許昌攻略戦⑤
戦場の最前線に美脚の男神が君臨した頃。
姫崎放浪軍の本隊20,000は、ソウソウ率いる魏軍本隊と対峙していた。
「……ソウソウ、ソウコウ、キョチョの3部隊。数はざっと12,000といった所ですわね。さて、どうなさいます? 我等が軍師、姫崎殿」
夏侯淵と共に前衛を担当する魏延が、敵の陣容を前にして怜華へ指示を求めた。
総大将の怜華と参謀の陳宮は、まずは状況の精査に務める。
「……ちょっと前のターンで、凌操殿がチンタイの奇襲を受けたって報告があったけど……きっとこの辺りだよね」
「はい、陳めもそのように思います。……前方に見える森の中、あの中にソウソウ軍の大半が潜んでおり、先んじてチンタイが第一陣の妨害を行い、次いでソウソウ本隊が第一・二陣と我等本隊の間を遮断しに現れた……それで間違いないかと」
敵の罠を回避すべく、放浪軍は真北へ進軍した後に西へ進路を変更。戦場の隅を進軍しながら、敵の砦を急襲できる場所を目指していた。
だが、その作戦を見抜いたソウソウは砦から敢えて出撃し、自らが指揮する足止め部隊と、参謀のカクカが指揮する包囲部隊に別れて展開。
大半の戦力を戦場中央の森に潜ませた状態で甘寧ら先発隊を見過ごし、山頂に布陣する囮部隊と交戦させる事で包囲殲滅の対象となる敵の姿を確認。
その後にタイミングを見計らったチンタイが後続部隊の凌操を奇襲し、足並みを乱して山の占拠に時間をかけさせると、太史慈・丁奉の第二陣も山の周辺に釘付けにされる。
そして放浪軍の半数以上が山に集結したところを、陳留より駆けつけた援軍と共に包囲。
後軍である怜華本隊をソウソウが足止めすれば、晴れて包囲殲滅陣の完成。
即ち、姫崎放浪軍は分断されてしまい、第一・二陣は敵中にて孤立する事となった。
「圧倒的兵力差がない限り、敵は絶対に砦の付近に展開する……そう思ってたけど、今回はその裏をかかれちゃった訳か。流石はソウソウさん」
「しかも更に予想外だったのは……敵援軍の出現地点が前線に近かった事と、計ったかの様な頃合いで豪雨になった事です」
戦場経験の豊富な秋渓の不在が、敵援軍の出現地点を見誤る原因となり、不運にも豪雨となった事が「索敵」戦術の利点を曇らせた。
怜華はつい、とある老人がソウソウに言った言葉を思い出す。
「……ソウソウは兵を用いること神のごとくにありながら、天の時を知らない……なんて言われてたのに、今回に至っては天まで味方にしたっての?」
ソウソウが西涼のバチョウと対戦した時の事。
機動力に長ける西涼騎馬軍団の攻撃に苦戦したソウソウは、何度も築城を計画したが、その都度失敗に終わっていた。
そんな中、「MU・VA・I・☆」と名乗る老人がソウソウ軍の陣営に忽然と現れ、得意のラップを披露。
「youの用兵はマジ最高! マジで神ってるそこに痺れる憧れる! でもyouは知らないっ! 短足髭面なのに天の時シラナイ! そこがマジ残念! チェゲ――」
「死ねぇぇい!!」
「――ラガァッ!?」
…………という殺り取りを経たソウソウは、土砂を盛り上げた城もどきに水をかければ、冬の寒さによって氷の城を築けるという兵法を知った。
これはキューピー3分クッキングで紹介されるぐらいお手軽な兵法なので、みんなも実際に試してみよう。下記に初心者でもできる方法を記載するよ☆
1. 先ずは大勢の人手を確保します。取り敢えず、西涼軍と対峙した時と同じ30万人ぐらい集めましょう。いや、集められる程の大物になりましょう。
2. 20万人の西涼軍の攻撃に耐えられる程度の高さまで土を盛ります。土は何でもいいですが、忠実再現を望むなら川辺の土砂にしましょう。盛り上げるのも人力で行うと、よりポイントが高いですよ。
3. 「MU・VA・I・☆」老人を招く為の儀式をします。必要な材料は「龍の頸の玉」「仏の御石の鉢」「蓬莱の玉の枝」「火鼠の皮衣」「燕の子安貝」「殿路秋渓」です。
4. 20に割れたバキバキの腹筋をポンポコ叩きながら、夜明けまで讃美歌を歌います。朝になって「MU・VA・I・☆」老人が褌一丁になっていたら成功です。一夜城の出来上がり!!
