鬼畜の鄴攻め 官渡の戦い③
「……秋渓。テイゲン軍の先陣部隊が現れたよ」
「おぅ、遂に来たか。どれどれ……」
平原軍とは反対方向に到着した上党テイゲン軍は、数にして26,800の4部隊構成だ。
その先陣として姿を見せた部隊は、「陥陣営」コウジュン隊5,800(軽騎)、次期上党太守・チョウヨウ隊7,600(軽騎)だった。
「戦闘能力を鑑みれば、コウジュンとチョウヨウの兵数は逆にした方が合理的だけど……テイゲンさんは階級の高さを優先して兵数を決めたみたいだね」
※コウジュン……武力79 知力56 得意戦法は《猛攻Lv4》
チョウヨウ……武力66 知力65 得意戦法は《撹乱Lv3》
「まぁ、俺達からすれば戦い易くて助かるが、どの道そんな事は関係ない。軽騎の機動力で一気に距離を詰めたつもりだろうが……遅い! もう平原軍は壊滅寸前! 即ち、お前達の挟撃は失敗に終わった!
――陳宮、朱桓。コウソンエツに止めを刺しておいてくれ。俺は他の部隊と一緒にテイゲン軍を迎撃する」
「はっ! お任せ下さい!」
「承知致した。背後の備えは我々に任されよ」
8ターン目となり、俺は再度布陣を改めた。
計略支援の専門家たる怜華を中心に据え、俺と甘寧、丁奉、凌統、凌操、魏延がテイゲン軍迎撃のため反転。陳宮と朱桓は平原軍の残党を相手する。
尚、太史慈は鄴守備隊最後のキクギにいつでも止めを刺せるよう、キクギの前で待ちガイル。
「よぅし、やるぞ皆ァ!! 喰らえ皇潤! これぞ殿路流体育祭! トンデモ硬式野球!!」
突如としてコウジュン隊の前方に、超大型グラウンドが出現した。
強制的に我が劇場に巻き込まれたコウジュン隊は、訳も分からず立ち尽くす。
一方で殿路隊所属の兵士約5千人は敵チームとして俺と対戦する事になり、殿路隊兵士チーム VS 殿路秋渓の決勝リーグが開催される。
殿路隊兵士チームは半分が投手、半分が守備という素敵配置を形成し、投手役の兵達が問答無用で豪速球を投げてきた。
「スゥゥゥゥーーーー!!! ……ホワチャァァーーッ!!!」
ドゴラァッ!! カキカキカキーーーンン!!!
ボールが投げられると同時に凄まじい肺活量で空気を吸い込み始めた俺は、渦を巻く吸引力で離れた投手ごとボールを吸い寄せる。
そして俺の方へ向かってくるボールに対してバットを垂直に振り下ろし、全武力を込めたバットで大地に激震を走らせ、隆起した岩肌に直撃したボールを遠い彼方へ弾き返した。
これ即ち、全弾場外ホームランにして、コウジュン隊への流星雨プレゼント。
言い換えれば、戦法Lv5の《乱撃》である。コウジュン隊に3,257の大ダメージ。
俺の次は怜華の番。彼女は自身の盾となる形で布陣する魏延隊に《治癒》を行った。
次いで陳宮と朱桓の番。二人は連携してコウソンエツを攻撃する。
甘寧、魏延、凌統、凌操、丁奉も続けて攻勢を仕掛け、コウジュン及びチョウヨウ隊は早くも壊滅の危機に陥った。
「ふむ……良い流れですな、朱桓殿。この調子なら次のターンでコウソンエツ隊を撃破し、返す刃でテイゲン軍の迎撃に回れそうですぞ」
「ジョージ。ジョウジョージ。ジジジョージョ、ジョジョージ」
「ほぅ……“ジョージ” ですか。かの言語にも精通しておられるとは、流石は朱桓殿です。
――さよう。ある星にて、特殊能力を持った人類と凄まじい進化を遂げたゴキブリが死闘を繰り広げる物語……テラ『ピーー』ーズ。ゴキブリ達は人類を遥かに凌ぐ圧倒的武力を誇り、見掛けに反して高度な知恵すら持ち合わせ、独特の言語で連携すら行うという。その際に使われる言語こそ……“ジョージ”。ゴキブリ達と最初に対峙した冒険家達が、ゴキブリの襲撃に混乱して仲間の名前を連呼した事から、ゴキブリ達は “ジョージ” という言葉を覚えて使うようになったというのです」
敵の攻撃順となり、朱桓がテイゲン軍の動きに警戒しつつ黙考する中、陳宮はある小ネタを自慢げに語り続ける。
「そして何を隠そう、我が主君であったリョフ殿の言語も “ジョージ” なのですよ。いやはや、懐かしい響き。皆が徹夜で覚えたのを思いだします。チョウリョウ殿はともかく、多くの方が知力不足で苦戦致しました」
「ジョウジョウ。ジョジョージ。ジョージ」
「そうなのですよ。いや、それにしても朱桓殿。やけにリョフ殿の声真似が得意ですな」
「…………む? 何を言っておるのだ陳宮殿。私は先程から何も言っておらんぞ」
「はて? ではさっきから聞こえるこの「ジョウジョウ」というのは……」
黙考を終えた朱桓が人語で返すや、陳宮は左を振り向いた。
「ジョウジョウ。ジョウジョウ。ジョージ」
そこには何と!? 真っ黒なガチムチマッチョのゴキブリ人間が立っているではないか!?
