朱桓
2020/01/15
体調が回復してきたので久々に投稿。
それに伴って大戦乱記も三国志も更新速度を回復させていきます。
「何か訳分からん爺さんが混ざった気がするけど、それは置いておいて、怜華は俺が会った中で誰を登用するべきだと思った!」
「シュカン殿かな」
怜華のターンとなり、彼女は俺の問いに即答。
その理由は聞くまでもなく、今まで会った武将の中で、シュカンが最も鋭い戦略眼を持っていたからだろう。
「もう一人はリョウトウ殿。彼の武力はシュカン殿に勝り、呉にいる在野武将の中で随一を誇っている。限られた資金を考慮して、私はこの二人を推挙するわ」
怜華の所持金は20。武将一人の推挙に金10が必要なので、行動力が余っていたとしても、怜華が現在推挙できる人数は二人までたった。
「では先ずはシュカンに話し掛けよう。おっ、ちょうど出てきたな」
俺がシュカン、ゼンソウと語り終えた様に、シュカンも別の場所へ向かおうとした。
俺と怜華は彼を追い掛け、怜華が背後から呼び止める。
「シュカン殿、少しだけお待ち下さい!」
「むっ? 殿路殿に……貴女は?」
「私は殿路放浪軍の軍師を務めています姫崎怜華と申します。失礼ながら、先ほど秋渓と貴方々の会話を近くで聞かせてもらっていました」
「仲間への勧誘か?」
「はい。貴方の知勇を、私達に貸してはいただけないでしょうか?」
「……先ほど殿路殿に聞きそびれたが……貴女以外の仲間には誰が居られるのだ?」
「丁奉殿と諸葛誕殿。それと弟のテイホウ殿も加わって下さるようです」
「丁奉殿なら私も良く知っている。そうか、彼はソンケンを捨てて殿路殿を選んだのか」
彼が言うソンケン。恐らく父の方であろう。父のソンケンは今シナリオでは勢力の大将であり、子のソンケンは史実での丁奉と朱桓の主君だ。
シュカンは不敵に笑い、顎に手を当てて呟いた。
「倅も諸葛誕には大きな関わりがある。彼と共にシバショウ(陳留守将・シバイの次男)やソンチン(呉国末期のソン一族。権力の権化で丁奉に誅殺される)を討たせる事も一興か……!」
それは事実に於ける丁奉や諸葛誕と、彼の一族の関わりを示す呟きだった。
諸葛誕が魏……否、魏を蔑ろにするシバショウに離反した際、シュカンの子・シュイは同僚と共に援軍に差し向けられた。時の権力者・ソンチンによって。
元から勝ち目のない戦にも拘わらずシュイは奮戦するが、敵味方の戦力差や士気の優劣は如何ともしがたく、戦果は芳しくなかった。
それに逆上したソンチンがシュイを呼び寄せ、有無を言わさず処断。呉軍の全面敗北を加速させる愚考に出てしまったのだ。
因みにソンチンさん。俺と怜華を除いた登場武将全600名以上の中で、能力値合計ランキングはワースト7位です。しかも義理堅さは最低値の0で野望は最高値の15。にも拘わらず顔グラフィックは自信に満ちた良い笑顔をしている。何て言うか、とても、感動的だな。
「面白い……! 行き当たりばったりな進撃も時には良かろう」
「では!」
目を輝かせる怜華に対し、シュカンは大きく首肯した。
「呉の朱桓。これより殿路殿の放浪軍に加わろう。だが、あまりにも粗末な軍略ばかりをするようでは見限る故、兵を動かすなら熟考を経た後をお勧めする」
「はい! 宜しくお願いします!」
『朱桓は殿路秋渓の配下となりました』
『推挙の成功により、姫崎怜華の名声と功績が200上がりました』
『推挙により行動力と金を10消費。怜華殿の残り行動力は110、残り金は10です』
俺と怜華は朱桓の思いを裏切らぬ様に、彼に応えて強く頷き返す。
特に怜華は、頼りになる片腕を得た事をとても嬉しがり、朱桓の手を嬉々として握った。
良い笑顔だ。これこそ感動的だな。
ではここで、朱桓の能力値を公表するとしよう。
彼の武力は82、知力は81、政治56に魅力71。
所持スキルは築城技術、反計、混乱、槍兵指揮、弓兵指揮、水軍指揮
戦法は乱撃Lv4、連射Lv3 水禍Lv3、火殺Lv3、奇襲Lv4、攻城Lv3
極めて文武両道な戦闘特化型の秀英と言える能力値だ。
そして、武力値もしくは知力値が80以上の武将を登用した際に表示される、どんな感じで歓迎しますか? といった選択肢で俺は宴会を選ぶ。
先程とはまた別の飯店でパーティーを開き、タダ飯を喰らうのだ!
