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卒業とお姫様


約2週間の舞台公演は

アンコール上演1日を追加され

千秋楽を迎えた。


大ヒットとなったこの舞台は

アカネの名を日本中に知らしめ

あの三千院キララを脇役にさせた

本物の舞台女優として

一躍時の人となった。


雑誌インタビューから

テレビ出演

動画配信のゲストなど

アカネの芸能界デビューは華々しく

大成功をおさめた。


そして舞台千秋楽終了と共に

アカネは大学の卒業式も迎える。


「アカネさんおめでとうございます!」


「アカネさんとレイナさんよ〜♪素敵☆」


奮発して買った振袖に身を包んだ私は

レイナと共に在学生から見送られていた。


演劇サークルの後輩の子達がメインではあるが

今では大学の在学生全員から称えられている。


「......華を飾れてよかったわね」


「レイナもね。ありがとう。」


「次の舞台公演招待しなさいよね?」


「また舞台あがれたらね?」


「心配いらないわよ。もうあんたを

ほっておくほど芸能界もバカじゃないわ」


「レイナに言われるとなんだか

バカにされてるような気になるわ?」


「はァァ!?最後くらい褒めてあげようと

思ったのに!まったく!」


「クスクス」


「ふん。同級生のよしみで応援くらいは

してあげるわよ。頑張りなさい」


「......ありがとう!レイナもお幸せにね♪」


大学を出たところで

マネージャーが待ち構えていた。


「卒業おめでとうございますアカネさん」


「なんだかお迎えとか来られるの

すごい申し訳ないです〜」


「ふふ。早く慣れてください。それより

卒業式の日までお仕事入れてよかったのですか?

普通みんなで飲みに行くのでは?」


「ははは。残念なことに友達いないしね。

それに......この仕事は特別だから〜」


「わかりました。では向かいましょう」








⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆





そして


もうひとつの


卒業がおこなわれていた。






ワァァァァ!!




「恐れ多くってよ愚民ども♪」


「アリエルちゃんねる卒業ライブ〜♪」


ワァァァァ!!



アリエルちゃんねるも最後の配信を迎える。



「今までありがとうございました......!

あっという間の配信活動でしたが

この春でアリーたちは自分の国へ帰りますわ。

このライブで応援してくれたみんなに

最後の歌を届けましてよ!」


「ゲストは!今や大人気のあの舞台女優!」


「アリーの大親友!アカネですわ〜♪」


ワァァァァ!!


アリエルちゃんねるの卒業ライブのゲストとして

呼ばれた私は

2人のラストライブに華を添える。


3人で歌って踊って

楽しく過ごしたラストライブも

最後を迎える。


「アリーはこの日本で生きた証をひとつだけ

残したいと思い曲を作りましたわ。

最後にこの曲でみんなとお別れになります」


ワァァァァ!


ライブはクライマックスへ。


ハルカはすでに大泣きしてしまっている。


「ひぐっ......ひぐっ......」


「ほらハルカ。しっかり。

貴女のために作った歌ですわよ」


「うう......!!」


アリエルが相棒のハルカとの1年を綴った歌。


「タイトルは......!」






「【春の歌】」


〜♪♪♪


出会いは 春風とともに

見たことのない世界での大冒険

季節と共に咲いたあの桜のように

それはとても短いひと時の奇跡


永遠を超える 刹那の時

全ての命の尊さを知る

覚悟が必要なことは

四季の彩りが 教えてくれた


ありがとう

さようなら


この声で歌い続ける

あなたを忘れることなんてできないから

桜が咲いて また散ってゆく

あなたと過ごした

たった一度の春は

永遠よりも価値があったから

いつまでも

いつまでも

この春の歌を君に捧げる


〜♪♪♪






ワァァァァ!!



アリエルちゃんねるのラストライブも


無事終わり


私たちの1年の軌跡は


最後の活動を終えた。




アリーは最後まで立派に歌いきり


ハルカは泣きながらも踊りきった。


アカネはこの歌を


終わらせることなく


このちゃんねるで


みんなに届けるために


MVとして


春の歌


作詞作曲

アリエル&ハルカ


歌アカネ


として


配信をすることになる。









打ち上げには


トモエも駆けつけてくれ


アカネのバイト先で


マネージャー含めた5人で


焼肉パーティとなった。





「トモエ。感謝していますわ」


「ひぐっひぐっ......」


「こちらこそ、ありがとうございます。

姫様と過ごせた時間は

かけがえのない思い出になりました」


「アリエルちゃんねるは全て

アカネに引き継ぎますので

トモエのフォローも、卒業ですわ」


「せっかくの人気チャンネルです。

このまま消してしまうには惜しいので

アカネさんにあとは使ってもらいましょう」


「人気すぎてプレッシャーきついわ......」


「アリエルちゃんねるforアカネでいかがですか?」


「マネージャーにお任せします......」


「現状、登録者数100万人

総再生回数5000万再生です。

例の春の歌をアカネさんに歌ってもらい

引き継げばアリエルちゃんねるのファンと

アカネさんのファンの両方を

獲得できると思います。」


「アカネさんの歌声もとても素敵です。

ぜひあなたの歌声で

この春の歌を届けてあげてください」


「わかりました......!」







「姫様とハルカちゃんは日本にはいつまで?」


マネージャーがついに


その質問をする。


「ええ。3月いっぱいですわ」


「ひぐっ......ひぐっ!」


「......そうですか。寂しくなりますね......」


「最初からわかっていたとはいえ......

やっぱり寂しいね......」






「素敵な思い出になりましたわ。

アリーはこの日本で


愛を知り

四季の彩りを経て

時間の大切さと

命の尊さを学びましたわ♪」




よかった。



ほんとにみんなありがとう......!





いつまでも泣き止まないハルカを


よしよししながら


わたしたちの


活動は


これにて


卒業となる......













読んでいただきありがとうございます!


もし少しでも面白いな、

続きが気になるなと

思っていただけましたら

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