「( ゜д゜)ハッ!! ……ッヒフッヘホォーーイ!!」「でぇたなぁーお邪魔虫ィ!!」
281年7月 譙 農村
「ユナイテッドシスターズ inカピバラ!! 俺の筋肉は百万ボルト祭り開催ィィ!! イィィーーヤアァァァーー!!」
「イィィーーヤアァァァーーー!!!」
突然ですが姉さん、秋祭りのお時間です。
秋祭りとはアレです。俗に言う収穫祭です。7月から9月の間に行動力20を消費して農村を見聞すると、中確率で発生するイベントの事です。
以下、発生した時の一連の流れです姉さん。
『殿路秋渓が街を歩いていると、着飾った農民達を大勢見かけました。事情を聞きますか?』
↓
『はい』又は『いいえ』の選択肢が表示される。
↓
・『はい』の場合
農民「これから年に一度の収穫祭が行われます。宜しければ殿路様も参加しませんか?」
『参加する』又は『ウニョラァァ!? おんどらピィーー!!』又は『参加しない』と、続けて選択肢が表示される。
・『いいえ』の場合
『殿路秋渓はその場から立ち去りました』イベント終了
↓
・『はい』→『参加する』の場合
『殿路秋渓は農民達と共に祭りを楽しみました』
『殿路秋渓の名声が50上昇しました』イベント終了
※表示説明こそされないが、ここで悪名値が1下がり、農村の民心が大きく上昇する。
・『はい』→『ウニョラァァ!? おんどらピィーー!!(訳:叱りつける)』の場合
殿路「働きもせずに昼間から祭りだと!? 実にけしからん!! 楽しむだけの食料があるならさっさと納めぬか!!」
※プレイヤー武将が突然キレだして、農民から食料を徴収。兵糧が5,000~8,000増える。
当然ながら悪名値は上がり、農村の民心も大きく低下する。
プレイヤー武将が仁君・リュウビの場合、実に面白い光景となるのだ。
・『はい』→『参加しない』の場合
殿路「いや、今は多忙ゆえに、またの機会にしよう」
農民「……そうですか。では時間の空いた時に、またお越し下さい」イベント終了
……というように、祭りとは中々奥の深いイベントだ。
参加した場合のデメリットは一つもなく、名声狙いや民心狙いなら絶対に参加すべき。
因みに、民心は仕事の成果に大きく影響し、上手くやれば大量の功績値をゲッチュウできる。
また、兵糧が苦しい時は悪名値と引き換えに補充が可能。
そして悪名をゲッチュウしても大丈夫。勢力を拡大して金銭的な余裕が出来た後、市場を見聞すると現れる自称乞食爺に大量の軍資金を貢ぎ…………名声大量ゲット&悪名値回復!! 暴君から仁君へクラスチェンジ!! はっはっは!! 本当にひでぇゲームだな。(詳しくは第49話「金では買えない価値がある……えっ?」を参照)
だが抑々にして、農村の見聞は良イベントが多い。
畑を耕していたら土の中から宝物や武器や書物、果ては名馬が出てきたから献上しますとか。貴方の為にみんなでお金を集めました、と献上してくれたり。前述の収穫祭or徴収祭りだったり。
基本的に悪名値を持っていない限り、農民はプレイヤーの味方でいてくれる。
…………という訳です姉さん。俺に姉さんいないけど。
「そして今更だが、今は何の祭りかと言うと! 収穫祭……と同時に「殿路秋渓の戦功第一位おめでとうパーティー」だあぁぁ!! イヤアァァーー!!」
「そぉーーれっ! ワッショイ!! ワッショイ!! ワッショイ!! ワッショイ!!」
その通り、わたくし殿路秋渓、今戦初めて戦功第一位となりました。
因みに、俺の武功は3,892。二位は凌統で3,177。三位は丁奉で2,129。
丁奉や諸葛誕を筆頭とする素敵筋肉戦士達は、その戦果を盛大に祝うべく、俺を空高くまで舞い上げてくれる。所謂、胴上げというやつだな。
「流石は素敵筋肉戦士達だ。なんと言うか……四回目で既に大気圏が近い」
お星様になりそうな程、高く上げられた。所謂、胴上げというやつだな。
「目がぁぁ……!? 目がぁぁぁぁーー…………なんつってヒロシ」
続いて視界がぼやけてきた。意識もコンダクター。所謂、胴上げというやつだな……たぶん。
一方、殿路を打ち上げた地上では――
