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12/22

配信とお姫様


『なんという透き通った歌声!感動しました!』


『天使ですか?妖精ですか?』


『久しぶりにガチ推し発見♡』


『新宿によくいた2人組だ!』


『金髪の妖精とうさ耳メイド!池袋で見た!』


『芸能人?素人?何者?』


『期間限定配信?来年春までの限定らしいぞ?』


『3日でチャンネル登録者数10万人突破!』


『伝説は始まったようだ乙』


『アリエル様しか勝たん』


『天使が舞い降りた!』


『え!AIじゃないのこれ?』


『うさ耳メイドのダンスがキレッキレで横転』


『この2人、江ノ島で人だかり作ってた子らだ!』


『どこの国の人?日本語うまいね?』


『歌声を聴いて涙がとまらなくなりました』







溢れかえるコメント欄。


う、嘘でしょ......


配信開始から

たったの3日で

登録者数10万人突破

総再生回数200万回超え


ぴょんぴょんと喜び踊るうさ耳メイド。


「うぇーい♪妖精歌姫アリエル様

プロデュースByハルカですよ♪」


「おーほっほっ♪アリーにかかれば当然ですわ!」


本当に大バズりしてしまっている......


「10万人てよく聞く

銀のトロフィーが贈られてくるやつじゃん......」


「おーほっほっ♪」


「アカネ様褒めてください♪」


「本当にすごいわハルカよしよし......」


撫でられてデレデレになっているハルカ。


「アカネ!アリーにもご褒美を!」


そう言ってアリエルは自分の頬を私に向けて

指先でちょんちょんと叩いてみせる。


「......!ええ?!何を!?」


「淑女の称賛の嗜みといえば

頬にKISSと決まっていますわ♪」


「え!まじ?!」


「アカネ〜♪」


「......わわ!ききき、きすぅ?」


「え〜?こちらの世界でも頬をつけあう

チークキスという挨拶があると聞きましたわ?」


「に、日本人はそんな挨拶しないのよぉ......」


「アカネ様じれったいです!」


そういうとハルカは抱きついてきて

頬をスリスリし始める。


「わ!わぁぁあ!」


アリエルも飛びついてくる。


抱きつかれ、もみくちゃにされる私。


すんごい勢いで頬擦りされてしまう。


そりゃ欧米基盤の舞台もあるし、

演技ならチークキスしたことはあるけど

私ってば、プライベートでは

交友関係からっきしで......

はわわ......


「アカネ様褒めて褒めて〜♪」


「アカネ〜♪スリスリ♡」


「......も、もう!2人共そのくらいにしなさい〜」


顔を真っ赤にした私は2人を引き離す。


「でもほんとすごいね♪まさかこんな早く

ほんとにバズっちゃうなんて」


よしよしする私。


純粋にキャッキャ喜ぶ2人。


さすがにびっくりした私だったが


このアリエルのポテンシャルならたしかに......


「これほんとに収益化できるんじゃ?」


「アカネ。心配いりませんわ?

すでに申請済でしてよ」


「来月にはアカネ様のこの口座に振り込まれます」


突然書面を渡してくる2人。


「え!?嘘?いつのまにこんな手続きまで?」


「ちゃんと準備期間で調べて登録申請済ですわ?」


「アカネ様はまだまだ私たちのことを

なめてますねぇ?にしし♪」


本当はとある公安調査官に

全部登録申請関係から

手続き雑務を代行させているのだが

ハルカは自分でやっていることにして

褒めてもらいたいのである。


「......す、すごい!」


「褒めて褒めて♪」


「これ、普通に結構な収入になるんじゃ?」


「たしか、10回再生で約1円と聞きましたわ?」


「200万回再生てことは

すでに今の時点で20万円......」


「まだまだ、伸びますよ♪」


「ええ!?マジで!?いやいや!」


「スマホも口座も名義はアカネですわ?」


「う、受け取れないわよ!?

あなた達が稼いだお金じゃないの!」


「何を言ってるんですかアカネ様♪

全部アカネ様のお口座に入るんですよ♪」


「......いやいや!」


「あらまぁアカネ。このアリーが

今までお世話になりっぱなしで

やっと宿とお食事のお礼ができるのですよ?

少しはお返しをさせてくださいまし。

焼肉......連れてってくれるのでしょう?」


「これでアカネ様もバイトを少し減らして

舞台オーディションに集中できますね♪」


「......!!」






まさかこの2人が


私にお礼をしようとしてたなんて......


私の


オーディションを応援してくれるなんて......


そんなこと思ってもいなかった。


「ふ、ふえぇん......」


涙を堪えきれなくなってしまった私は


情けなくも


嬉しく


2人の前で


大泣きをしてしまった。


「あらまぁアカネ......子供みたいでしてよ?

よしよしですわ♪」


「まったく......アカネ様は泣き虫ですね〜ふふ♪」




「ふえぇん......ありがとぉ

ひぐっ......

ばかぁ......ふえぇん......

ありがとうアリー......ふえぇん......

ハルカもありがとう......ひぐっ......

ばかぁ......ふえぇん」









言葉にならない


変な言葉をずっと発していたような気がするけれど


いつまでも泣き止まない私を


2人はずっと


抱きしめていてくれたのでした......

















読んでいただきありがとうございます!


もし少しでも面白いな、

続きが気になるなと

思っていただけましたら

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