配信とお姫様
『なんという透き通った歌声!感動しました!』
『天使ですか?妖精ですか?』
『久しぶりにガチ推し発見♡』
『新宿によくいた2人組だ!』
『金髪の妖精とうさ耳メイド!池袋で見た!』
『芸能人?素人?何者?』
『期間限定配信?来年春までの限定らしいぞ?』
『3日でチャンネル登録者数10万人突破!』
『伝説は始まったようだ乙』
『アリエル様しか勝たん』
『天使が舞い降りた!』
『え!AIじゃないのこれ?』
『うさ耳メイドのダンスがキレッキレで横転』
『この2人、江ノ島で人だかり作ってた子らだ!』
『どこの国の人?日本語うまいね?』
『歌声を聴いて涙がとまらなくなりました』
溢れかえるコメント欄。
う、嘘でしょ......
配信開始から
たったの3日で
登録者数10万人突破
総再生回数200万回超え
ぴょんぴょんと喜び踊るうさ耳メイド。
「うぇーい♪妖精歌姫アリエル様
プロデュースByハルカですよ♪」
「おーほっほっ♪アリーにかかれば当然ですわ!」
本当に大バズりしてしまっている......
「10万人てよく聞く
銀のトロフィーが贈られてくるやつじゃん......」
「おーほっほっ♪」
「アカネ様褒めてください♪」
「本当にすごいわハルカよしよし......」
撫でられてデレデレになっているハルカ。
「アカネ!アリーにもご褒美を!」
そう言ってアリエルは自分の頬を私に向けて
指先でちょんちょんと叩いてみせる。
「......!ええ?!何を!?」
「淑女の称賛の嗜みといえば
頬にKISSと決まっていますわ♪」
「え!まじ?!」
「アカネ〜♪」
「......わわ!ききき、きすぅ?」
「え〜?こちらの世界でも頬をつけあう
チークキスという挨拶があると聞きましたわ?」
「に、日本人はそんな挨拶しないのよぉ......」
「アカネ様じれったいです!」
そういうとハルカは抱きついてきて
頬をスリスリし始める。
「わ!わぁぁあ!」
アリエルも飛びついてくる。
抱きつかれ、もみくちゃにされる私。
すんごい勢いで頬擦りされてしまう。
そりゃ欧米基盤の舞台もあるし、
演技ならチークキスしたことはあるけど
私ってば、プライベートでは
交友関係からっきしで......
はわわ......
「アカネ様褒めて褒めて〜♪」
「アカネ〜♪スリスリ♡」
「......も、もう!2人共そのくらいにしなさい〜」
顔を真っ赤にした私は2人を引き離す。
「でもほんとすごいね♪まさかこんな早く
ほんとにバズっちゃうなんて」
よしよしする私。
純粋にキャッキャ喜ぶ2人。
さすがにびっくりした私だったが
このアリエルのポテンシャルならたしかに......
「これほんとに収益化できるんじゃ?」
「アカネ。心配いりませんわ?
すでに申請済でしてよ」
「来月にはアカネ様のこの口座に振り込まれます」
突然書面を渡してくる2人。
「え!?嘘?いつのまにこんな手続きまで?」
「ちゃんと準備期間で調べて登録申請済ですわ?」
「アカネ様はまだまだ私たちのことを
なめてますねぇ?にしし♪」
本当はとある公安調査官に
全部登録申請関係から
手続き雑務を代行させているのだが
ハルカは自分でやっていることにして
褒めてもらいたいのである。
「......す、すごい!」
「褒めて褒めて♪」
「これ、普通に結構な収入になるんじゃ?」
「たしか、10回再生で約1円と聞きましたわ?」
「200万回再生てことは
すでに今の時点で20万円......」
「まだまだ、伸びますよ♪」
「ええ!?マジで!?いやいや!」
「スマホも口座も名義はアカネですわ?」
「う、受け取れないわよ!?
あなた達が稼いだお金じゃないの!」
「何を言ってるんですかアカネ様♪
全部アカネ様のお口座に入るんですよ♪」
「......いやいや!」
「あらまぁアカネ。このアリーが
今までお世話になりっぱなしで
やっと宿とお食事のお礼ができるのですよ?
少しはお返しをさせてくださいまし。
焼肉......連れてってくれるのでしょう?」
「これでアカネ様もバイトを少し減らして
舞台オーディションに集中できますね♪」
「......!!」
まさかこの2人が
私にお礼をしようとしてたなんて......
私の
オーディションを応援してくれるなんて......
そんなこと思ってもいなかった。
「ふ、ふえぇん......」
涙を堪えきれなくなってしまった私は
情けなくも
嬉しく
2人の前で
大泣きをしてしまった。
「あらまぁアカネ......子供みたいでしてよ?
よしよしですわ♪」
「まったく......アカネ様は泣き虫ですね〜ふふ♪」
「ふえぇん......ありがとぉ
ひぐっ......
ばかぁ......ふえぇん......
ありがとうアリー......ふえぇん......
ハルカもありがとう......ひぐっ......
ばかぁ......ふえぇん」
言葉にならない
変な言葉をずっと発していたような気がするけれど
いつまでも泣き止まない私を
2人はずっと
抱きしめていてくれたのでした......
読んでいただきありがとうございます!
もし少しでも面白いな、
続きが気になるなと
思っていただけましたら
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