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凌操と凌統


「ようリョウトウ! それにリョウソウのおやっさんも! 単刀直入だが仲間になってくれや!」


「なんとーー!? あの甘寧殿を仲間にしたのでござるか殿路殿ーー!!」


「うむ! 天晴れだ殿路殿! まさかあの甘寧殿を仲間にするとは! いや天晴れなり!!」


「本当ですな父上! あの甘寧殿が……いやいや何と目出度いことでしょう!!」


「おぉう息子よぉーー!! あの甘寧殿が加わるなど余程の事! これは我等も見て見ぬ振りはできぬぞあのあのアノ……あのって何じゃあぁーー!!」


「ぐはあぁっ!? 何たる正拳! これはもう大陸オリンピックNo.1でございますぞ父上ェ!!」


 甘寧登用が軍議ターン終了の合図でもあった。

甘寧は俺に紹介したい人物がいるから呉に寄り道したいと言い、俺は丁奉を通じて甘寧登用パーティーの遅延と更なる盛宴準備を全琮に伝え、怜華と諸葛誕を伴って呉に来たのだぜ。


因みに甘寧の実登用によって行動力を50消費して残りが84。個人ターン移行と同時に呉に訪問する事で20消費、何と俺のターン始まって早々に残り行動力が60なのだぜ! 感動的だな……。

行動力回復量が1ターン毎に14も多い怜華が羨ましいのだぜ……。


 そして甘寧が紹介したい人物と言っていたのは何とあのリョウトウとリョウソウ。

史実に於いてリョウソウはコウソ配下時代の甘寧に殺されており、リョウトウはソヒを通じてソンケン軍に加わった甘寧を味方でありながら仇敵視していた。


 だが然し、ここは全ての武将がオール参戦する世界。仇敵も何も関係なく、憎しみ余る間柄どころか友情百倍であっても別段不思議ではないのだ!

……あと、「あの」って何なんだリョウトウ、リョウソウ。


「二人とも、改めてお願い致す! 俺の仲間になってくれ!!」


「おぉう殿路殿! 貴殿は我等親子の情熱どころか甘寧殿の想いにまで炎を滾らせた! そんな貴殿の頼みとあらば漢である以上は断れぬ!!」


「おぉ父上! では我等も立ちますか!?」


「うむ。この乱れ腐った世を正すべく、悪漢共に正義の鉄槌を下すべく、漢の求めに応えるべく、我等親子も乱世に身を投じようぞ!!」


「おぉ父上! それでこそ、それでこそ、呉の勇者! このトウも豚骨砕身で――ギャバアァー!?」


「馬鹿もーん! 粉骨砕身じゃあぁーー!! 豚骨拉麺はワシの方が食いたいわぁーー!!」


 何故だろうか、リョウソウはリョウトウより武力が低い筈なのだが、会う毎に武力が高い筈の息子を蹴散らしている。まぁ、豚骨拉麺が食べたいからだろう。


「……なぁ、怜華。俺も豚骨ラーメンが食いたく……」


「無理」


 無情にも俺の願いは即答却下されてしまう。

まだ作ってくれとも食べに行きたいとも言っていないのに。


「……でも不思議……甘寧殿ってリョウトウ殿と仲悪いんじゃないの?」


 怜華の純粋な問い掛けを受け、甘寧は口の端を上げる。


「へっへ! なに言ってんだ軍師ちゃんよ、こういう格言を知らねぇのか? 「昨日の敵は今日の友」「お前の戦は俺の戦」「野球しようぜノギタ、お前が投手と打手と守備と待機な」……それに今は280年なんだぜ、敵だったのは昨日どころかずっと前の事だろうが……よっ!」


「…………まぁ、仲が良いに越した事はないけど」


(……リョウトウ殿が初期配置でソンケン軍に居ない事も不思議なんだよなー。っーか、ノギタ過労死しそうだよ……)


 甘寧は不敵な笑みを浮かべて怜華の肩を突つき、突かれた怜華は納得していない様子。


 そんな彼女を余所に、俺は凌親子の手を取って仲間加入に感謝する。

まぁ、納得いかなくても仲間にしちゃうからな、という話だなうん。


『凌操は殿路秋渓の配下となりました』


『凌統は殿路秋渓の配下となりました』


 そして今更だが、この表示はちょっとどうかと思う。

俺としては仲間を得たつもりなのだが、俺の立場が放浪軍頭領である為に、仲間になった武将が配下扱いになってしまう。


(この仕様、どうにかならないのかとラムに聞いておく必要があるな)


 許劭もどきと仲良しなラムなら何とかしてくれるかも。

そう思った俺は善は急げ、パーティーも急げとばかりに陳留へ戻ろうとする。


「ではこれから陳留に戻り、甘寧と凌操と凌統の仲間加入を祝った大パーティーを――」


「っとと、お待ち下さい殿路殿! 実は俺からも紹介したい人物があります! 是非とも市場へ! ささ、市場へ参られよ!! 市バァーー!?」


「おぉう息子! 彼を紹介するのか! お前の眼鏡が成長を遂げた事、父は嬉しいぞ!」


「父上ェェーー!? 熱い熱、いや激し激しいですゥーー!!」


 息子の成長を祝う凌操が男泣きとともに100万パワー圧縮ハグを実行。ボキボキボキボキ! と凌統の体が悲鳴を上げる音が聞こえているのかいないのか、兎に角熱く激しい抱擁を見せる。

あとやっぱり凌操の武力は息子より低い筈だよな。どうも凌操の親っさんが武力90ぐらいありそうに見えるのだが……。


「良し! ならば行こう! いざ呉市場へ!!」


 更なるパーティー遅延をしてまで凌統が紹介したいと言う人物。凌操が大賛成を示して息子を粉砕骨折させそうな程の大物。

その者はどうやら市場を主な行動範囲としているらしく、俺は行動力を20消費した見聞を実行。商人達が商いに精を出す市場を念入りに探し回ろうと場所を移動する。


 そして見聞によって行動力を20消費し、残りは44となった。


凌操(字:不明)

呉の武将。凌統の父。剛胆な性格で武勇に秀でただけでなく、呉郡のホワイトタイガー厳さんこと厳白虎が余杭(ヨコウ)県に侵入した際には住民を指揮して迎撃するなど、統率力にも長けた人物だった。

孫策に仕えた彼は突撃隊長として数々の戦いに参戦し、孫策亡き後も立場を変えず、先陣を司って孫権軍の一翼を担う。

然しそれが仇となり、父・孫堅の仇である江夏城主・黄祖を孫権が攻めた際、凌操は黄祖配下だった甘寧に討ち取られてしまう。

呉に投降した甘寧が突撃隊長的な役割を担う様になったのは、自分を父の仇とする同僚の凌統に対する、甘寧なりの罪滅ぼしなのかもしれない。


ゲーム内では189年に呉で未発見の状態で登場。甘寧ともに生年不詳である為、他の作品によっては甘寧より歳上になっていたりしますが、この作品に於いては甘寧より2才下に設定されており、それに伴って登場年も若干後になります。

余談ですが、三国○双4で彼が甘寧に討たれた際の言葉「ぐはっ! 水賊ごときに……やられるとは……」は私の脳に強烈にインプットされた名言でした。

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