第15話
次の日。
ハンセインの作業場には、ハンセインとカルヴァがいた。
ミロスとシレトは仕事でいない。
「ひとまず、スキャンして資料を分類する。会計、契約書、構成図、ここにいくつかファイルがある、これに入れていってください」
この日もただひたすらの作業であった。
1枚目を見る。
領収書。
PCの代金だ。
スキャンして「一般的な会計」のファイルに入れる。
2枚目を見る。
本のコピー。
レストランのガイドブックだ。
スキャンして「コピー」のファイルに入れる。
そういった作業が続く。
3日間続いた。
4人は一息つく。
「これをあと2日やってたのか!?」
「そうだ、地獄だったぞ」
「スキャンしてもらった資料はクラウドで保存しています。後でメールで共有しますので。見てみてください」
「後で見てみてくださいって言っても、俺は酒の知識しかないぞ」
「領収書、手紙、契約書あたりを探してみてください。謎の薬、研究所との取引、政治とのかかわり。ネットワークを可視化するんです」
「なら可視化したほうがいいわね、クラウドサービスを共有しておくわ」
「火薬、爆薬に関する知識はある。きになったら何でも聞いてくれ。
「ではいったんここはお開きにしましょう。皆さん協力ありがとうございます」
ハンセインはPCに向かう。
シレトは帰り、カルヴァとミロスも一緒に帰宅する。
カルヴァが運転をし、ミロスは助手席に座る。
「ねえ、今日夜空いてる?」
「店か?開けてもいいぞ、不定休だからな」
「いいえ、あなた自身」
「俺か、空いてるぞ」
車はカルヴァの家で停まる。
夜。
"それ"が終わった2人はベッドで横になっていた。
「今日見ていた資料に気になるのがあるの」
ミロスは携帯端末をカルヴァに見せる。
集合写真。
「ほら、ここをみて」
ミロスが指すところには、カルヴァと似た人物がいた。
「この人、カルヴァに似てない?」
「まあ、似ているが、そんな人いるだろう」
「いえ、ここまで似ているのはなかなかないわ」
「そうか」
「でも、私はもっとあなたを知りたい。カルヴァはあまり自分を見せてくれないから」
「そうか?何か話そうか」
「じゃあ、子供の時の話をして」
「そうだな、俺の子供時代、一桁のころはとにかく元気だった。牧場を走り回り、よくいたずらをしたもんだ」
「あれ?お母さんはライ麦畑を走っていたと言っていたけど?」
「ライ麦畑は10歳ぐらいからだ。昔のことだからごっちゃになっているんだろ」
「それにしてもやんちゃだったのね」
「ああ、変らずね」
キスをする。
両手、両脚が絡み合う。
2人の夜はまだ続いた。