5. …………んな訳ないわな。まず手順1の時点で無理ゲー。なにが3分クッキングじゃい。
「……取り敢えず、今は目の前の敵を突破する事が先。
――鶴翼の陣で突き崩すよ! 魏延殿は左翼、夏侯淵殿は右翼をお願い! 私と陳宮殿は中央に入ってソウソウ隊と戦う!」
数に勝る怜華本隊は、横陣を敷いて道を封鎖するソウソウ本隊に鶴翼で挑む。
両の翼には魏延と夏侯淵。二人の猛将が、横陣の弱点である端を切り崩す算段だ。
「ソウコウ、キョチョ。迫る敵のみを相手にせよ。血気に逸り、我から挑んで徒に被害を増す愚行だけは避けるのだ」
対するソウソウは、従弟のソウコウ(3,100弓兵)と護衛のキョチョ(3,500重装槍兵)に上記の指示を出し、持久戦に努めて放浪軍一・二陣の崩壊を狙う。
ソウソウの左側を固めるソウコウは、いの一番に勇んで応答した。
「ハッ! 承知致しました! 将兵皆、耐えれば耐えるほど勝利が近付くと心得ま――」
「「「櫓にいたのは鴉じゃないのか! なぁにソウコウとジョコウさ! そんならたいして変わりはないホイホイ!!」」」
「ぬぬぬ! この歌は……!!」
ソウコウが了承した矢先、放浪軍本隊左翼を務める魏延隊から音頭が聞こえてきた。
見れば、兵士達が手拍子を交えながら踊っている。内容はソウコウを馬鹿にするものだ。
これは魏延のスキル「挑発」を用いた、計略の「挑発」。今更だが同じ名前である。
「「「腰抜け相手の戦は退屈! いまにソウソウ来るだろうホイホイ!!」」」
バチョウとソウソウが戦った時の事。
ソウソウは自らが率いる本隊到着までの時間稼ぎをソウコウとジョコウに任せ、二将は一万の兵を伴って潼関に先行した。
血の気多い猛将二人に対して、バチョウは力攻めを避ける。城外に誘い出して袋叩きにするべく、連日ソウコウとジョコウを侮辱したのだ。
横○三国志では、その際に歌われた音頭として、これが描かれている。
「「「昼寝をしててもこれまた退屈! 戦友耳垢とってくれホイホイ♪」」」
「ぐ、ぐ、ぐ……! またしても俺を侮辱しよってぇ……!! おのれバチョウゥゥーー!!」
「「「魏延です」」」
魏延隊の兵士が冷めた返答をする一方、ソウコウはいとも簡単に激昂した。
“いまにソウソウ来る”どころか隣に本人が居るにも関わらず、彼の命令を無視して彼の目前で突撃を開始してしまう。さすがは勇猛値6(MAX一歩手前)で冷静値0(最低)なだけはある。
「掛かった! 魏延・夏侯淵隊は両の翼を閉じて退路を遮断!! 中央の私と陳宮殿が撹乱を仕掛けたら、まんまと嵌まったソウコウ隊を一撃で打ち破るよ!!」
ソウソウの左に配されていたソウコウは、放浪軍本隊左翼の魏延を目掛けて、戦場を斜めに突進した。彼の目には、もはや魏延以外が見えていない。
突出したそれを当の魏延と夏侯淵が両側から擂り潰し、怜華と陳宮が「撹乱」を仕掛けて混乱状態に陥れると、4隊一丸となって圧殺する。
「ふふふっ! 敵将・ソウコウ、この魏文長が捕らえましたわ!」
鶴翼の中に入って袋叩きに遭ったソウコウ隊3,100。彼等は弓兵という紙防御も影響して、瞬く間に潰滅してしまった。
抑々の話が、弓兵でありながら白兵戦を挑むあたりが意味不明な件。
ソウソウは怒りを通り越して唖然とし、横陣の端が早くも崩壊したのだった。
烏の行水なみに早い退場は、先の音頭にもあるようにソウコウ=鴉ということだろうか……。
曹洪(字:子廉)
曹操の従弟。旗揚当初から従う古参の将で、曹仁や夏侯惇らと共に魏軍の中核を成す存在。
董卓との戦いで窮地に陥った曹操が自害を図った際、曹洪は「天下に私は不要でも、殿は必要です」と勇気付け、曹操に己が存在の意味を再確認させた。
抜群な軍事的センスを誇る一方、思慮に欠ける人物として問題事を多発させており、三国志演義では魏軍のトラブルメーカーとして描かれている。もっと言えば吝嗇家な性格も災いし、曹一門でありながら七転八倒の人生を歩んでいる。
ゲーム内では、189年に陳留で在野として登場。翌190年の曹操旗揚げ以降は、一貫して曹操軍所属となり、主要な戦場を転戦とする。その度に「一般」だったり「太守」だったり「都督」だったり……ゲーム内に於ける地位が昇格と降格を繰り返しているという悲劇……。
能力値
武力82 知力49 政治44 魅力51 総合226(全武将ランキング333位)
義理8 野望9 勇猛6 冷静0 寿命B
スキル…商人魂、騎兵指揮
戦法…猛攻Lv3 乱撃Lv2 連射Lv3
「商人魂」という、如何にも金が絡むスキルをしれっと持っているあたり、本当に抜け目がない。
余談ですが、軍略フェイズで「商人魂」持ちの武将が兵糧購入を行うと、商人との交渉で値引きできるんですが……その際の値引き額を着服するかどうかの選択肢が出てきて……まぁ、小汚い事ができるんです。
そうですよねぇ、「商人魂」を持ってる軍神・関羽さん? 青竜偃月刀を金500で売却するより儲か――ザシュッ!! ぐはぁっ!?
話を戻して曹洪さん。
尺の都合で早々退場しましたが、決して嫌いな訳ではなく、寧ろ逆です。
特に三国志大戦3に登場する彼が好きで、好きな点を以下に記しますと……
・騎兵が大半を占める魏軍にあって弓兵
・刀を突きだすイラストが、私好みの渋カッコ良い
・「募兵」という特技持ち
※「募兵」は部隊静止中に兵力を回復させる為、止まりながら攻撃する弓兵と相性が良い。ただし、乱戦時の停止状態や、弓兵対弓兵による交戦中は無効
・上記の特技が、史実に於ける彼の活躍から付けられたと悟った瞬間
・戦法の「特攻戦法」が、如何にもな捨て身作戦で彼に似合う
※特攻戦法…自身の武力と城攻撃力を上昇させるが、発動中は操作不可能となって強制的に前進する
台詞「天下に我はいなくとも、殿はなくてはなりませぬ!」




