「三十話になって漸く戦争って、どんだけ遊んでんのよ!」「スンマセンッ! 予想以上に兵が増えなかったんです!」
2020/03/10
戦争パートではありますが、実戦は次の話からです。すみません……。
ジャジャジャジャン! ジャン! ジャジャジャジャン! ジャジャジャジャン! ジャン! ジャジャジャジャン! ジャジャジャジャン! ジャン! ジャジャジャジーーャン!(合戦前の作戦会議bgmっす)
陳留から濮陽へ侵攻すれば、定陶山の戦いとなる。
「敵の大将はリュウタイで参謀はエンイか。4部隊で動員兵力が15600となると……リュウタイが大体5000で他3名が3000前後ずつって所だな」
「流石に戦い慣れてるだけあって、こういう推測は私以上だよね、秋渓は」
「まぁな。……経験則で言ったけど、間違いはない筈だ」
「敵がどんな感じに布陣するかは分かる?」
「大体の予測でいいなら分かる。初期配置では砦に1部隊、その北と東と南に1部隊ずつ。西側には部隊が居らず、恐らくはリュウタイが最前線を張ってる。そんで俺達が接近する前にもう一つの砦に外の部隊のどれかが入り込むだろうな」
俺達は西側から東に向かって攻め、戦場中央に位置する2つの砦でリュウタイ軍と交戦する予定。因みに初期配置では、どれだけ砦があっても1部隊しか入っていない仕様だ。
「敵の戦術については……怜華が分かるのか? 参謀だろ?」
ゲーム上の作戦会議では、参謀に当たる武将が敵味方の状況についてを説明してくれる。
それは援軍の有無だったり、城の防御力だったり、地形だったりするが、最も重要な説明は敵がどんな「戦術」を採用するのかだろう。
「戦術」とはゲーム内の用語であり、簡単に言えば戦い方に他ならない。
どんな武将でも選択できるスタンダードなものに加え、所持するスキルによって選択可能となる上位種的なものもある。
スキルを要さない戦術は、攻撃側では「通常」「速攻」「罠探」の3つ。守備側では「迎撃」「出撃」「籠城」の3つ。敵が守備側の場合、大概は迎撃を選んでくる。
※戦術説明
通常……何の付与効果も無しに単調に動くだけ。
速攻……機動力が1.5倍となり、開戦と同時に士気が20プラスされる。然し、11ターン以降は士気が40ダウンする。所謂強行軍。因みに士気のMaxは100。
罠探……守備側が仕掛ける罠の回避率が70%になる。然し、機動力が30%落ちる。
迎撃……守備部隊を前線の砦に布陣させるだけ。
出撃……城の前に部隊を配置する。防御力が10%上昇するが、開戦と同時に士気が20マイナスされる。
籠城……城内に部隊を配置する。士気が30マイナスされるだけ。特殊な戦場でない限り、まず選ばれない自滅戦術。
そして普通なら、ここで参謀に当たる武将が「敵の戦術ですが、迎撃を採用するでしょう」……とかって言うのだが、怜華は視線を逸らしてラムを見る。
「ええっとね……それに関してはラムちゃんが……」
「なぬぅー!? お主は参謀とちゃうんか!?」
「私の口が勝手に動く訳じゃないんだし仕方ないでしょ!」
やはりゲームはゲーム、現実は現実。ゲームではAI武将が棒読みするも、怜華は怜華だ。
まぁ、ここはゲーム内であって俺達の現実でもあるのだが。
「ふむ……ではラム殿。敵の戦術について教えてくれるか?」
「メェ~」
朱桓が膝を折って願い出れば、ラムは仲間を呼ぶ。
「おぉ~めっちゃ来たぞ! めっちゃ来たぞ!!」
ラムの声に応じて大量の友達羊が瞬く間に参上した。
「メェー! メェ~、メェーー」
「メェメェー! メェーー!」
ラム達はおもむろに地面に寝そべり、集団で字を作る。「迎撃」という二文字を。
「おっほぉー! この世にこれほど斬新な返答は他にねぇーぜ!」
甘寧の兄貴がはしゃぐ。怜華もラム達のお尻フリフリに可愛さを覚えて魅入っている。
「なぁラム。敵に援軍はいるか?」
俺自信もこの光景に和み、分かっていながら他の質問をする。
「メェ~メェメェー!」
ラム達は立ち上がって移動を始め、次は「無」の字を形成した。可愛い。
「ふっふっふぅー! これ、良い! これ、次の題材に……!」
(ヤベ!? 怜華のリミッターが壊れた!?)
