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サクッと片付ける陳留攻略戦①


 282年1月。殿路放浪軍5万は、カシン軍の陳留へ侵攻を開始した。

時々雪が降り、機動力の低下する戦場だった。


「でーも大丈夫ゥーー!! 《疾風戦術》でちょちょいのちょい!!」


「おぅおぅ大将さんよ! 無事に援軍地点を占拠したぜぇ!!」


「流石は甘寧の兄貴! “一番乗り” は伊達じゃねぇぜ!

――よぉし、全軍ここに布陣だ!! この開けた場所を囲う様に展開してくれ!!」


 戦場の南東からスタートした俺達は、《疾風戦術》を以て補給限界線を速やかに突破。

戦場中央の砦に布陣する陳留守備隊を無視して駆け続け、3ターン目が経過した頃、洛陽から来る敵援軍の出現地点を封鎖した。


※疾風戦術……《騎兵指揮》のスキル所持で使用可能。機動力を大幅に上昇させ、11ターンまでは士気+20。補給限界線を超えても士気は低下しない。

ただし、11ターン目からは士気-40。補給限界線を超えると通常通り士気低下および兵士逃亡。


「……それにしてもさぁ秋渓。敵の援軍がどこに現れるかピンポイントで知ってるって……あんたどんだけ遊戯(プレイ)したのよ……」


「…………中一からずっと戦闘(プレイ)してきた」


「そりゃ戦闘民族にもなるわ。もう少し勉強しなさい」


 大軍師怜華様万歳がなにか仰っているが、無視だ無視。


 兎に角、何百何千と戦ってきた俺には、敵の援軍が何処に現れるかぐらい朝飯前。

洛陽のカシン軍は補給限界線を超えた先の、砦から見て南西に現れる。俺達のスタート地点からすれば、西へ真っ直ぐ進んだ場所だ。

それ故に、多少の悪天候も気にならないほど速く到達できた。


因みにカシンと同盟を結んでいる鄴のエンショウ軍は、洛陽軍の反対側に現れる。


 全体図を俯瞰で捉えるならば、陳留守備隊の籠る砦を中心にして、鄴軍を北西、洛陽軍および殿路放浪軍を南西、西の隅に陳留城が位置する。


「斥候の報告によると、洛陽のカシン軍は31,900。陣容は不明だが、低能力のカシンが出てくる事はまずないであろう」


 4ターン目。包囲陣を形成した俺達は、各隊の隊長だけが集まって作戦の再確認を行う。

司会進行および状況確認は、当然ながら朱桓先生が務める。

包囲陣の南半分を怜華がカバーする様に、彼は北半分をカバーしていた。


「我々はこの洛陽軍に対し、陳留守備隊に先んじて包囲殲滅を仕掛ける。南半分の指揮は殿路殿と軍師殿が執り、太史慈・丁奉・魏延の三将が従う。北半分は甘寧殿を主将とし、陳宮・張郃に加え、私と倅の異が当たる」


 今回の戦は全部隊が軽装槍兵で編成され、肉弾戦に特化していた。


 注目株は、先の戦で仲間になったばかりの張郃。

陳留守備隊15,700の参謀を、旧ソウソウ軍の名軍師・シバイが任されている為、彼に詳しいという理由で怜華が参戦を依頼したのだ。


「……そして、援軍に来た洛陽軍を即座に包囲するという事は、我々の居場所を敵の全軍に知らせるという事。砦に籠るカシン軍は十中八九、援軍の到着と共に出撃し、洛陽軍の救援も兼ねて我々の背後に迫るだろう。何しろ、我々は補給限界線を超えて陳留城まで半分の所まで来ている故、無人の城壁に近付けたくない筈だ」


「へっへへへ! そんでノコノコと出て来て奴等を、逆にボコるって作戦だよな!」


「如何にも。殿路殿の情報が正しければ、反対側に現れるエンショウの援軍は距離がありすぎて当てにならぬ。つまり我々の邪魔をする存在は陳留守備隊のみ。だがこの守備隊も、実質的な戦力となるのはシバイだけだ。オウキョウ(総大将)は戦に関しては無能であり、副将を務めるカキも優秀ではあるが、それほどの脅威にはならぬ」


 陳留守備隊15,700の陣容は、総大将にオウキョウ、参謀にシバイ、副将にカキ。

※王匡(オウキョウ)……河内(カダイ)太守。三国志演技では、反董卓諸侯の第5鎮として登場。虎牢関の戦いで「王匡一番乗りィーー!!」をはたすものの、デーンデーンデーンデーン♪ デーデーデデーン♪ の専用bgmとともに出現した呂布(ゴキブリ)により、配下の方悦(ホウエツ)を瞬殺されて大敗した。ナンテコッタ。

賈逵(カキ)……魏の武将。優秀なのに影が薄い器用貧乏。曹叡の時代、呉との間に起きた「石亭の戦い」に参戦した彼は、曹休君と周魴君の友情に計略の匂いを嗅ぎとったものの、曹休君の怒りを買って処刑されそうになった。結果は周魴君に騙された曹休君の大敗。ナンテコッタパンナコッタ。