丁奉「………………殿路殿……戻ってきませんな。勢いに任せて上げ過ぎましたかな?」
諸葛誕「うぅむ……さては、月で兎と一緒に餅つきでもなさっているのではないか」
二人の筋肉戦士を筆頭に、武将達が夜空を仰ぎ見ていたという。
一方、打ち上げられた俺はというと――
「( ゜д゜)ハッ!! ここは!? 俺は何処!? ここは誰!? ワタシは天空の城!? ここはムスカ!?」
意識を改めた俺の目の前には、久々に見る自宅内の光景が広がっている。
どうやら大気圏突破=ゲーム世界線の離脱らしく、俺は現実世界で目覚めた様だ。
「…………ふっ……! よく漫画や小説でキャラクターが目覚める時に喋る代名詞『( ゜д゜)ハッ!!』……を、よもや俺自身が体現してしまうとは。俺は俺が恐ろしい……!! 神にでもなったんだろうか…………( ゜д゜)ハッ!!」
横を見やれば、机に突っ伏した状態の怜華が、スースースヤスヤ(´ω` )zzZ と眠っていた。
時間は14時分分分。気絶してゲーム世界線へ移動した時から変わっていない様子。
「……こぉれぇはぁ現実世界に戻ってきてしまったなぁぁぁぁぁーーー!!!」
「………………」スースースヤスヤ(´ω` )zzZ
「…………おおぉっとぉ!? こんな所に二足歩行のツチノコがぁぁっ!?」
「………………」スースースヤスヤ(´ω` )zzZ
「…………寝顔めっちゃ可愛いなぁぁぁぁーーーおぃぃーーー!!!」
「……むにゃ…………だまれ小僧! お前にサンが救えるか!! …………」スースースヤスヤ(´ω` )zzZ
「どんな寝言!? 今あっちの世界で何が起きてんの!?」
色々試してみたが、怜華はゲーム世界線に夢中な様子。五里霧中……ゴリ夢中……ゴリラと夢の中でチュー(^3^)……からの三秒で離婚。これこそが、現国模試で答えた俺の回答。
楼玄法師そっくりの現国教師「斜め45°の視線」こと武井ティーチャーより、想像力は満点とのお墨付きを頂いた名回答だ。
「……むむむ、これは実際に戻って確かめる他あるまい。のぉ? 殿路殿?」
「左様左様。仲間を置いて自分一人だけ焼肉パーティーは神経を疑われようて」
「如何にもその通りじゃ。殿路秋渓よ、儂らの戦いはまだまだこれからじゃ。どうにかして、皆の許へ戻ろうではないか!」
自分一人では所詮『殿路の知恵』なので、ここは俺の分身を二人召喚して『三人寄れば文殊の知恵』を体現する。えっ? 三人寄っても殿路の知恵だって? 「黙らっしゃい!」by諸葛亮
「えぇーと、確か怜華のポケットに……あ! あったあった!」
俺は怜華の後ろポケットをまさぐり、中から巨大な鉄槌を取り出す。
「ポコポコポコーン!! 『怜華ハンマー!!』」(CV: 大山◯ぶ代)
ハンマーを頭上に掲げた俺へ、俺と俺がパチパチパチ! と拍手してくれる。
「このハンマーは怜華の七つ道具の一つで、常時後ろポケットに封印されている決戦兵器だ! その威力は北欧神話に登場する神・トールが武器とする雷鎚ミョルニルに匹敵し、一振りすれば空地の隣に住むカミナリさんがビックリするという!! 凄いんだか凄くないんだかよく分からない威力!! 怜華はこれを使って、未来から来た青タヌキを捕縛したという!!
――さて、それではこれをこうしてこうやって…………」
殿路秋渓と殿路秋渓に説明を終えた俺は、殿路秋渓と殿路秋渓を我が身に納めると同時に、頭上に掲げていた怜華ハンマーを振りかざす。
「ガツンと一発!! ………………(´ω` )zzZ」
ゴツイ見た目とは裏腹に、モニュンとした心地好い感触が頭部を刺激した。
続けざまに猛烈な睡魔が襲い掛かり、俺は意識を失って深い眠りにつく。
そして当然ながら、俺に代わって遠く離れた空地の隣に住むカミナリさんがビックリする。
「おおぉっ!? なんじゃ!? なにが起きたん…………( ゜д゜)ハッ!? 儂の盆栽が……より美しく……!!
――甲羅ぁぁーー!! ノギタ!! 取り敢えず三百年ほど廊下に立っとれぇーーー!!!」
ここに『廊下を守護せし白骨戦士・ノギタ』の伝説が、今始まる!!
続きは秋渓劇場にて!! でも始まらないし続かない!! ドドン!!




