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サクッと片付ける陳留攻略戦②


「えーと洛陽軍の顔触れは……ブンキン・ブンオウ・ブンコ・カンキュウケン・カコウハ…………って、見事なまでにシバイと仲悪い人達ばっかじゃん」


 誰が言おう怜華が言った。援軍に現れた洛陽軍31,900の陣容は、ブンキン隊6,100(重装槍兵)、ブンオウ隊7,500(重装騎兵)、ブンコ隊6,100(重騎)、カンキュウケン隊6,100(弓兵)、カコウハ隊6,100(重槍)だった。

これ……もうシバイに対する嫌がらせやん。どんだけカシンから嫌われとるのアイツ。


 ちなみに部隊行動順は、弓兵→重装騎兵→重装槍兵かつ、兵種が同じ場合は知力が高い武将の率いる部隊が優先される為、洛陽軍における行動順は カンキュウケン→ブンオウ→ブンコ→カコウハ→ブンキン となる。


文欽(ブンキン) ・文鴦(ブンオウ) ・文虎(ブンコ)……文欽パパと愉快な息子達。三人ともが武勇に優れていたものの、父・文欽は傲慢不遜な性格で他の魏将から常々問題視されていた。要は友達がいなかった。文欽と毌丘倹(カンキュウケン)が司馬氏に対する反乱を起こすと、息子二人は反乱軍に与して奮戦するが、最終的には敗北して父子共に呉国へ亡命する。

この反乱が原因で司馬師が急死すると、彼の遺志を継いだ司馬昭と諸葛誕の間で対立が深まり、諸葛誕は先の反乱と同じ地域で反乱を起こす。文欽は息子達や呉の諸将と共に諸葛誕の援軍に赴くが、元々仲の悪い二人が協力的に戦える筈はなく、文欽は諸葛誕によって「黙れェェェェ!!」という感じで切り殺された。その後、息子二人は司馬昭に投降し、反乱は鎮圧された。


毌丘倹……文欽の数少ない友達っぽい武将。文欽の家族が文鴦・文虎ぐらいしか言われない反面、毌丘倹には弟の毌丘秀を始め、毌丘甸・毌丘旬・毌丘宗といった頼もしい(?)息子達や、孫の毌丘重や毌丘奥がいる。同じく反司馬氏勢力の王凌や諸葛誕等と共に、打倒司馬氏を目指すプレイは誰もが夢見るのではないだろうか。


王凌には兄の王晨を始め、王広・王飛梟・王金虎・王明山というこれまた頼もしい(??)息子達だっている。諸葛誕の許にも息子の諸葛靚や参謀の呉綱がいて…………こら誰ですか、マイナー武将ばかりでイマイチ殺る気に欠けると言う人は。彼等が連合を成せば、本来なら19人は武将数が確保できるのですぞ! これは武将数が2人しかいないホワイトタイガー厳さんこと厳白虎プレイの10倍に相当する動員数なのですぞ!!