「故に、我々が真っ先に撃破すべきは洛陽軍。これを討って敵全軍の士気を下げた後に、陳留部隊のシバイを優先して撃破。その次は状況に合わせてオウキョウかカキのどちらかを討ち、余す刃でエンショウ軍をも撃退する。そして最後に、残る陳留部隊を蹴散らす。

――これが今回の作戦だ。各々方、くれぐれも油断なさらぬよう」


「……よし! 確認は終わりだ。皆の武運を祈る!!」


「「「オオオォォォッ!!」」」


 鬨の声を上げるとともに、各隊長は散会して配置につく。

準備は全て整い、後は陳留部隊の行動が終了して、次のターンに移行するだけだった。


 そして5ターン目。待望の瞬間。彼等は包囲陣のど真ん中にパッと出現した。


「洛陽軍推参! 今より加勢す――あるぅれぇぇぇぇーーー!?」


 ふっふっふ! 洛陽軍の驚愕ぶりは半端じゃないな。

何せ、どこでもドアを出た瞬間に、万を超す上半身裸のボディービルダーが胸筋をピクピクしながら出迎えてくれるんだ。目玉の2つや3つ、飛び出してもおかしくはない。


「さぁぁ、愛の筋肉戦士諸君。待ちに待った狩りの時間だよぉぉ……!!」


 不気味に嗤う俺が号令をかけると、怜華を除く仲間達が呼応する。

一番手は俺の左隣に布陣する丁奉だ。


「狩りじゃ、狩りじゃあぁぁ……! 一人残らず狩り捕るんじゃあぁぁ!!」


 目をギラつかせた丁奉に続き、太史慈と魏延も武勲の荒稼ぎ時を前に、血を滾らせる。


「ハハハハハハァァ!! 入れ食いだ入れ食いだっ!! ドンドン叩いてくれる!!」


「ふふふ、安心なさって。……わたくしが綺麗に食べてあげますわ……!! オホホホホホ!!」


 反対側の甘寧達も、朱桓の息子である朱異を除いてギンギラギラリン!!!


「へっへ……グヘヘヘヘヘ!! カモがノコノコとやってきたぜぇぇ……!!」


「……フッ、愚か者どもめ。我が用兵の餌食となるがいい!」


「どうですぅ? 完全なる包囲は? 痺れる程に無慈悲な仕打ち……! ポポ、ポポポポッ!」


「ドーモコンニチワ。張郃儁乂(チョウコウ・シュンガイ)です。早速ですが……死ねぇぇぇぇーーー!!」


(…………何だこの流れは……。父上もああ言っているし、私も乗った方が良いのか? ……取り敢えず……ドスコイ)


 洛陽軍にとって、一寸先は筋肉という名の絶望。

今まさに、夢のような蹂躙(パフパフ)が始まったんだな。


張郃(字:儁乂)

 曹魏を代表する名将。長年に亘って戦い続け、彼の武勇を諸葛亮は大いに警戒した。

正史の張郃は、人を見る目に定評のある劉備から、楽進(マスターヨーダ)とともに名指しで警戒される程の強敵であり、蜀の兵士達は張郃の存在をとても恐れたという。

その反面、演義に於ける張郃は負けの多い将軍として描かれており、他の魏将同様に不遇の扱いをされている。


三国◯双に於いては、もう色々な意味で美しい人。古い作品の登場シーンでは、彼(?)専用の特別モーションになったりする。別名「蝶の人」「パピヨン」「一説には木門道で戦死した時に股関に矢が刺さっていたからオカマにされた人」「プリ◯ュアの一人」等々。

この作品では魏延という最大の色モノがいるので自重してもらいました。どちらかと言えば、演義に準じた血の気の多い武将です。


ゲーム内に於ける彼は、184年に何進軍の一般武将として渤海に登場。暫く何進軍所属として戦い、反董卓連合が結成される189年と190年では鄴の韓馥(カンフク)軍に所属。韓馥軍が袁紹軍に併呑されると、200年まで袁紹軍に所属した後、曹操軍への転職に成功。そこからは231年まで曹操軍の主力として各地を転戦する。


この作品の舞台である280年シナリオでは、初めは鄴の韓馥軍に所属していましたが、第55話「まともな、行動で、話を、進めろ by怜華」にて韓馥軍が袁紹軍に敗北。そのまま袁紹軍に登用されるかと思いきや、袁紹と張郃の相性は真逆を示している為(曹操配下の魏将は殆どが袁紹と真逆)、登用には応じず、一旦在野武将となった後に曹操に登用され、殿路放浪軍の前に立ちはだかったようです。

それと第55話で、韓馥の事を “カンプク” って書いてますね。誤字ですね。すみません。


能力値……武力90 知力66 政治57 魅力72 総合285 全武将ランキング83位

スキル……《巡察の心得》《挑発》《騎兵指揮》《広域偵察》

戦法……猛攻Lv4 槍衾Lv1 奇襲Lv3 攻城Lv3

何気に《広域偵察》持ってますね。偵察要員に困った時は頼みましょう。

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