↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
32/43

タイトル未定2026/08/18 13:31

ククレアは慌てて、

「城ケ崎さん!? 今はのんびりと解説している場合じゃありませんよ! このままでは勝ってしまう…!? いえ、その前にローレンス琥珀さんが大怪我を」

 しかし、城ケ崎は真剣な表情での解説を続ける。

「色々と言いながらも、ゾッコンLOVEのことが気になってしょうがない……ローレンス琥珀にとっての必敗パターンがこの“落馬”ということかしら?」

「城ケ崎さん…? 一体何を?」

 のんびりと解説しているのか、とククレアは不思議に思っていた。


 ローレンス琥珀は今にも頭を床に打ち付けそうになっている。

「いいえ、お姉ちゃん……城ケ崎さんをよく見てください」

 ヨワイコはどこか誇らしげである。

「凍てつく雷鳴家……御四家にも匹敵する駄目家系……さらに、青春アオハル甘酸っぱい騎士団の団長までも務めるローレンスの最初の一手が、まさかの『落馬』……これは初見勝ちで、誰でも勝ってしまうわね……しかし」

 ニイ、と城ケ崎は勝ち誇ったような笑みを浮かべた。

「それは私のスキル……『スローな解説にしてくれ(スロー・ブギスピーチ)』が無ければの話よ!」

 驚愕に目を見開いているのは、落馬中のローレンス琥珀だ。

「馬鹿な!? まだ落馬しない? と、いうより全体的にスローモーションの動き!?」

 見ていたキャワキャワは、

「そういえば、私が戦った時も、何故か城ケ崎が解説し始めるとみんなやたらゆっくりに」

思い出したように言った。

 ヨワイコはにんまりと笑い、

「城ケ崎さんのスキル『スローな解説にしてくれ』は、アニメや漫画の時、いきなり『解説役』がしゃべりはじめると、まるで時間が止まった時のようになる現象……それをそのまま再現できるという、凄いスキルなんです!」

と言った。

 まるで、自分の師匠を崇めるようだ。

 ボンも、「そういえば……僕がキャワキャワと戦った時も……」

 と思い出し始める。

『早歩き』の技を使ったにしては、全体的にみんなスローモーションになっていたような気がする。

「くうっ、バカな!」

 ローレンス琥珀は、髪の毛がわずかに凹むくらいの速度で床に落ちた。


 本当は気絶して失神KOで負けるつもりだったはずが……

「これでもボンが来る前は、臆者の候補筆頭だったのよ。舐めないでよね」

 ばさり、とピンクの髪をかきあげる。

「姉上……大丈夫だったか?」

 ゾッコンLOVEが心配げに近寄る。

「あら、LOVEちゃん。お姉ちゃんがそんなに心配だった?」

 少し嬉しそうなローレンス琥珀。

「ば、バカなことを! 姉上がひょっとして頭をぶつけて失神してしまうかも、元々妹バカだったのに、さらに妹バカになるかも……とかそんな心配は何もない!」

 ゾッコンLOVEは心の声が丸出しの台詞を言った。

「流石だな、城ケ崎! 僕がキャワキャワさんと戦った時も、陰でサポートしてくれていたんだな!」

 ボンは感心していた。

 この逆世界は、文字通り負けた方が勝ちになり、借金が多ければ多い程褒められるヘンテコな国だ。

 だが、実際人々が持っているスキルや魔法は、駄目なようでやっぱり中世ファンタジー世界のようにスゴイんだ。


「第一回戦は、私の敗北……つまり次のステージに行けるわね?」

 城ケ崎はにこりと笑った。

 しかし、滅多に口を開かないジンチェンコが、

「まだだ! ローレンス琥珀の目はまだ死のうとしている!」

と怒鳴った。

 ローレンス琥珀は、無傷で馬から降りたが、すかさず愛馬の後ろに回り込んだ。

「城ケ崎さん、やはり……あなたは甘い! はるか天頂にあるアマアマ共和国の黄色い砂糖菓子のように!」

 そう怒鳴った。


 馬は極めて臆病な生き物だ。ボイスパーカッションの達人であるローレンス琥珀は、シンバルの音を口から出した。

「ブルヒヒイイイイイン!」

 馬は後ろ脚を思い切り蹴った。

 城ケ崎は叫ぶ。

「死因の一位は蚊が伝染するマラリアで、二位は馬に蹴られることよ! ローレンス琥珀でその差が縮まってしまう!」

 その解説の間も、スローモーションである。

「姉上!」

 ゾッコンLOVEは、叫び、さらに自分の姉を助けるために飛んだ。

「ゾッコンLOVE!?」

 城ケ崎は驚いていた。

 スローモーションの光景の中で、ゾッコンLOVEは憎しみながらの愛を全て込めて、ローレンス琥珀を抱きかかえて、馬の後ろ蹴りからなんとか脱出した。

 スローモーションとはいえ、馬の後ろ蹴りの殺傷力は凄まじい。

「姉上! なんで避けなかった!?」

 ゾッコンLOVEは怒鳴る。


解説!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。