表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
28/33

舞台とお姫様


「にゃー」


最近うちのアパートの前によくいる黒猫。

どこか近所の家の飼い猫のようで

とても綺麗な毛並みの黒のペルシャ猫。


ハルカがよく甘いおやつをあげているようで

どうやら居着いてしまっているみたい。

今日もハルカがおやつをあげている。


「じゃぁ、先に行くね。」


私はハルカとアリーに声をかけて家を出る。


「アカネ!晴れ舞台!楽しみにしていますわ!」


「アカネ様ファイトです〜♪」


「にゃー」


なぜか黒猫もお見送りをしてくれる。




さあ、ついに舞台初日なのです。


2人は招待枠の席で舞台を観に来てくれる。


やることはやった。


舞台チケットはsold out。


あとは目いっぱいやるだけ!






青年館ホールという新宿の有名なホール。


いざ出番が近づくと流石に緊張してきた私。

少しだけ歩こう。

緊張を解くためにも少し楽屋を出てみる。


舞台初日に関係者から贈られてくる

舞台見舞いのお花がずらりと並んでいる。


あれ?あそこにいるのは?


レイナがトモエさんといる。


「姉さんが私の舞台を観に来てくれるなんて!

初めてです!嬉しい!」


「......え?なんでレイナがいるんだ?」


「......は?」


「ああ。いたいた。アカネさん。

初日頑張ってください」


舞台見舞いのブーケを渡されてしまう。


がっつり関係者しか入れないはずなのだけど

どうやらトモエさんは本職がエリート官僚らしく

あらゆる方面に融通が効くそう。


普通に楽屋に入って来たのだ。


「私とあのお2人からですよ♪」


アリエルちゃんねる3人からの初日見舞いブーケ。


「ありがとうございます!!」


3人は仲良く並んで舞台を観賞することになる。


「ね、姉さん!私には......!?」


「......え?レイナは何だ?

お手伝いにでも来てるのか?」


「はぁぁ!?私も出演してますけどぉぉ......!!」


相変わらずお姉さんに残念な対応をされている

レイナのことはほっておこう。





今回の舞台はミュージカルではよくある

サクセスストーリー系の物語。


裏方スタッフだった女の子が一躍有名になり

映画スターとなる。主人公の俳優と結ばれる

男女でダブル主演となる物語。


支える側だったパッとしない女の子が

成り上がるストーリーで

私が脇役から主演の演技をしたことが

うまくハマってしまったのも

このストーリーのおかげでもある。



レイナは私にいじわるをする役。

キララは私の友人役。

主演男優は舞台俳優として有名な方。



開演時間がこくこくと迫る。


ま、まずい......


めちゃくちゃ緊張してきた。


「アカネさん!?大丈夫ですか!?」


マネージャーが私が汗びっしょりになっている事に

気づいて声をかけてくれた。


「ハァ......ハァ......ダイジョウブデス」


「うわ!脇汗やば!」


全然大丈夫ではなかった。


しっかりしなきゃ......!


私が主演級なんだ......!


みんなの期待に応えなきゃ......!


舞台初日のプレッシャーに

見事に押しつぶされそうになっている私に

声をかけてきたのは私と同い年でありながら

すでにこの業界でトップスターとして

君臨している三千院キララだった。


「......アカネさん。少しお話を聞いてください」


「......は!はい!」


「実は黙っていたのですが......

私がこの舞台のオーディションを受けたのは

この舞台の主演ヒロインを

するためだったのです。」


「......え!サブキャストのオーディションは?」


「......いえ。私、このオーディションが

主演ヒロインも選出することを

知っていたのです......」


「......え!そうなんですか!?」


「はい。元々私に主演の依頼を

するつもりだったのでこのオーディションは

ほぼデキレースだったのです。」


「......え!ええ!?」


なぜ映画主演までしてる三千院キララがとは

確かに思ったけれど......!


「色々体裁がありましてサブキャストの

オーディションとして参加したのですが

......宮本先生には本気で謝られてしまいました。

デキレースのつもりが、私より主演を任せたい人が

現れてしまったのですもの。」


「そ、そんな......」


「でも勘違いをしないでください。

私は一切手を抜いてなどおりません。

むしろ主演級のオーディションであることを

唯一知っていてズルをしていた存在です。」


「......」


「......それでも、宮本先生は私に謝ってまで

貴女を選んだのです」


「......!」


「貴女にどれほどの魅力と可能性を感じて

先生が抜擢したか......わかりますよね?」


「嘘みたいです......」


「ええ。私も嘘でしょと思いましたよ......」


「......」


「世界でも有名な演出家の先生が

本気で認めたのですから、

貴女は難しく考える必要なんてないのです。

ただ、思うままに演じれば

全てうまくいきます」


汗だけでなく涙と鼻水まで出てきてしまった私。


「まぁ、デビュー作で初日ですから

緊張はするのでしょうが、まぁ安心してください。

サブキャストの仕事は主演ヒロインを

最高に輝かせるのが仕事です。

この、私!三千院キララが!

貴女の舞台を最高に輝かせてみせましょう♪」


「キララさん......!!はい!

ありがとうございます!」






お化粧直しを必死でしてもらった私は

キララさんのサポートのおかげで

最高のテンションで初舞台へと立つ。







最高の演出。

最高の役者達。

この最高の舞台は

歴史に残る名作として

語り継がれることになる。








見事に舞台を会心の演技でやりきった私は

最高のデビューを飾ることに成功した。




大歓声


ワァァァァ......!


ぱちぱち......♪


鳴り止まない拍手に


スタンディングオベーション。






「......ハルカ。アリーは決めましたわ......」


舞台を観終えたアリエル様は


涙ぐみながらハルカに告げた。


「自分の国へ帰ったらアリーは

ミュージカルを拡める活動をおこないますわ......」


「......はい。アリエル様。

それはとても素敵な活動でございます......」









......アカネ。


本当におめでとう。


......お疲れ様。












読んでいただきありがとうございます!


もし少しでも面白いな、

続きが気になるなと

思っていただけましたら

下の評価

☆☆☆☆☆

ブックマーク感想など

よろしくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