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第6話 「公務員といういきもの」

「では銀行員」

「はい」

「次は何をする」

 玉座の間。

 女王エリシアが少しだけ期待した目で見る。

「組織を作ります」

「そしき?」

「税金、誰が集めてると思ってます?」

「……商人?」

 レオが答える。

「違う」

「じゃあ誰だ」

 女王が問う。

「誰もやってません」

「えっ」

「今まで、なんとなく集まってただけです」

「なんとなく国家」

(よく今まで持ったなこの国)


「というわけで」

「徴税局、作ります」

「ちょうぜいきょく……」

「また怖い名前きた」

 広場に集められた人々。

「本日よりあなたたちは公務員です」

「こうむいん?」

「国の仕事をする人です」

「給料は?」

「出ます」

「やります!!」

(現金なやつらだな)


 数日後。

「支店長……」

「嫌な予感しかしない」

「全然仕事してません」

「だろうな」

 徴税局の部屋。

「……」

 職員たち――

・寝ている

・おしゃべり

・窓の外見てる

「おい」

 桜木の一言で、全員ビクッ。

「仕事は?」

「これからです」

「今やろうと思ってました」

「考えてました」

「全部ダメなやつだ」


「いいか」

 桜木、黒板的なものに書く。

「仕事とは、“やることをやること”だ」

「深い……?」

 レオが言う。

「浅い」

「まずこれ」

 ドン。

「出勤時間」

「時間?」

「決めます」

「自由じゃないのか」

「ダメです」

「なんで」

「来ないから」

「確かに」

「次」

「報告」

「何やったか書け」

「めんどくさい」

「やれ」

「あと」

「サボるな」

「それが一番難しい」


 数日後。

「支店長!」

「だからやめろ!」

「動き始めてます!」

「どれくらい」

「ちゃんと回収してます!」

「よし」

 徴税局の職員たちも――

「本日の回収、完了しました!」 「報告書です!」

「やればできるじゃないか」

「給料がかかってますから!」

(強い動機だ)

「しかし!問題があります!」

「なんだ」

「賄賂です!」

「出たな」

 職員の一人が震える。

「“見逃してくれたら金をやる”と……」

「典型だな」

「どうします!?」

 一拍。

「全員処分」

「えっ」

「受け取ったやつも、渡したやつも」

「厳しすぎません!?」

「甘くすると崩壊する」

(銀行でも同じだった)

(内部から腐る)

「お前らな」

 桜木、ため息。

「一回目は警告だ」

「……はい」

「二回目はクビ」

「はい……!」

「三回目は?」

「……」

「考えろ」

「怖い!」


 その夜。

「こんばんは」

「またお前か」

「はい、暗殺者です」

「もう名乗らなくていい」

「今日は違います」

「何が」

「仲間連れてきました」

「増えた!?」

 影からもう一人。

「新人です」

「また新人か!」

「研修中でして」

「OJTやめろ!」

「まずは見て覚えろ」

「はい先輩!」

「では――」

 シュッ。

 ナイフ。

 また外れる。

「先輩! 遠いです!」

「距離感が難しくて……」

「やめろその教育!」


 翌日。

「支店長!」

「だからやめろ!」

「さらに新しいあだ名が!」

「もういい!」

 一拍。

「取立の勇者」

「勇者じゃないって言ってるだろ!」

(なんか職業どんどん増えてるな……)


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