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戦後表彰


 定陶山の戦い兼濮陽攻略戦は、俺達の完全勝利に終わった。

俺達は一旦陳留の酒屋へ戻り、そこで今戦の手柄ベスト3を発表する。


「戦功第一位は甘寧の兄貴! 敵総大将のリュウタイ、参謀のエンイ、並びにオウチュウを撃破! 戦功は5958! 堂々の一位どぅわぁーー!!」


「へっへ、横取りっぽいところあったけど勘弁な!」


「第二位! 戦功1724! 太史慈! おめでとぉーー!!」


「有り難く。共に戦ってくれた兵達に感謝致す」


「第三位は朱桓! キョウボウを撃破して戦功は1693! おめでとぉーー!!」


「……まぁ、こんなものか」


「そして俺! ランキング外ッ! 誰か胴上げしてくれぇーー!!」


 そうなんだ。武力値MAXでありながら、俺はランキング外であった。感動的だな。

そしてミルク片手に机をダンッ! と叩く俺を、仁の者 諸葛誕と守護紳士 丁奉が慰めてくれる。更には諸葛靚と丁封まで混ざり、皆で胴上げもしてくれた。


「……えっと、秋渓。悪いんだけど、この人達の処遇も決めてあげて」


 このまま宴会となる事を危惧したであろう怜華が、普通に捕縛されている敗軍の将達を示す。

彼女が言ったように、捕虜となった武将の処遇は放浪軍頭領である俺の役目。


 ここで処遇について説明すると、その選択肢は3つある。

「登用」「解放」「処断」の3つだ。意味は言わずもがなだろう。


 着地した俺は真剣に考える。どの選択肢が一番良いのだろうと。

そして気付く。ラムが表示した選択肢の一つが、変化している事に。


「登用……解放…………楽屋裏!? 楽屋裏ってなんだおい!?」


 「処断」のところが「楽屋裏」になっていた。そんな人生の終わり方、聞いた事もないぞ。




 仮の話として、三国志界の最強武力を持つリョフがソウソウとリュウビの連合軍に負けて捕縛されたとする。


 縄目の状態で引き立てられたリョフにソウソウは言う「リョフを楽屋裏に送れ!」と。

リョフは猛然と抗議する「俺が騎兵を率いて、お前が歩兵を率いれば、天下平定はわけないぞ! 俺には利用価値があると思わないか!? 楽屋裏なんて早まった判断だぞ!」と。


 恨みよりも才能を重視する人材ハンターことソウソウは、その一言に心を揺さぶられ、共闘したリュウビに相談する。


 リュウビは反論する「リョフは養父を二人も殺し、私も貴方も留守を襲われた末に土地を奪われた。リョフを信じて用いれば、次は貴方の首が奪われるでしょう」と。


 ソウソウ、決断す!「リョフは楽屋裏だっ!!」




「台無しだぁーーー!!! そんな最期台無しだぁーーー!!! なんやねん楽屋裏って!? 武士の情けで処断したれや普通に!!」


「ほら、あれじゃない? 秋渓が許劭もどきに流血はあるのか? って聞いたら、全年齢対象が云々って言ってたやつ。命の殺りとりは無しだよー……ってな感じの意味でしょ?」


「あれか!? あの時のか!? うんまぁ確かに! 誰も死なないならそれに越した事はないな! うん!」


 思い出したぞ。許劭もどきが言っていた事を。


「……そうなると……ちょっと選択したい気持ちも……!」


「悪名は普通に上がると思うよ? 処断……じゃないや。敢えて楽屋裏にする必要はないでしょ」


「私も軍師殿に賛成だ。彼等が放浪軍に居ても、何ら邪魔になる事はあるまい。寧ろ、名声の低い者が殆どである我等の中にあって、リュウタイ殿やエンイ殿は時として必要な存在になるのではないか?」


