第18話 「宰相との決着」
「……銀行員か」
宰相グランツ邸、最奥。
静かな謁見の間。
宰相グランツが、ゆっくりと振り返る。
「はい」
「ずいぶんとこの国の体制を荒らしてくれたな」
「いいえ。立て直してるだけです」
■ 対峙
「戦場では勝ったようだな」
「ええ」
「だが」
「国は剣で動くものだ」
「違います」
「金です」
「……」
「そして信用です。国民や近隣国から信用のない国なんてのはハリボテに過ぎない」
■ 宰相の理屈
「理想論だ」
「民は愚かだ」
「だから支配する」
「借金などどうでもいい」
「帳消しにすればよい」
「戦争で奪えばよい」
「簡単だろう?」
■ 桜木の反論
「簡単ですね」
「だから破綻した」
「……」
「金を軽く見た」
「信用を捨てた」
「そして国民を見捨てた」
「その結果がこれです」
■ 核心
「あなたは」
「“今だけ”を見た」
「私は」
「“これから続くこの国の仕組み”を作ってる」
■ 宰相の一手
「ならば――」
宰相、笑う。
「奪うまでだ」
「まだやるのか」
「この屋敷にはな」
「まだ金がある」
「隠し資産だ」
「それで再起する」
(来たな)
■ カウンター
「それ」
「もうないですよ」
「……何?」
「全部、把握済みです」
「なに……?」
「銀行なめないでください」
「資産の流れは全部見てる」
■ トドメ
「その隠し資産――」
「凍結済みです」
「……!」
「あと」
「税金、未納ですよね?」
「……」
「延滞分込みで請求します」
「ここでそれ言う!?」
レオ。
■ 崩壊
「ば、馬鹿な……」
「金が……動かん……」
「兵も……来ない……」
「商人も……」
■ 真理
「当たり前だ。人はな。信用がないところには集まらない」
■ 終了
宰相、膝をつく。
「……終わりか」
「終わりです」
「……見事だ」
「銀行員」
「ただのです」
■ その後
「拘束しました!」
レオ。
「よし」
「長かったな……」
「はい」
■ ナイン
「……終わったか」
「終わったな」
「仕事、続けるか?」
「……ああ」
「給料いいしな」
「そこか」
■ 引き
数日後。
「支店長!」
「だからやめろ!」
「新しいあだ名です!」
「もういいって!」
一拍。
「国家を救った銀行員」
「それはちょっと盛りすぎだな……」
(でもまあ)
(悪くない)




