとうございました。

私は幸せ者でございます」


「アリーも貴女と居れて幸せよハルカ」


「はい!アリエル様......お元気で!」


「......ん?」


「......ハルカ?」


見ていた黒猫が語り出す。


「アリエル姫よ。うさぎにも挨拶を済ませよ」


「......え?」


「......!?」


「アリエル様。私もここでお別れでございます」


「......え?ハルカ?どういうことですの?」


「私は日本で1年間、

アリエル様にお仕えするために

女神様より創られた存在でございますので

私の命もここまでなのです」


「......え?何を言っているのハルカ......」


「女神様とのそういう約束なのです......」


「......え!......え!?

ちょっと猫!どういうことですの!」


「そのままの意味じゃ。

早い話がアリエル姫を

また元の世界に戻す為の媒介としてその

うさぎの命を使う」


「......え!ちょっと待って!」


私は口を挟んでしまう。


「アリーはその事を知らず、

ハルカは知っていたのに黙っていたの!?」


「はい。アカネ様。アリエル様......。

黙っていて申し訳ございません」


「な、何を言っているのハルカ!

ダメですわ!そんなこと認めません!」


「異世界の転移とはそういうものじゃ。

魔物1匹の命で異世界を行き来させておる。

虫ケラの命じゃ。安いもんじゃろ」


「......ちょ!」


「......猫!失礼な言い方は許しませんわ!」


「なんじゃ?アリエル姫。

お前がいつも言うてたことじゃろうが。

人や魔物の命など虫ケラ同然だと。」


「......!」


「牛や豚、家畜の命と何か変わるのか?

うさぎの獣人は魔物じゃ。

春の精霊は居場所を失い

勝手に離れてどこかへ行くので気にするな」


「......そ、そんな......ハルカはどうなるの!?」


「ここで、死ぬ。そしてアリエル姫は無事

自分の世界へ帰る。それだけじゃ。

最初からその為にそのうさぎはここにきておる。」


「だ、ダメですわ!

そんなことアリーが許しません!」


「......アリエル様......

女神様から口止めされていたとはいえ

黙っていて申し訳ございません......

ですが、これで良いのです。

私は任務をまっとうできました。

アカネ様とともにアリエル様と

素敵な1年を過ごせたことを誇りに思います」


「......ハルカ!あなた......だから

ずっと泣いていたのですね......」


「......ばかハルカ!」


私とアリーはハルカを抱きしめる。


「アリエル様。アカネ様。

ハルカは幸せでございます。

ハルカはお2人を......」


「ハルカ!」


「ハルカ!」


「心より愛しております」


「うわぁぁぁ......!」


ついに泣き出してしまったアリエル。


......そんな......


アリエルとハルカも、ここでお別れなんて

どうにかならないの?


「魔物1匹の命。虫ケラと変わらん。

せいぜいペットじゃ。さぁ殺すぞ」


「......!猫!やめなさい!」


アリーを、煽るような言い方。


「アリエル様。これで良いのです。

これが元々私のツトメなのでございます」


愛を知るために日本で勉強するために

アリエルはここに来たのに

こんなの......絶対おかしい......!


違和感しかない。

私は黒猫の前に出た。


「命が1つ必要なのであれば!

ハルカではなく私の命を使ってください!」


「......アカネ様!?」


「アカネ!バカなことを言うのではありません!」


「.....ほう?」


「同じ虫ケラの命でしょう!

さぁ!代わりに私を殺しなさい!

ハルカの命を奪わないで!!」


「アカネ様!いけません!」


「アカネ!やめて!」


「.....」


「アカネもやめなさい!

こんなことならもう

アリーは日本に残りますわ!

もう帰りません!!」


私たち3人は泣きながら

抱き合いながら

黒猫に立ちはだかる。


「ハルカもアカネも!

絶対にアリーが守ります......!!」


「......」


こんな酷い話ないよ......。


ハルカもまた泣き出してしまった。


「......ふむ。合格じゃ。」


「......!?」


「......猫?」


「......?」


「今回の課題。

愛を知り、四季の彩りを経て

時間の大切さと

命の尊さを学ぶこと。」


「......」


「......?」


「もし、アリエル姫が

このままハルカを見殺しにして、

自分だけ国へ帰る決断をしたら

アリエル姫を連れて帰ってこなくて良いと

女神から言われておった。」


「......!」


「課題は見事に合格じゃよ。

アリエル姫はしっかり課題をクリアしたと

報告しよう」


「......猫!試したのね!酷いですわ!」


「課題をクリアできているかの判断じゃ。

吾輩も任務なので許せ」


「てことは......ハルカは死ななくて済むのね?」


「え!ほんとに?」


よかった......

試験のための話だったんだ......!


私たち3人は改めて抱き合う。


「ハルカ......!ハルカ......!」


「うえぇえんアリエル様!アカネ様ぁ......!」




「......うむ。課題は合格じゃ。

よって、うさぎの、命を媒介にして

転移をするぞ」


「......え?」


「......ん?異世界転移に

うさぎの命を使うのは変わらんぞ?」


「......」


「......」


「......」







ええええ〜〜〜〜!!??













読んでいただきありがとうございます!


もし少しでも面白いな、

続きが気になるなと

思っていただけましたら

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