 俺の出来心……即ち心の中に巣食う悪魔を、怜華と朱桓は否定する。


 現状、俺達の放浪軍は人手不足という訳ではない。戦ってくれる仲間は充分に集まってくれたし、外交や武将登用にも諸葛誕、顧雍、全琮といった者達が居れば充分だろう。


 だが、それでも不足している要素が、この放浪軍には確かに存在していた。

それは武将ごとの名声値。端的に言えば、皆が無名に近い状態なのだ。

俺や怜華は勿論の事、丁奉、諸葛誕、朱桓、全琮、凌操、凌統、顧雍、諸葛靚、丁封、全禕、朱異、全端、全懌。皆が皆、名声値0の在野の身分からスタートしていた。


中には甘寧、魏延、太史慈の様に一般武将からのスタートを切った仲間も居るが、彼等は初期状態で冷遇されている為、功績値はおろか名声値も他所の一般武将に比べて低かった。


こうなると、元が君主であるリュウタイや、名門出身故に初期の名声値がリュウタイ以上に高いエンイは貴重な存在と言えた。

特にエンイは知力と政治が70を超えており、武力も56と低すぎるわけではない。


「これから先の戦でさ、本隊の侵攻とは別の陽動作戦とかも必要になってくる。その時に秋渓の代わりとなって軍を率いる大将は、必然的に名声が高い人じゃないと……」


「全部隊の士気を維持できないか」


「うん。幾ら能力値が高い武将でも、名声が低いと兵士からの信頼は得られない。それは「鼓舞」の失敗に繋がって、最終的には陽動作戦の失敗にも繋がる。……こう言ったら悪いけど、現に秋渓も名声が低くて鼓舞を失敗する恐れがあった。だから先の戦では「疾風」を採用したの」


「あぁ、勿論分かってるさ。幾ら気合いMAXで武力MAXでも、今の俺は全軍を奮わせる実績に欠けているからな」


「そこまで言えば、後は分かるでしょ? 彼等は必要だよ」


 怜華がそう言い、朱桓と顧雍が首肯する事に、間違いはないだろう。


「よっしゃ! じゃあ四人とも今日から仲間だ! 宜しく頼むぞ!」


 俺は劉岱、袁遺(エンイ)、王忠、橋瑁(キョウボウ)の全員を余さず登用した。

それと同時に劉岱の勢力は滅亡。放浪軍の物資は金4528、兵糧42576、兵士23628となった。


劉岱,袁遺,橋瑁


劉岱・・・兗(エン)州を任されたお偉いさんで、反董卓連合に加わった諸侯の一人。連合解散後は橋瑁を襲って勢力を拡大するも、曹操に帰順。後の活躍は王忠を参照。


袁遺・・・山陽太守にして反董卓連合に加わった諸侯の一人。橋瑁と共に呂布に挑み、苦戦している味方を救出した。

スキル「為政者の極意」「商人魂」「職人の知恵」「虚報」を持ち、知力70、政治76、武将タイプ軍師(知力と政治が大きく成長する、為政者の極意ありで政治は100までいく)、初期名声値が高い、義理堅い性格という……放浪軍でなければ大出世間違いなし人材。


橋瑁・・・東郡太守にして反董卓連合に加わった諸侯の一人。劉岱の兵糧援助を断ったら攻められてアボンされた人。

魅力72、所持スキルが「農民の思い」という如何にもな開墾要因。通常プレイでは仲間になり次第、後方の補給都市に左s……派遣されて気が付けばめっちゃ出世してる。



 上記三名の中で、個人的に最も印象に残っている武将が橋瑁さんです。

このゲームの後継版で黄巾賊プレイした時の事。大兵力に反して兵糧が欠乏している状況ながら、殆どの配下武将が開墾を苦手としているので徐々にジリ貧になっていったのですが、その最中に舞い降りた神が橋瑁さんです。

黄巾党の捕虜となった彼は登用に応じるや、兵糧・兵士の補充及び武将の獲得に大活躍。前漢三英傑の一人 蕭何(ショウカ)ばりの後方支援力を発揮して、漢王朝の滅亡に尽力してくれました。マジであの働きは神ってた笑

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