クリスマスプランとお姫様
クリスマスの計画は朝から
クリスマス限定の
サンタクロース列車に乗って
ディズニーへ移動。
クリスマス限定イベントとランチを楽しんで
さらに特設スタジオで行われる
ツリーのライトアップとイルミネーションを
見るという丸一日クリスマスを満喫するプラン。
「か、完璧ですわ!これで素敵な
クリスマスの思い出もばっちりでしてよ!」
「アリエル様!さすがでございます!」
クリスマスプランを完成させた2人は
今からクリスマスが楽しみで仕方ない様子。
日本のクリスマスは
当日よりも前夜祭を祝う習慣があるのだけど
なんて余計なことを言いそうになったけれど
ぐっとこらえて、まぁ楽しそうだしいいかと
私は2人を眺めながら思いにふけっていた。
そして
今年最後の通学になるであろう大学へ向かう私。
2人も今日は
アリエルちゃんねるの収録に行くみたい。
「行ってきまーす♪」
3人は仲良く一緒に家を出ていく。
私はアリエルちゃんねるの2回目の振込が
三桁万円を超えていたのを見て
年末年始は少しだけ贅沢をしようと
密かに楽しみにしていた。
大学では相変わらず
レイナが毎回うざ絡みをしてくる。
私とお姉さんとの関係が気に食わないらしく
何かと毎回文句をつけてくるので
本当にめんどくさい。
「ちょっとアカネ!?」
ほらまた今日もキタキタ。
めんどくさいなぁ。
「あんた、オーディション受けるの?」
「......え?なんの話し?」
「知らないの!?何をやってるんだか......」
オーディション内容がプリントされた紙を
私の前に出してくる。
欠員が出た大きな舞台の
臨時オーディションがあるという。
「......え!?うそ!宮本アーモンド先生!?」
日本のみならずブロードウェイでも
結果を出している日本を代表する演出家である
宮本アーモンドが演出を務める舞台。
なにやら事務所のトラブルなどで
サブキャスト2名欠員が出て
臨時オーディションがあるらしいのだ。
「主演級ではないけれど、
あの宮本アーモンド先生の舞台よ。
受けないの?私受けるわよ?」
「え!レイナ受けるの!?」
「もちろん。私の大学卒業の集大成に相応しいわ」
役者、俳優をしていて
その名前を知らない人などいないレベルの演出家。
たしかに、これはまたとないチャンス。
「ありがとうレイナ!私も受けるわ!」
やった!
年明けにひとつオーディションを
受ける予定だったが
今年はもうチャンスはないと思っていた。
しかも脇役だとしても大舞台!
よし、やるぞ!
「レイナ!オーディション日程は!?」
「日程は......」
家に帰った私は
アリエルに話をする。
「ええええ!!嫌ですわ〜!!!」
「せっかく、チケットもプランも全部
段取りしたのに〜!」
「ほんっと!ごめん!
これは受けない訳にはいかないの!」
......そう。
オーディションはまさかの
クリスマス当日。
よほど楽しみにしていたアリエルは
泣きそうな顔をしながら
イヤイヤを繰り返す。
アリエルは仮にも王女様である。
アリエルが人前で泣く姿なんて見たことがない。
「......テーマパークにはまた改めて一緒に行こう」
「クリスマス限定イベントですのよ!」
「わかってるけど......」
「限定イベント!限定ランチ!
限定クリスマスツリー!......ああああ!!」
「こちらもこんなオーディションは
もう二度とないかもなのよ......」
「アリーとアカネが一緒に過ごせるクリスマスも
もう二度とないのですわよ!」
「わかってるよ〜だから、ごめんてば......」
本気で怒らせてしまった。
申し訳ないけれど
私だって
クリスマス3人で遊びたかったけど
今回ばかりは仕方ない。
「チケットもったいないし、2人で行っておいで」
「いやですわ〜......!!」
アリーも今回ばかりは食い下がる。
ハルカも困った顔でアリーと私を交互に見ている。
「アリーのこと、大事じゃありませんの!?」
「もちろん大事よ。応援もしてもらってる。
精神的にも、金銭的にも。感謝しかない。
だからこそ、オーディションだけは
やらなきゃいけないの」
「いやいやいやですわ〜!!」
「アリエル様......諦めましょう......」
ハルカが声をかけたその時
高ぶった感情を抑えることができず
アリエルは言ってはいけない言葉を発してしまう。
「......どうせ!
またオーディション落ちるのですわ!
行っても意味なんてありませんわ!!」
「......!!」
「......アリエル様!!」
「......あ......」
「......」
「いけません!アリエル様!!」
「......あ、あ、ち、違いますのアカネ今のは.....」
「そうだね。また落ちるんだろうね.....
でも......ごめんね。私受けるから......!」
「アカネ様!!」
私は耐えきれず
家を飛び出していた。
バタン!!
「アリエル様!追いましょう!!」
「......あ、あぁ......なんてことを......
アリーは言ってはいけない言葉を
言ってしまいましたわ......」
「.....はい......私でもわかります.....
アリエル様......今のは失言でございます......!」
「ど、どうしよう!!ハルカ!!
私......!!私.....!!」
「大丈夫です!アリエル様!
ちゃんと謝りましょう!
アカネ様は怒ったりしません!!」
「でも!絶対傷つけてしまいましたわ......!!
ああ......アカネ!ああ......!!」
あああ......!!!
今まで見た事ない動揺をして震えるアリエルを
ハルカは抱きしめることしかできなかった。
この後
クリスマス当日まで
アリエルとアカネが会うことは
なかったのです......
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