「リョ、リョリョリョリョ!? リョフ殿ォォォーーー((((;゜Д゜)))!!?」
「ジョウジョウ。ジョウジョウ。ジョウジ。(訳:陳宮ゥゥゥーーー!!!)」
ドガンッ!!! 森林にてリョフの《猛攻LvMax》が炸裂。ダメージ3401。陳宮隊壊滅寸前。
「アヒィ!? アヒィ~!? リョフ殿ォォーー!!? 激しすぎまするぅぅ~~!! ……もっと! (;´Д`)ハァハァ もっともっと!! 司馬懿て下されぇ!!」
デーンデーンデーンデーン♪デーデーデデーーゥン♪ デーンデーンデーンデーン♪デーデーデデーーゥン♪(「三国○双」呂布専用bgm)
陳宮隊残兵513。隊長の陳宮は極度興奮状態につき、普通にヤヴァイ。
そしてリョフ隊7,600(軽騎)に続いてコウセイ隊5,800(軽槍)が出現。コウジュン及びチョウヨウ隊の救援に駆けつけ、魏延隊と交戦を始めた。
「アハ、アハハハハ!! うん、夢! これは夢! LvMaxやけど地形効果ガン無視とか絶対に夢や!! 完全な知能デバフかかった奴が現れて合戦bgm変わったけどこれは絶対に夢や!!
――太史慈。次のターンでキクギに止め刺しといて」
9ターン目に突入。取り敢えず俺はチョウヨウ隊に乱撃を仕掛けて撃破する。
問題はここからの動きだ。俺は経験則を頼りに全軍へ指示を飛ばす。
「平地戦でリョフと対峙したなら、余計な接触は避けるが吉だ。
――リョフは捨て置け! 太史慈までの攻め手で可能な限り敵援軍を撃破し、太史慈の番になって鄴守備隊の生き残りであるキクギを撃破! それで今回の鄴攻めを強制終了させる!! 怜華は急いで陳宮隊を《治癒》してくれ! ……怜華? おぉーい、怜華さぁーん?」
「珍獣研究部々長・姫崎怜華! 現在、大陸北部の鄴にて新種のUMAを発見(ФωФ)!!! これより捕縛に移る! イェッサァー!!」陳宮隊回復
伝令『姫崎怜華隊の士気が上がっています! 常ならぬ力を見せてくれるでしょう!』
「ちょっと待って怜華さぁーーーん!!? そいつはいいの!? あなたが嫌いなゴキブリだしこれ以上ないぐらい筋肉ムキムキだけどいいの!!? っていうか今作に「信長○野望 創造」のイベント会戦にある奮戦仕様なんかあったっけ!?」
「軍師殿が珍しく乗っておられますわ! わたくし達も続きますわよ!! ……オオゥッ! やったらい見せたらぃ! 征西大将軍・魏延! 今より命の大暴れ!!」
伝令『魏延隊の士気が上がっています! 常ならぬ力を見せてくれるでしょう!』
「リョフ殿ォォーー!! もっともっと! ラーブアーンドピィィーースゥ!!」
伝令『陳宮隊の士気が上がっています! 常ならぬ力を見せてくれるでしょう!』
「お前らまで乗るなァァーー!! キクギ倒してさっさと終わらせるぞ!!」
伝令『殿路秋渓隊の士気が上がっています! 常ならぬ力を見せてくれるでしょう!』
「違ぇよ!? おい伝令! 報告ミスしてんじゃねぇ! 俺は無闇やたらとリョフに当たるなって――」
伝令『全軍、突撃だぁぁーーー』
全軍『オオオォォォーー』
…………拝啓。三国○双4の袁紹さん。貴方は虎牢関の戦いで呂布に挑む私に度々自重を促してくれましたね。そんな貴方の気持ちが、今の私にはよぉく分かります。
取り敢えず、リョリョリョリョリョフと戦います。




