アイテムざっくざく 秋渓と怜華の談笑会
後漢皇帝を擁し、曹操軍を糾合して一時は大勢力を築いた何進軍も、最後の拠点・宛が陥落すると、大陸からその名を消した。
何進は曹操らの手によって楽屋裏に送られ(一応、建前上は俺が処断した事になっている)、彼の所持していたアイテムは全て俺の物になった。
「おいノギタ! お前の物は、俺の物っ! 俺の物は、俺の物っ! お前の貞操オレのモノ! YO! YO! 俺の
嫁になれYO!」というジャイアニズムを突き詰めた結果であろう。
「では、発表します。略奪愛テム1点目。爪黄飛電」
「何進さんの上半身を連れてった子だね。うん、羽が生えてる。ペガサスで間違いなし! UMAだよ、私にちょうだい!」
「また後でな。……2点目、絶影」
「下半身を持ってった子だね。死神っぽいのが宿って見えるけど、本当に生還率100%? 死亡率100%の凶馬じゃないよね?」
「凶馬として有名な的盧は、永安にいる純白の帝王・劉備が持ってるぞ。ただし爪黄飛電も絶影も、今のところ持ち主が二度に亘って死んでるから大凶馬確定だな」
爪黄飛電・絶影「ガガーーン!?」ガガーリン地球は青かった
※ちょっとここでズィーガー・ヴァイス!! FFファンから酷評されている「ダージュオブケ○ベロス」からFF作品を知った作者にとって、ヴァイスにぃにはカッコイイの。「ヴィンセンとー!」ゲームとか言わないであげて。
だいぶ遅くなったけどFF7Rで登場おめでとうヴァイスにぃに。
「どんどん発表するぞ。3点目ホイッ! 倚天の剣ンンーー!」
「無双の曹操さんがブン回してる名剣だよね。ムービーで使ってるのも大抵これだった気がする。名前だけでもカッコイイし、正に覇王が使う剣って感じ」
「4点目はこれだ! 青釭の剣!」
「……あぁー、呪われし名剣ね。夏侯恩さんはこれ持ってるせいでいつも処断されるよね。仮に処断しなくとも、本人の能力値がパッとしないから没収されて有能な猛将に授与されてる感じ」
名剣二つ。元はどちらも曹操の剣である。しかし青釭の剣に関しては、長坂の戦いで夏侯恩が預かっていたところを趙雲に奪われたという逸話から、シリーズを通して夏侯恩の専用アイテムとなっている事が多い。
というかその仕様を無くすと、夏侯恩の存在自体が無くなるので、夏侯恩と青釭の剣はセットでお願いします。
そしてプレイヤーからすると、低能力の夏侯恩は要らないが青釭の剣は欲しいので、夏侯恩を処断して奪う事が多々ある。ドラ○もんは要らないが四次元ポケットは欲しいのでドラ○もんの電源を切って奪い取るみたいなものだろう。それ故に呪わせし名剣と呼ばれるのだよノギタ君。
「じゃんじゃんバリバリいこう! 5点目はこちら! 孟徳新書!」
「蜀の奇才・張松さんがパクリ兵法書って論破したやつね。……実際あれ、どうなの? 曹操さんの思考が昔の兵法者と同じで、たまたま同じような文面になっただけとかじゃないの? 中国語って、韻を踏めば大抵似たようなものになる気がするんだけど」
「それ以前に孟徳新書なんて無いからなぁ。あれは三国志演義で勝手に言われてる創作物だぜ。曹操の才能をバカにしたチョロ松に対して、楊修が「これぞ孟徳新書! 曹操様の才能よ!」って見せるだろ? “孟徳” なんて曹操配下じゃ夏侯惇ぐらいしか呼べない筈なのに、それを平然と使ってるから可笑しな話だぜ。当然、曹操自身もそんな名前は付けないだろ」
「あぁー、なるほど。例えば内閣総理大臣が編集した重要文書があったとして、その名前に総理大臣の渾名が使われてるみたいなものか。……それを他国の使者に堂々と見せたら、そりゃバカにもされるわ」
「一応、孟徳新書のモデルになった兵法書はあるらしいぞ。簡単に言えば作戦マニュアルだな。こういう場合はこう戦えーとか、敵がこう動いたらこう対処しろーとか。現場で指揮する将軍の軍事的センスに依存するんじゃなくて、決められた戦法に則って戦わせるんだ。そうする事で離れた戦場にも曹操の思考が行き届くようになり、何か問題が発生しても「第十篇に書いてある何々を参考にしてこんな感じに動け。これとこれには充分注意するように」……みたいに、具体的かつ迅速な指示を出せるんだろ」
