テーマパークとお姫様
私とアリーとハルカ、
そしてマネージャーとキララの5人で卒業旅行を
兼ねてみんなでテーマパークへやってきた。
私たちとしてはクリスマスに
行きそこねたリベンジであり、
マネージャーが生粋のディズニーオタクとのことで
何やらプレミアム会員の特典をつけて
みんなで遊べるらしく
甘えさせてもらうことにしたのです。
___これがみんなで過ごす最後の思い出となる。
今日は3月30日。
明日
アリエルたちは自分の世界へ帰る。
「あれに乗りたいですわ〜♪」
アトラクションに夢中なアリエル。
「うんま!うんま!」
食べ歩きのチュロスに夢中なハルカ。
「すごいはしゃいでるね〜あはは♪」
2人をみて楽しんでるキララ。
「マネージャーほんとありがとうございます〜」
「いえいえ〜キララさんもしばらく休暇
とれていなかったのでちょうどよかったんすよ〜」
「そう言っていただけるとありがたいです〜」
マネージャーはほんとに気遣いもできるし
それでいて誰よりも常にニコニコしていて
みんなのフォローと盛り上げに徹している。
太鼓持ちというか、接待と言うべきか......
こういうタイプの仕事のできる人というのは
私は初めて会ったのでとても勉強になる。
前職がカウンセリングの仕事か......すごいな。
サブキャストの役者の立ち回りと似ているのです。
「どうかしましたか?
アカネさんもラクに楽しんでくださいね♪」
「は、はい!ありがとうございます!」
この人がマネージャーで本当によかった。
私は自分の将来をこの人に任せようと
心から思えた。
「そしてアリエル様はお美しい。
見てるだけでヨダレが出る。
ハルカちゅわんは超可愛くてナイスバディ。
お給仕も心遣いも最高級。
こんな2人と一緒に過ごせて私は
本当に幸せなのだ......」
......。
「......ハルカ?何を言っているの?」
「アカネ様の脳内ナレーションごっこですよ?」
「ハルカ〜!調子に乗るな〜!」
「きゃぁ♪逃げろ〜♪」
相変わらず四足歩行で走り出す
このうさ耳メイドは
私に追いかけられるのが
楽しくてからかってくる。
まったく......
知ってるわよ
ハルカが可愛いことくらい。
ほんとにこの1年あっという間だった。
偶然近所の公園で出逢ってしまってから
色んなことがあって
色んな所へ行って
それぞれ色んな思いで過ごして......
私の就職も無事決まり
アリエルの日本での課題も
きっとクリアできていることだろう。
明日は笑顔で
送り出してあげよう。
湿っぽいのはもう散々やった。
最後は笑って送ってあげたいんだ。
散々遊んだ私たちは
夜に解散となる。
「姫様、ハルカちゃん、元気でいてくださいね!」
アリエルちゃんねるのファンでもある
マネージャーは名残惜しそうに
2人と挨拶をしている。
「アカネのことよろしくお願いしましてよ」
「アカネ様はすぐにぴーぴー泣くので大変ですけど
良い奴なんで良くしてあげてください♪」
「ふふ。わかりました♪」
「アカネは私のライバルとして育てますから♪」
キララは私を過剰評価しすぎな気がするが
アリーとハルカに代わって
私は今後この2人にお世話になることになるのだ。
マネージャーとキララと別れた私たちは
ゆっくり歩きながら家路に着く。
「2人は異世界へどうやって帰るの?」
「お迎えが来ますわ」
「というか、もう、来ています」
「......え!そうなの!?」
家に着いた私たち。
「にゃー」
アパート前に居着いている黒猫ちゃん。
私の部屋の前でゴロゴロしている。
「アカネ。部屋に入れてあげてもよろしくて?」
「......え」
「......この子が、そうですわ」
「......うん。わかった......」
部屋の中に黒猫ちゃんを招き入れる。
「猫の姿をしていますが、
この子が女神様の使い魔です」
「......!」
「日本でのわかりやすい言い方で言うと
【天使】と言うのが近いですわね」
そうか......
もうとっくに様子見を兼ねて
この世界へ来ていたんだ。
すると
私の目の前に
黒いゴスロリ服に身を包んだ
小学生くらいの小さな可愛い女の子が現れた。
月夜に照らされ
金色に光る瞳を持つその少女は
私に向かって
クスっと笑いながら
妙な一人称で
喋ったのだ。
「......吾輩が、猫である」
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