……まぁ、このゲームに登場するのは文欽・文鴦・文虎・毌丘倹・王凌・諸葛誕・諸葛靚・呉綱の8人だけなので、動員数もへったくれもないんですけどね。

それでも戦国島津の四兄弟、政治の義久・武勇の義弘・知略の歳久・統率の家久に肖り、政治の王凌・武勇の文欽・知略の諸葛誕・統率の毌丘倹という構図は出来ます。



 さて話を戻して、出現と同時に包囲殲滅下に曝された洛陽軍だが、先ずは林に布陣するブンオウ君が俺の《奇襲Lv5》を回避しやがった。

流石は趙雲に匹敵する勇者と謳われるだけはある。文一族No.1の武力は伊達じゃない。


 続けざまに陳留守備隊総大将のオウキョウ君が、策略の《鼓舞》を発動。見事に成功し、カシン・エンショウ連合軍は良い感じに士気を高めた。


「ふっふっふ、だがそれがどうした。お前達の危機的状況は変わらん。

――さぁ、愛すべき俺の仲間達よ! 遠慮なく武勲を荒稼げぇぇ!!」


「「「( ゜∀゜) ウホォォォォーーー!!!」」」


 俺の攻撃が外れたのなら、皆の力に頼るのみ。

陳宮の《撹乱》、朱桓の通常攻撃、甘寧の《奇襲》、丁奉と魏延の《乱撃》祭り、張郃と太史慈と朱異の通常三連撃。

仲間達は地形や敵部隊の兵種に合わせた様々な攻め方を以て、うぶな洛陽軍を押し潰す。


 その中で最も大きな被害を受けたのは、俺の初撃を見事に避けたブンオウ隊だった。

彼の部隊は俺達のターンが終わった頃には、既に兵数が1,000を切っていたのだ。


「ぐっ……!? かくなる上は、敵大将を討って流れを変えるのみ!

――殿路秋渓殿! このブンオウとの一騎討ちを所望する!!」


『ブンオウが一騎討ちを申し込んできました。

ブンオウ 武力83

殿路秋渓 武力100』


 怜華隊へ弓攻撃を済ましたカンキュウケンに続き、順番が回ってきたブンオウ君。

戦場に到着したばかりで戦法Pが回復しておらず、兵数も大きく減少した今、通常攻撃をするのは無駄に部隊壊滅を早めるのみと判断したのだろう。


 その上で自らの高武力を活かした逆転の可能性に賭け、俺との一騎討ちを望んだ。何とも勇壮な彼らしい攻撃手段ではないか。

……だが無駄だ。お前に勝ち目はない。


「ふっふっふ……よかろう!! 可愛がってやる!!」


『殿路秋渓がブンオウとの一騎討ちを承諾しました』




「我はブンキンが子、ブンオウ也! 見知ったか!!」


 槍を構えるブンオウに合わせて、ジャキーーン!! と勇ましい効果音が鳴った。


「殿路流軍学が二世、“戦屋の殿路”。俺の愛は全てを包む!!」


 バッ! と服を脱ぎ捨てた俺が輝かしい肉体美を披露すると同時、太史慈がドドンドンドドン!! と太鼓を叩き鳴らす。

そして握り締めた右の拳を前面に押し出すや、黒子に扮した丁奉が桜吹雪を吹き荒らす。


 明らかに手の凝った演出は、まるで確定した勝利を表すよう。

ガチャで言うならば、未所持キャラ確定時の特別演出といったところだ。


※《一騎討ち》についての補足説明

第67話「第二次譙攻略戦⑩ 決着」の後書きにて、一騎討ちの概要を多少説明しましたが、今回は実際のプレイ方式に乗っ取った戦い方をします。


まず、勝負は10ターン以内に相手の体力を0にさせた方が勝者であり、どちらかが「逃亡」、若しくは10ターン経過で引き分けとなります。


一騎討ちでは、大きく分けて4つのカテゴリーにコマンドが分類されています。


『全体』どんな行動をとるか決める

・攻撃……相手にダメージを与える行動。

・特殊……相手を状態異常にさせたりする。

・逃亡……一騎討ちを放棄して逃げる。失敗すれば一方的にダメージを受ける。


『方針』具体的な動きを決める

・小技……「攻撃」に含まれるコマンド。攻撃力は普通だが、命中率が高い。気力消費によって威力上昇、低確率で奥義発動。

・大技……「攻撃」に含まれるコマンド。攻撃力は高いが、命中率は低い。気力消費によって威力上昇、低確率で奥義発動。

・回復……「特殊」に含まれるコマンド。気力を25%回復する。体力を回復する訳ではないので注意。

・愚弄……「特殊」に含まれるコマンド。相手をわざと怒らせ、気力を消費する「攻撃」のみを行わせる。相手の《冷静》によって成功率が変わる。自分の気力は使わない。

・威圧……「特殊」に含まれるコマンド。相手を萎縮させ、気力温存の行動をさせる。自分と相手の《勇猛》によって成功率が変わる。自分の気力は使わない。


『気力』動きに込める気力の有無。初期残量は50%。

・温存……気力を消費しないで攻撃もしくは防御する。

・消費……気力を10%消費して攻撃もしくは防御する。


『防御』「攻撃」や「特殊」と平行して行う

・堅守……相手の攻撃をひたすら防御する。被ダメージの軽減率が高い。気力消費によって軽減率が大きく上昇。

・反撃……防御しながら、隙を見て相手に攻撃する。被ダメージの軽減率が低いものの、相手に小ダメージを与える事ができる。気力消費によって軽減率上昇、敵の奥義を無効化。