「次に推挙なさるなら、先の飯店にまだ居るであろうゼンソウ殿が良かろう。彼は所持戦法が貧弱で武力もやや心許ないが、それを思わせぬ確かな働きを示す良将の一人。何より、彼は私と違って温厚で扱い易い人柄ゆえ」
その最中、次はリョウトウを推挙すると言う怜華に、朱桓は自虐を交えた進言をした。
たが、能力値の高さを優先に武将の勧誘を進める怜華は、ゼンソウよりもリョウトウを優先して考えを曲げなかった。
「ふむ、まぁ軍師殿の好きな様になされよ。ただ一つ忠告するならば、あの二人は力を示さねば仲間にはならぬ。この呉を治めるゲンハクコはもとより、盧江におるソンケンの勧誘すら受けんだろう」
それでも話してみなければ分からないと言う怜華に、朱桓は尚も不敵な笑みを向けた。
結果…………朱桓の言う通りだった。
街の外れで剣の稽古をするリョウトウを見掛け、怜華は推挙したものの――
「今はまだ仕える主を探しております。申し訳ありませんが、他を当たって下さい」
爽やかな笑顔とともに体よく断られたのだった。
「……ドンマイ」
「まぁ、こういう時もある」
俺は怜華の左肩に、朱桓は右肩に手を当てて慰めた。
「うぅー! それでも私は諦めない! 今日はもう無理だけど、もっと深く会話だけしてくる! 二人は先に陳留へ戻っていて!」
推挙失敗でも金は10減る。怜華の所持金は0になり、残りの行動力は100。
その上、1ターンに於ける同一武将への連続推挙は不可能という仕様の為、リョウトウを再度推挙できるのは、10金以上を所持した状態かつ次ターン以降だ。
だが生来の負けず嫌いでもある怜華はこれにめげず、リョウトウとの親睦を兼ねて、行動力を10消費させる長時間会話をしてから帰ると言って姿を消した。
やることもない俺は朱桓を連れて、怜華の言う通り陳留へ戻る事にする。
「ふっ……健気で愛らしい軍師殿ではないか」
「おぅ、あれが怜華最大の魅力の一つよ! 能力値上は魅力が50になってるが、実際は100あっても過言じゃないぐらいに良い奴だ!」
「最大長所と謳っておきながら他にもあるのか。余程、彼女を信頼しておるのだな」
「良い女たるは、最大の魅力を十や二十も持ってるもんだぜ?」
「ふふっ、成る程。確かにその通りだ……」
陳留への帰り道、俺と朱桓は怜華についても意気投合した。
朱桓(字:休穆)
呉の武将。朱異の父。孫策の跡を継いだ孫権によって広く人材が集められた際、武官として召し抱えられた一人。
名門出身でありながら文武を兼ね備えた勇敢な人物で、孫権に可愛がられていた。
222年、彼は弱冠27歳(演義準拠)という若さでありながら、攻め寄せた魏の曹仁軍を寡兵で撃退し、大勝利を収めている。228年、次は陸遜の指揮の下、全琮とともに魏の曹休を挟撃し、大勝利に貢献している。その後も全琮とコンビを組んで活躍し、時に気位の高さが災いして仲違いする事もあったが、孫権からの信頼に揺るぎはなかった。
非常に部下想いの将軍であり、兵士達への恩賞が不足した際は自分の財産を分け与えた。それもあってか彼が没した際には、家に財産が殆どなかったという。
性格の面では、どこか日本の戦国武将・石田三成と似ている人物と言える。
因みに朱桓は、夜空を飛んで回る生首女を見ても平然としていたとかしないとか……
ゲーム内では198年に、呉で未発見武将として登場。200年になって孫策へ仕え、翌年には孫策が没して孫権に仕えている。
以降のシナリオでは常に盧江に駐屯しており、212年には軍師に出世、219年には大守(都市のNo.1)となっています流石です朱桓将軍。
600人以上いる武将の能力値ランキングで67位を冠する実力者。
尚、三国志演義に於いて222年 濡須口の戦い(曹仁を撃退した戦)では27歳となっているが、正史の生年が177年である為、本来ならば45歳となる。年齢詐欺にも程がある人。