可愛さは正義にして、時として諸刃の刃となる。
ラム達の可愛さに悶え狂った怜華は手をワキワキとさせながらラム達に近付こうとした。
忘れていた忘れていた。怜華は隠れ変人であった。俺は急いで話題を変える。
「よ、よし! では次は俺達の戦術を決めよう! ラム、それに皆! 協力ありがとな!」
ラム達はすくっと立ち上がり、役目を終えた友達羊は何処となく解散していった。
怜華「………………( ;´・ω・`)」
「さっ、怜華。作戦会議に戻ろう。俺達の戦術を決め――」
「ちっ! 疾風で一気に蹴散らすぞ……!」
「…………ウッス! ホワイトタイガーウッス」
肩に手を置いて宥める俺に、怜華大軍師様(すんません憂さ晴らしにリュウタイ軍皆殺しじゃボケェみたいな顔は止めてくださいマジで恐いんで)は舌打ち交じりに戦術を決定した。
「疾風」とは「速攻」の上位戦術。大将か参謀のどちらかが「騎兵指揮」のスキルを持っていると選択可能となる。今回の場合は俺がそのスキルを持っている。
効果は機動力が2倍、10ターンまで士気20プラス、11ターン以降は士気40ダウン。
だが機動力2倍以上の利点として、「疾風」は砦を無視して城に近付けるのだ。
本来は砦を陥落させて味方の兵站を確保する必要がある。
そうしなければ砦の後ろから始まる補給限界線を越えて進んだ際に、1ターン毎に士気が落ちて兵士が逃亡してしまう。「速攻」であっても他の戦術であっても同じだ。
然し「疾風」は関係ない。補給限界線を越えても10ターンまでは持ち前の機動力を発揮したまま城へと迫る事が可能。因みに11ターン以降も機動力はそのままで士気だけが低下する。
その特性を活かし、敵を無視して防御力の低い城を攻めて無傷で勝利。なんて作戦も可能ではあるが、今戦の城防御力は260だから流石に無理だ。あくまでこの作戦が通用するのは、城防御力が200以下かつ味方部隊数が10で兵士数もMaxという恵まれた状況の場合。
それ故に怜華が「疾風」を選んだ理由は、ただ単に「さっさと敵に八つ当たりがしたい」といった魂胆だろう。
「……じゃ、戦術は疾風でいこうか」
大将の俺に異論はなく、もといできず、事情が分からないながらも戦術的思考を優先した甘寧と朱桓と太史慈も賛同する。
「……では策略はどうする?」
朱桓が尋ねると、怜華は素早く平静を取り戻して答え返す。
「鼓舞を3つ、天変1つに幻術1つってところかな」
「策略」とは戦中に使用できるアイテムのようなもの。
作戦会議で策略P(大将の知力値+参謀の知力値。秋渓50+怜華100=150)を割り振って選択し、大将と参謀の部隊が混乱や恐慌といった状態異常に陥っていない時に発動させられる。
「鼓舞」は味方の士気を上げるという最も基本的かつ多用する策略。Pを30必要とするので3つ選択すれば90。残りPは60。
「天変」は天気を変えるもの。消費Pは20。これを1つで残りPは40。
「幻術」はチートアイテム。天候が曇りの時にだけ発動可能で、「鼓舞」や「天変」と違って失敗する事がなく、ラ○ュタの雷こと「落雷」と違って味方に被弾する事もない為、超安全核爆弾といっても過言ではない。これは消費が40なので丁度Pが足りる。
「秋渓の名声はまだ低いから、鼓舞が失敗する可能性がある。だから士気の上昇は疾風戦術で補って、10ターン以内に決着をつける。鼓舞3つは保険みたいなものね。幻術は保険の保険」
攻撃側の基本初期士気は70。これに戦術効果で20加算させて士気90。
守備側は迎撃の場合、初期士気が90。
士気は部隊の攻撃力・守備力・戦法の成功具合に大きく影響する為、とても重要な要素だ。
「戦術も策略も決まった! なら後は戦うのみ! いざ、開戦だぁーー!!」
整えられる準備は全て整えた。俺は開戦の号令を掛け、全部隊を展開した。
2020/03/10
戦争パートに漕ぎ着けるまでが如何に大変かを知った今日この頃。
そうやって思えば大戦乱記って、徹頭徹尾戦争しかしてないなぁ