「兵法の大家が編集したマニュアルなら安心ね。正史の魏軍武将がチート級に強いのも解る気がする」
「楽進なんて関羽を撃退してるしな」
蜀漢を正義とする演義では、魏の武将は大きく弱体化もしくは無能と化している。その内の一人として、楽進は有名だ。
呂布、劉備、関羽、孫権といった主役達に連戦連勝し、その他の討伐戦でも無類の強さを発揮していながら、蜀を引き立てる為に活躍を減らされている。
どうでもいい話だが、横○三国志に於ける反董卓連合の話の一つ「曹操の危機」にて。
敗走した曹操と曹洪が徐栄の兵に見つかって窮地に陥った時、曹仁と楽進が助けに現れるのだが、「おーい、曹仁! 楽進!」と呼ぶ声に反応した二人の顔が瓜二つな件。
唯一の違いと言えば、目元の肉が上に向いているか下に向いているか。呼ばれた順番とコマ割りから考えて、肉付きが下を向いているのが曹仁。上を向いているのが楽進。いやこれ逆だよって言われてもわからんわい。
だって呼ばれた二人も、(えっ!? コイツ俺と同じ顔じゃね!?)みたいな感じで驚き合ってるし、完全に互いの事を見てるようなコマ割りしてるし。
んでもって、曹仁と思われる方が自分の馬に曹操を乗せた時の、曹操の意味深な表情と姿勢が、なんかいけないエロスを感じるんだなこれが。
「何だか今日は雑念は多いな……。これで最後。6つ目の略奪愛テム、弁道論」
「………………なにそれ」
「曹植が持ってたアイテムだな。効果は政治+5。放浪軍プレイじゃ行動力回復量の上昇程度にしか使えないのが悲しいところだ。ま、それも金が貯まれば史記(政治+10)や春秋左氏伝(政治+10)に取って代わられる」
「序盤に少しだけ使って、後は内政要員に払い下げするようなアイテムだね」
「弁道論の詳しい解説、いるか?」
「一応お願い。何か為になる話かもしれないし」
「曹操の命令で集まったインチキ方士達が飼い殺しにあっててザマァ……てな話」
「…………どーでもいぃーー。高名な詩人の著作だから期待したけど、めっちゃどーでもいぃーー」
「因みにこの弁道論に、演義で有名な左慈の名前がある」
「へぇー、どんな内容で?」
「左慈は房中術……すなわち性行為による健康法の達人と……」
「ちょっとぉ!? 助平爺じゃん! 演義の方がよっぽどマシだわ!」
「いやいや怜華さん。正史でも左慈さんはちゃんと左慈ってるぜ。弁道論はあくまでも左慈さんの左慈って具合の一部よ、一部」
「著者の匙加減みたいな言い方ね……」
「左慈だけに?」
「うん、左慈だけに」
房中術が完全な助平行為かどうかは別として、曹植の言いたい事はこうだ。
「健康を建前にいい加減な教えで民衆を惑わす奴等がいるので、魏王(曹操)が教えを請いたいという名目で呼び寄せ、飼い殺しにした。我が一族は誰も奴等の言う事なんて信じていない(笑)」……だ。
健康商法を生業とする奴等を徒に殺さず、見世物にすることで民を守る。国を治める上で、如何に曹操が気を配ったかがよく解る。
そう改めて思うと、曹操ってやっぱ凄いな。
「……と、まぁ、今回手に入れたアイテムは以上6つだ。次の軍議ではこれを割り振っていこうと思う」
「良いと思うよ。けど爪黄飛電は私に頂戴ね」
「……一つ気になるんだけど……怜華ボールに入れて効力発揮すんの?」
「別の馬を買えばいいのよ!」
「意味ねぇじゃねぇか」
ともあれ、何進軍は滅亡し、反何進連合も自然解散。
放浪軍に捕縛された武将は、何進を除いて全員が登用された。
その顔触れは盧植、 朱儁、 張遼、李厳、司馬攸、王允など豪華な面々から始まり、董承、士孫瑞、 伏完、 馬日磾、 楊彪、 耿紀、 陳琳、 張邈、 曹奐といった誰だお主等っていうような文官・皇帝まで多数だった。
そして最後に、今戦での戦功ランキング。
1位 甘寧5,683、2位 魏延4,070、3位 凌操3,277である。