 まぁ、とやかく言うよりも、必勝計で当たるのみよ。

1ターン目の俺の行動は、「特殊」の「回復」と、気力消費の「反撃」だ。


「この一撃で決める!! ハァァァーーー!!」


 ブンオウの「攻撃」は、気力消費の大技だ。しかも彼の気迫が影響してなのか、いきなり奥義が発動したではないか。


「そんな技が効くかよ。魔法カード発動!《スケープ・ゴート》」


 豊かな髭を生やした全裸の筋肉天使が四体召喚され、その内の二体がブンオウの攻撃を肩代わりする。


 二体の天使は地面に倒れ伏し、プルプルと痛みに震えた後、静かに消えた。


「うぅっ……すまぬ……! 巻き込む気はなかったのだ……」


 その光景を見たブンオウは、図らずしも健気な小動物を痛め付けた罪悪感により、精神的ダメージを心に負う。

即ち、「反撃」による奥義の無効化と、隙を見て与える小ダメージである。なに? それは違うんじゃないかって? …………違わないのである!!


 一方の俺は、ブンオウと同じくらいの小ダメージを受けつつも、気力を65%まで回復。

2ターン目も、先程と同じように「特殊」の「回復」と、気力消費の「反撃」にする。


「次こそは貫き通す!! ハァァァーーー!!」


「だから効かねぇって。《スケープ・ゴート》」


「うぅっ……!? 視線が痛い! おのれ、卑怯なり殿路秋渓!」


 結果は1ターン目と同じだ。守勢に回った俺がブンオウの奥義を無効化し、俺は物理的小ダメージを、ブンオウは精神的小ダメージを受けるに留めた。


 だが、2ターンを通して大きく開いたものもある。

それは気力だ。これに関してはブンオウがというより、敵武将の大半に該当するのだが、敵は始めの2ターンで「攻撃」と「防御」に合計40%の気力を消費してしまう。

そうすると3ターン目の気力残量は10%になるのだが、敵は10%になると全ての行動を気力温存に切り換え、「回復」すらしなくなる。尚、「回復」するのは気力が0%になった時のみだ。


 つまり、最初の2ターンを回復&反撃消費に徹すれば、3ターン目以降の敵は最後までヘロヘロ状態を貫き通す為、流れは完全に此方側となるのだ。


※プレイヤー担当武将のマスクデータや敵の能力値によっては、稀に変わった行動をする敵もいるので、この戦法が100%通用するとは言い切れない。

例1:プレイヤー担当武将の《勇猛》値が極めて低かったり、敵武将が呂布や張飛や関羽などの規格外だった場合、最初の1ターン目に高確率で「特殊」の「威圧」を仕掛けてくる。

例2:プレイヤー担当武将の《冷静》値が極めて低い夏侯淵は、「特殊」の「愚弄」によくかかる上、《勇猛》値MAXなので、そもそも一騎打ちに勝手に応じやすい。ファーーング!!

例3:軍師である筈の徐庶(ジョショ)も《勇猛》値MAXなので、猛将を相手に一騎打ちしたりする。そんで敗北して捕まって処断される。


(そして相手が疲労困憊となった時、初めて俺は動く)

「今度は俺の番だ! オォアァァァァーーー!!!」


 両手で円を描く様にして、自分の前方に垂直な魔法陣を生成する。

殺られたフリをして消えた筋肉天使達も復活し、魔法陣の周囲をグルグルと回り出した。


「な、なにっ!? その天使達は、先程やられた筈……!?」


「柔な鍛え方はしてねぇっ!! 喰らえ! 殿路流奥義! 五身一体・エンジェルスプリーーング!!!」


「ぐあぁぁぁーーーっ!!?」


 3ターン目の正直。俺は気力消費の「大技」と気力消費の「反撃」を以て、尻えくぼの素敵な天使達と共にブンオウへ体当たりした。


 即ち、奥義炸裂である。まともに受けざるを得ないブンオウは、1/3の体力を失った。


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