ダルマくんの自立
「僕はね、ダルマくんみたいに、たまの休日がきたら……何にもせずに部屋で寝転んですごしてたんだ。外に出たら、また先輩から怒られるかもって思ったから! 今から考えると、バカバカしいよ! 本当は、なんでもできたのに……!」
「……けど、僕は本当にお母さんがいないと、何にもできないから」
「そうやって、自分で鍵をかけているからだよ! さっきから見てると、参加者をグラウンドの外に押し出したりして、これはダルマくんがやってるんでしょ?」
「ううん、そりゃ大妖精だから、眷属の妖精くらいはいるよ」
「凄いじゃんか! じゃあ、なんだって出来る! ねえ。立ち上がってみようよ!?」
「駄目人間なのに、うるさい人だねえ……けど、お母さんも遅いし……たまには一人で散歩でもしてみようかな」
ムクリとダルマ妖精は起き上がった。
キャワキャワは、
「おおっとオ? ダルマくん、またも自立するかあ?」
ククレアは、
「はっ、止まらなければ!」
と急停止した。
しかし、君の瞳にゾッコンLOVEは、
「いや……恐らくもう大丈夫だ」
とニヤリと笑った。
ダルマ妖精は、
「あーあ、寝転ぶのも退屈さ。たまにはお外で散歩さ」
とフラフラと空中へと昇り始めた。
「じゃあ、僕はお母さんのトコに行くし、みんなは好きにしててよね」
とフラフラと太陽の中へと吸い込まれていった。
「ああっ、ダルマ妖精がいなくなってしまった!? 従って、この『ダルマさんが自立した』はここで中止。残った人を全員、合格とします!」
わあっと歓声が上がった。
「スゲエ! ボンのヤツ。あのだらしない妖精を自立させての合格ウ!?」
「ゲームの趣旨を無視した、とんでもねえ野郎だぜ!」
と、ボンをみなで称えているようだ。
「ボンさん、これを狙っていたんですか……? まさか、みんなを合格させるために……?」
しかし、君の瞳にゾッコンLOVEは、
「フっ、彼がそんなことまで考え付くはずがない……彼はただ、バカなだけさ。それも、この逆世界の中でも、特別なほどのバカ……」
キャワキャワは、
「はーい、それまでえ! では、合格した50人は次のステージですよお!」
普段通りに明るく親切にしきりつつも、
(ボン! ルールすら無視し、ダルマを自立させる! お前の弱さと駄目さ、そして恐ろしさの一端が分かったぞ!)
そう考えていた。
「はーい。それではそれでは、次の種目! 次は“失点サッカー”よ! どれだけ失点しまくるか! それに特化した、究極の駄目サッカー!」




